大学院博士前期課程のカリキュラム

理工学研究科博士前期課程 シラバス

理工学研究科博士前期課程 カリキュラムポリシー・ディプロマポリシー

1.教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)

1.教育課程の編成・実施等
 博士前期課程では,基礎学問を探究する理学及び産業に直結した工学といった従来の既成概念にとらわれず,基礎と応用及びその境界領域を含む,学際性を重視した理工融合を特徴とする高度専門教育を行います。
 専門分野を学修するための科目としてコースごとに設定する専門科目を置きます。専門科目には,特別講義,特別研究を含む。また,汎用性をもち専門基礎的な研究手法を幅広く修得させるため,専攻内共通科目として理工学実習, 理工学特別演習および理工学特別研究を置きます。
 特別研究では,科学的・工学的な視点から調査・研究を行い,その成果をとりまとめた修士論文を作成します。
 社会人として必要となる高度な分野横断的な学修のための科目として専門教育科目(キャリア教育科目)を置きます。
2.教育・学修方法
(1)主体的に学び続け,見通す力と解決する力を涵養する教育を行います。
(2)自ら課題を見出し,その解決に向けて探究を進め,成果を表現するための実践的な能力を身につけさせるため,学生が主体となる能動的な授業と研究活動を通して教育を行います。
3.学修成果の評価
(1)学修成果を厳格に評価するため,カリキュラム・ポリシーに沿って策定された到達目標の到達状況が確認できる成績評価基準を策定し評価します。
(2)各科目の学修成果の評価方法については,授業内容の詳細とあわせてシラバスにおいて科目ごとに明示します。

2.学位授与の方針(ディプロマポリシー)

 理工学研究科(博士前期課程)では,基礎学問を探究する理学及び産業に直結した工学といった従来の既成概念にとらわれず,基礎と応用及びその境界領域を含む,学際性を重視した理工融合を特徴とする「高度専門職業人の育成」という観点に立って,学位授与の方針(ディプロマポリシー)を定めて,以下に該当する者に対して,「修士(理工学)」の学位を授与します。

3.理工学専攻各コースのカリキュラムポリシー・ディプロマポリシー(令和2年度以降入学)

