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8月2日(土)・8月3日(日) 公開講座「夏休みの数学2025」が開催されました。

理工学部では,公開講座「夏休みの数学2025」が8月2日(土)・8月3日(日)に開催され,高校生,高校教員,一般の方々など,多数の参加者が受講しました。

 

【日時】

8月2日(土) 10:30~14:30

8月3日(日)[午前の部] 10:30~12:00

      [午後の部] 13:00~14:30

 

【講義】
8月2日(土) 三浦 達彦 先生 「微分方程式入門」
8月3日(日) 守 真太郎 先生/徐 貺哲 先生 「キミはAIを見破れるか?〜対話と創造のサマースクール〜」

 

 

8月2日(土)三浦 達彦 先生 「微分方程式入門」

<講義内容>
午前の講義では,「速度」と「傾斜」を題材にして微分の概念について説明し,微分が私たちの身の回りにも現れることをお話ししました。また,物理学の運動方程式や生物の増殖を表すモデルなど,様々な現象を記述する微分方程式があることを説明しました。
午後の講義では,簡単な微分方程式の解法の紹介として,生物の増殖を表す微分方程式について解説しました。まず,時間変数に関する微分を「短い時間での変化量」で近似することで微分方程式を数列の漸化式に変形し,生物の個体数が近似的に等比数列で表されることを見た後,変化量を測る時間を限りなく短くすることで元々の微分方程式の解が現れることを説明しました。その後,もっと汎用性のある解法として,変数分離法と積分計算による微分方程式の解法を紹介するとともに,微分方程式の解が実際の現象を表現できているかどうかについての考察を行いました。

 

<三浦先生からコメント>
 微分(と積分)は高校数学でもつまずきやすい単元である,とよく言われているように思います。実際,微分を定義するときには,極限という未知の概念に遭遇します。そのため,微分を身近なものと関連付けてイメージすることができず,苦手意識を持ってしまう,ということもあるかもしれません。今回の講義では,微分についてイメージや実感を持つことができるように,「速度」と「傾斜」を題材にして微分の概念を説明しました。また,微分方程式が色々な現象を記述することに使われていることも説明しました。講義の受講を通じて,微分や微分方程式を身近なものに思ってもらえると嬉しいです。

 

講義の様子

 

 

8月3日(日) 守 真太郎 先生/徐 貺哲 先生 「キミはAIを見破れるか?〜対話と創造のサマースクール〜」

<講義内容>
本サマースクール「キミはAIを見破れるか?」では,午前にチューリングテスト体験,午後に生成AIを活用した創作ワークショップが行われました。
 午前の部では,守講師による講義のもと,アラン・チューリングの問い「Can machines think?」を出発点に,人間とAIの違いについて考察しながら,ChatGPTやGeminiの回答と人間の回答を比較する実践的なチューリングテストを実施しました。最も人間らしい回答をした参加者には「Most Human Human賞」,AI判定スキルに優れた参加者には「Turing Judge賞」が贈られました。
 午後の部では,徐講師の指導のもと,「AIとの創造的協働」をテーマに,ChatGPTやGeminiで旅行プランを立案し,QwenやRunwayを使って観光プロモーション動画を作成,さらにSunoを用いて旅の記憶を音楽に変換するワークショップが行われました。AIの生成力を体感するとともに,「創造とは何か」という問いに向き合う貴重な機会となりました。

 

<守先生からコメント>
『攻殻機動隊』(押井守監督)の映画が公開されたのは1995年で,今年はちょうどその30周年にあたります。午前の講義は,作中のProject2501の対話場面の紹介から始めましたが,「この映画を見たことがある人はいますか?」と尋ねたところ,誰も手を挙げず,正直ショックを受けました。とはいえ,最新のChatGPTやGeminiを用いて参加者全員でチューリングテストを実施しながら楽しむことで,「人とAIの違い」,そして「人とは何か」について考えるよいきっかけになったと思います。午後の講義では,徐先生の指導のもと,生成AIを使って「理想の休日プラン」を練り,画像・動画・音楽まで作るという実践的なワークショップが行われました。天気にも恵まれ,窓から岩木山を眺めながらAIと創作に取り組むひとときが,参加者にとって充実した体験になっていれば嬉しく思います。

 

Turing Judge賞贈呈の様子

 

岩木山を眺めながら生成AIで創作活動

 

 

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