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8月5日(土),8月6日(日)公開講座「夏休みの数学2017」が開催されました。

【日時】
8月5日(土) 8月6日(日) 両日とも 10:30~15:00
【講義】
8月5日(土) 金 正道先生 「ユニット折り紙とグラフ理論」
8月6日(日) 中里 博先生 「行列と線形作用素を訪ねる」
 毎年恒例の公開講座「夏休みの数学2017」が8月5日(土)・8月6日(日)に理工学部で開催され,弘前市や弘前市近郊に限らず,むつ市や八戸市など県内各地から多数の参加者が受講しました。
 
8月5日(土) 金 正道先生担当 「ユニット折り紙とグラフ理論」
 前半の講義では,一見関連がなさそうなグラフ理論の入門的な解説および折り紙を用いた多面体作成を行いました。折り紙を12枚使用し,ユニットとよばれるパーツを12個作成し,それらを組み合わせて作成される多面体を扱いました。
 後半では,実際に折り紙で作成される多面体をグラフに当てはめる作業を行い,多面体の模様(配色)をグラフ理論の彩色問題として考えることができること,および折り紙で作成される多面体に関する最近の研究と未解決問題について紹介しました。
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金先生からのコメント
 講義時間の多くは,折り紙での多面体作成やそのグラフへの当てはめと色の塗り分けの作業を行いました。みなさん興味を持って楽しく作業しているように見受けられました。実際に見て確かめることができ直感的に分かり易く,よく理解されていると感じました。また,多くの質問をいただきました。質問のなかには,発展させると研究テーマになりそうなものもあり,講義内容をよく理解して自分なりの数学的な発想を持っていることがとても感じられました。
 

8月6日(日) 中里 博先生担当「行列と線形作用素を訪ねる」
 午前は主に表題の内容について解説をし,午後には高校生の成果も多いことも考慮して,弘前大学における英語教育や,私自身の最近の研究として,博士後期の機械系のマレーシアからの留学生との共同研究の成果である論文で,イスラム地域の中世の科学発展のコペルニクスの著作への影響などを紹介しました。
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中里先生からのコメント
 受講者からは,「コーランの中に,月の恒星系に対する東進のスピードに太陽の東進のスピードは追いつかない」という記述があるとの講師からの説明に対して,恒星を固定して捉えるという考えの斬新性に驚きの声が寄せられました。講師からは,恒星系に対する相対運動を考えることについては,イスラムの科学の到達点というより,エジプトやメソポタミアなどの人類の科学的な探求の到達点として捉えた方がよいのではないか,と回答しました。

 

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