附属研究施設

附属地震火山観測所

地震の観測
 地震火山観測所では,青森県内8か所の弘前大学の観測点に加えて,他大学・気象庁・青森県・国の高感度地震観測網など,東北地方北部から北海道南部の範囲の地震観測点からのデータをリアルタイムに集め,震源を決めたり,以下の研究のための各種解析を行っています。また,必要に応じて臨時の地震観測も行っています。2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震についても,本震直後の余震活動や内陸での誘発地震活動についての研究を進めています。
主な研究
 青森県とその周辺の地震活動の研究,地震の発生メカニズムの研究,特異な低周波地震の研究,火山や地殻・マントル構造の研究,地震波の伝播や散乱に関する研究,GPSを用いた地殻変動の研究などが行われています。図1は青森県東方沖で発生した地震による地震動の大きさの分布を表しています。最も速く伝わる波であるP波の先端の位置が十和田湖付近でくぼんだ形になっていますが,それは十和田湖の下に地震波を伝えにくい部分があるためです。
観測所と教育
 観測所の2名の専任教員が地球環境学科の教育の一部を分担しています。担当授業科目は測地学・地震学II・地震学実習・応用物理学実験・卒業研究などです。卒業研究においては,観測データの解析と論文の作成を指導します。他大学の教員や学生とともにフィールドワークを行う機会もあります。
図1:2001年8月14日に青森県東方沖で発生した地震から24秒後における地震動の大きさの空間分布。暖色系の色が振幅が大きいことを表します。
図2:地震観測に使う地震計。目的に応じてさまざまな地震計を使います。
図3:地震観測点からのデータを集めて,各地の地面の動きの大きさをほぼリアルタイムに表示しています。
附属地震火山観測所 教員構成
  • 所長教授(併任)小菅正裕
  • 助手渡邉和俊

附属医用システム創造フロンティア

 理工学研究科に「医用システム創造フロンティア」を設置し,学内連携,地域連携による医用システムに関する研究,教育,社会貢献に関するCOC (Center Of Community:地域連携拠点)の機能を担っています。研究分野では医学と理工学が協同し,地域企業との連携により新たな医用システム産業の創出を目指しています。研究は治療・手術につかうシステムから,リハビリや健康・スポーツ科学まで広汎な領域を対象としています。教育分野では研究科において医学および薬事法令などの健康科学分野に関するカリキュラムを実施し,分野融合の高度なキャリア教育を実施しています。地域連携分野では共同研究をはじめ,講演会や講習会を通じて企業技術者に先端技術を紹介するなどの啓発活動に取り組んでいます。地域に医用システム産業を創出し,国内基幹産業転換の先進地域となるよう自治体,工業会との連携を進めています。

 大学院「健康科学分野教育」:内視鏡装置を使った胃ファントム観察実習から新規の医用システムを考えます。

大動脈弓のCT画像
血流のシミュレーション結果

 血管内血流可視化の研究:CTデータから大動脈弓血管をモデル構築して血液の流れを可視化します。

附属医用システム創造フロンティア 構成
  • センター長 笹川 和彦 理工学研究科・教授
  • 副センター長佐川 貢一 理工学研究科・教授
  •  
  • 【運営委員会】
  • 委員長 笹川 和彦 理工学研究科・教授
  • 副委員長小野 俊郎 理工学研究科・教授
  • 委員  稲村 隆夫 理工学研究科・教授
  • 委員  小林 康之 理工学研究科・教授
  • 委員  佐川 貢一 理工学研究科・教授
  • 委員  藤﨑 和弘 理工学研究科・准教授
  • 委員  福田 幾夫 医学研究科・教授
  • 委員  高見 秀樹 保健学研究科・教授
  • (平成28年4月1日現在)
  •  
  • 【戦略委員会】
  • 委員長 東 康夫  青森県工業会・会長
  • 副委員長小野 俊郎 理工学研究科・教授
  • 委員  鈴木 章文 青森県商工労働部新産業創造課・課長
  • 委員  鵜野 昌男 弘前市商工振興部・理事
  • 委員  池田 浩治 東北大学病院臨床試験推進センター・特任教授
  • 委員  長尾 雅彦 青森オリンパス(株)研修センター・センター長
  • 委員  唐牛 勇仁 キヤノンプレシジョン(株)事業戦略企画部・部長
  • 委員  髙井 良尋 医学研究科・教授
  • 委員  笹川 和彦 理工学研究科・教授
  • 委員  稲村 隆夫 理工学研究科・教授
  • (平成26年6月1日現在)

寒地気象実験室

 ひろだい白神レーダーリアルタイム動画

北日本の気象や積雪を観測する
 寒地気象実験室は,豪雪や冷夏など北日本の厳しい自然現象を解明し,その被害を軽減する方策を研究する施設として1988年に設立されました。気象を対象とした全国でも数少ない大学の研究施設の一つです。昨今,地球温暖化が問題となっており,白神山地でも今後数十年の間に植生が変化し,ブナ林が消失することが危惧されています。災害につながる北日本の気象の研究に加え,長期にわたって白神の気象や積雪を観測しながら,温暖化の進行とその植生への影響に関する研究にも力を入れています。
温暖化を見すえ,柱となる研究に取り組む
 今後温暖化が進むと,豪雪や冷夏だけでなく,北日本でも豪雨や猛暑が災害の要因になる可能性があります。温暖化を見据えながら,地域の気象の研究を進めると共に,気象台・民間気象事業者・自治体・農林水産業・交通運輸関係の方々をメンバーとする「青森県気象災害連絡会」を運営し,定期的に大きな気象災害について意見交換をしています。温暖化により,世界の様々な地域で植生が変化して森林の「二酸化炭素」の吸収能力が変わり,それが温暖化を加速することが心配されています。白神山地の植生地において二酸化炭素収支の観測を行い,学内外の研究者と情報を共有しています。
気象観測データや研究成果の利活用
 気象観測には地球環境学科の学生も参加し,得られたデータは研究に活用し,研究成果を学会で発表しています。気象情報を現場の方にわかりやすく伝え提供することで,気象災害をできるだけ軽減することも目指しています。
図1:弘前大学白神自然観察園内にある寒地気象実験室
図2:風向風速計
 白神自然観察園内に限らず,機動的に気象観測を行います。
図3:竜巻の実験装置
 四方の柱から吹き出す風で装置内部に空気の回転を作り,それを上方のファンで吸い上げて回転を強めて竜巻を作ります。
図4:ひろだい白神レーダーの空中線部
 理工学研究科屋上に設置された青森県初のXバンド気象ドップラーレーダーで,半径80km円内の降雨・降雪・風の観測を行います。
図5:レーダーによる雪雲の観測例(2014年3月22日)
 レーダーから発射されたマイクロ波パルスは雨粒や雪粒に反射されて戻ってきます。色で示された反射強度(レーダー反射因子)の分布から,降水の分布や強さに関する情報が得られます。
寒地気象実験室 教員構成
  • 室長助教(併任)石田祐宣