数物科学コース(数理科学・応用数学分野)
1.教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
 代数学,数論,組合せ論,微分幾何学,関数解析学,力学系,微分方程式,数理統計学,最適化理論などについての高度な専門知識を修得できるよう教育・研究を行います。さらに身に付けた知識をもとに,さまざまな自然現象や社会現象を定式化して数学的に表現し,数学を用いてそのメカニズムを解明することのできる人材を育成するために必要な専門科目を置きます。
2.学位授与の方針(ディプロマポリシー)
・一般的並びに専門的教養を基礎とする広い視野に立った精深な学識を修得していること。
・科学・技術の高度化と多様化に順応し得る幅広い視点から考察できる力を修得していること。
・高度な専門性を要する職業に必要な能力を修得していること。
・地域の発展に貢献できる能力を修得していること。
・(ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。
(ⅰ) 知識・理解
  • 専門分野をより深く理解できるために高度な専門的知識を修得する。
  • 専門分野と密接に関連する他分野を基本的かつ包括的に理解する。
(ⅱ) 当該分野固有の能力
  • 数理科学の専門領域の標準的な知識と手法を習得できる。
  • 数理科学上の一問題を深く掘り下げてその本質を究明できる。
(ⅲ) 汎用的能力
  • 堅固な論証に支えられ主題を精密に論じた修士論文を完成させる。
  • 数理科学を通して諸科学への展望的視野を得る。
数物科学コース(物質宇宙物理学分野)
1.教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
 先端物理学をより深く理解するための高度専門知識を修得し,より広い視野と多様な視点から新しい概念を創り出す能力を身に付けるための先端的教育・研究を行います。先端科学技術の基盤となっている物理学に,理学・工学の両面からアプローチすることをとおして,自由な発想を持ち独創的で進取の気性に富む人材を育成するために必要な専門科目を置きます。
2.学位授与の方針(ディプロマポリシー)
・一般的並びに専門的教養を基礎とする広い視野に立った精深な学識を修得していること。
・科学・技術の高度化と多様化に順応し得る幅広い視点から考察できる力を修得していること。
・高度な専門性を要する職業に必要な能力を修得していること。
・地域の発展に貢献できる能力を修得していること。
・(ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。
(ⅰ) 知識・理解
  • 専門分野をより深く理解するための高度専門知識を修得する。
  • 先進専門分野と密接に関連する他分野を基本的かつ包括的に理解する。
(ⅱ) 当該分野固有の能力
  • 様々な事象から得られた共通性から,物事の本質を見抜くことができる。
  • テクノロジーを後追いするのではなく,新しく創り出すことができる。
(ⅲ) 汎用的能力
  • 自然科学を文化としてとらえ,公正に引き継いで行く,心豊かな人間性を身に付ける。
  • 自分の専門領域にとどまらず,幅広く多方面に長期的願望を持って活躍できる。
  • 中身を伴ったプレゼンテーションが行うことができる。
物質創成化学コース
1.教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
 無機化学,有機化学,分析化学及び物理化学に関する素養をベースに,地球環境に配慮しつつ新たな有機・無機機能性材料の創成,機能評価,微量分析等について深い専門知識と学際的センスを修得し,国内外に発信・展開できる能力を備えた研究者,高度専門技術者を育成するために必要な専門科目を置きます。
2.学位授与の方針(ディプロマポリシー)
・一般的並びに専門的教養を基礎とする広い視野に立った精深な学識を修得していること。
・科学・技術の高度化と多様化に順応し得る幅広い視点から考察できる力を修得していること。
・高度な専門性を要する職業に必要な能力を修得していること。
・地域の発展に貢献できる能力を修得していること。
・(ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。
(ⅰ) 知識・理解
  • 化学の専門的知識を体系的に理解し,演習によって知識を深化・固定する。
  • 専門的知識に立脚して,化学の応用面についての理解を深め,新物質創成へと展開させる。
(ⅱ) 当該分野固有の能力
  • 物質の合成や分析・解析の専門的手技を習得し,自ら実施できる能力を身に付ける。
  • 物質の構造や反応の仕組みを探求し,説明できる能力を身に付ける。
  • 物質の構造や反応の仕組みから物質の機能を予測し,新物質創成へと展開できる能力を身に付ける。
  • 環境調和,リサイクル,省エネルギー・省資源,生活の質(QOL)などにおいて化学的に解決可能な課題を設定し,解決する方策を実施できる能力を身に付ける。
(ⅲ) 汎用的能力
  • 修士論文の作成を通して,高度な自己管理力,協調性,コミュニケーション能力,社会の一員としての自覚等を涵養する。
  • パソコンによる高度なデータ解析,レポート作成,プレゼンテーション能力等の修得を目指す。
地球環境防災学コース
1.教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
 宇宙論・宇宙線,環境化学,気象学,地質学・岩石学,地震学,自然防災工学の各研究分野において,高度で専門的な教育・研究を行います。宇宙および地球を一連のシステムとして捉え,地球環境の保全,自然災害の軽減,エネルギー資源の確保などの課題に取り組むことのできる人材を育成するために必要な専門科目を置きます。
2.学位授与の方針(ディプロマポリシー)
・一般的並びに専門的教養を基礎とする広い視野に立った精深な学識を修得していること。
・科学・技術の高度化と多様化に順応し得る幅広い視点から考察できる力を修得していること。
・高度な専門性を要する職業に必要な能力を修得していること。
・地域の発展に貢献できる能力を修得していること。
・(ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。
(ⅰ) 知識・理解
  • 地球環境学の各分野の専門知識の体系的に理解する。
  • 地球環境の保全,自然災害の軽減,エネルギー資源の確保などの課題への高度な専門的理解を得る。
(ⅱ) 当該分野固有の能力
  • 宇宙および地球を一連のシステムとして捉えることができる。
  • 現代社会における地球環境の保全,自然災害の軽減,エネルギー資源の確保などの課題解決のための方策を提案し取り組むことができる。
(ⅲ) 汎用的能力
  • より高度なコミュニケーションスキルおよび数量的スキルを修得する。
  • 論理的思考力,問題解決力を修得する。
電子情報工学コース
1.教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
 電子工学,情報工学,情報科学と,それらの融合領域における高度な学識を身に付け,電子情報分野の技術革新をリードする能力と,これらの学問と密接に関係する学識を身に付け,高度情報化社会のさまざまな分野においてその能力を技術開発や研究に活用できる人材を育成するために必要な専門科目を置きます。
2.学位授与の方針(ディプロマポリシー)
・一般的並びに専門的教養を基礎とする広い視野に立った精深な学識を修得していること。
・科学・技術の高度化と多様化に順応し得る幅広い視点から考察できる力を修得していること。
・高度な専門性を要する職業に必要な能力を修得していること。
・地域の発展に貢献できる能力を修得していること。
・(ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。
(ⅰ) 知識・理解
  • 専門分野における高度な専門知識を修得する。
  • 専門分野と密接に関係する他の分野の基盤的事項に対する包括的な理解力を修得する。
(ⅱ) 当該分野固有の能力
  • 専門分野における高度な知識をもとに,先進的な製品やシステムの技術開発や研究に取り組むことができる。
  • 以上の専門分野における知識と関係する他分野の知識を適切に組合せることにより,広い産業分野で必要とされる電子・情報技術に関するニーズに応えることができる。
(ⅲ) 汎用的能力
  • さまざまな状況において高度なコミュニケーション,プレゼンテーションができる能力を身に付ける。
  • 最先端の技術開発や研究の現場において必要とされる,高度な論理的思考能力,問題解決能力を身に付ける。
  • 社会的責任を強く自覚するとともに,情報化社会のリーダーとして必要とされる指導力と倫理観を身に付ける。
機械科学コース
1.教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
 学部教育を基礎として,未来型機械システムを創造・開発する能力を修得し,併せて,新たな価値創出や技術革新を生み出し得る基礎能力を身に付け,多様な価値変化や国際競争に柔軟に対応できる思考力と判断力をもつ技術者・研究者を育成するために必要な専門科目を置きます。
2.学位授与の方針(ディプロマポリシー)
・一般的並びに専門的教養を基礎とする広い視野に立った精深な学識を修得していること。
・科学・技術の高度化と多様化に順応し得る幅広い視点から考察できる力を修得していること。
・高度な専門性を要する職業に必要な能力を修得していること。
・地域の発展に貢献できる能力を修得していること。
・(ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。
(ⅰ) 知識・理解
  • 機械と情報を融合した「知能機械工学」における専門知識を体系的に理解する。
  • 専門知識に立脚した「知能機械工学」の応用力を身に付け,未来型機械システムの創造へ実践的に展開できるようになる。
(ⅱ) 当該分野固有の能力
  • 機械材料機能学,多様系熱流体,計測制御工学などの知能機械工学の専門知識を理解し,それらを先進的な製品・システムの設計開発や新しい現象の解明に応用・展開できるようになる。
  • 人の健康を支える医用システム工学や地球の健康を支える環境科学などの幅広い分野に関するニーズを理解し,それらに知能機械工学の高度な知識を応用・展開できるようになる。
(ⅲ) 汎用的能力
  • 多様な価値を創出することの社会的責任や様々な課題に誠実に対処できる倫理観を持つ豊かな人間性を身に付ける。
  • 技術革新や国際競争に柔軟に対応できる論理的な思考力と高度な判断力を身に付ける。
  • 国際社会の中で自分を表現し,説得できるコミュニケーション能力と表現力を身に付ける。
自然エネルギー学コース
1.教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)
 持続可能な循環型社会を実現するための,理学と工学に立脚した実学的教育・研究をとおして,エネルギー変換・貯蔵・利用及びシステム等に関する高度な専門教育・研究を行います。グローバルな視点からエネルギー・資源及び環境などの多面的な課題に柔軟かつ的確に対応できる能力と,幅広い総合的な視野を持つ人材を育成するために必要な専門科目を置きます。
2.学位授与の方針(ディプロマポリシー)
・一般的並びに専門的教養を基礎とする広い視野に立った精深な学識を修得していること。
・科学・技術の高度化と多様化に順応し得る幅広い視点から考察できる力を修得していること。
・高度な専門性を要する職業に必要な能力を修得していること。
・地域の発展に貢献できる能力を修得していること。
・(ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。
(ⅰ) 知識・理解
  • エネルギーを体系的に理解するために高度な専門知識を習得すること。
  • 理工学に立脚し,新たなエネルギー社会を創造するため,関連分野の知識や理解も深めること。
(ⅱ) 当該分野固有の能力
  • 高度なエネルギー専門知識を取得し,次世代エネルギー分野へと展開できる。
  • 多様な観点から物事を分析・評価し,人間社会を支えるエネルギー・資源問題解決に取り組むことができる。
(ⅲ) 汎用的能力
  • 研究開発を通して自主的,計画的に課題を解決する能力を身に付ける。
  • 研究論文の作成及びプレゼンテーション等により,コミュニケーション能力の向上とともに,国際的にも通用する基礎能力を身に付ける。
  • 地域とグローバルな視点から多角的な思考力・分析力を駆使して人類の発展と循環型社会を築くために必要な能力を身に付ける。

4.成績評価基準

 理工学研究科では,博士前期課程授業科目の成績評価基準を次のように定めています。

講義・演習・実習
(1)平常評価と期末評価を総合して評価する。なお,演習・実習では平常評価のみでも行うことができるものとする。
(2)平常評価は,小テスト,ミニレポート(宿題),平常の発表等で行う。
(3)期末評価は,期末試験,期末レポート,期末発表等で行う。
秀 ( 100 ~ 90点 ) 修得した高度の専門的学識及び能力を相互に関連付けて応用できる
優 ( 89 ~ 80点 ) 修得した高度の専門的学識及び能力を応用できる
良 ( 79 ~ 70点 ) 高度の専門的学識及び能力を修得している
可 ( 69 ~ 60点 ) 最低限必要な高度の専門的学識及び能力を修得している
不可 ( 59 ~ 0点 ) 最低限必要な高度の専門的学識及び能力を修得していない

弘前大学教育情報 カリキュラムポリシー・ディプロマポリシー

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