TOPICS

『第23回青森県高等学校理数系課題研究発表会』が理工学部で開催されました。

 令和4年12月17日(土),理工学部を会場に『第23回青森県高等学校理数系課題研究発表会』が開催され,五所川原高校理数科1・2年生,弘前南高校自然科学部1年生,三本木高校GSCクラス2年生,青森高校1・2年生,4校の校長及び関係教職員が来学しました。
 数学系,物理系,地学・化学系,生物系の4分科会において高校生たちの研究成果の発表が行われ,理工学研究科・農学生命科学部から教員8名が助言者として参加しました。

【第1分科会(数学系)】

「ダイス大好き!~値比べの確立~」/五所川原
「歯医者数・逆歯医者数について」/三本木
「ツェラーウォーズ ~ツェラーの公式についての研究~」/五所川原
「キャッシュレスレボリューション☆」/三本木
「フラクタル図形について」/五所川原
………………………………………………………………………………………………
助言者/(理工学部)/守 真太郎/立谷 洋平

~担当助言者からのメッセージ/ 守 真太郎 ~

 自分たちで考えた設定で公式を証明し、その公式を用いて新しい問題を設定する、数の性質について実験しながら公式を導く、など、数学研究のエッセンスがつまった研究発表がありました。それとは別に、さまざまな統計資料を集め、そこから未来のことを予測し、課題について理解を深めるといった、データサイエンスのお手本となるものもありました。素晴らしい研究発表会だったと思います。研究力というのは問題を解く力だけではなく、問題を設定しどう解いていくのかを考える力が大事です。これだけの研究をやってきた皆さんには、ぜひ大学に進学し、学識を深めて研究力を磨いてほしいと思いました。
 最後に、研究の指導をされてきた先生方に感謝します。研究指導の過程で、学生のアイデアや悩みにつきあうことは、ご苦労もあったと思いますが、授業を通じて学生の成長を見守るのとは違う楽しさがあったのではないかと思います。今後も、こうした活動で学生をどんどん成長させて頂ければと思います。ありがとうございました。

【第2分科会(物理系)】

「ボトルフリップのカラクリを解き明かせ!」/三本木
「ペンデュラムウェーブの周期と振り子の長さの規則性」/五所川原
「お茶の葉のパラドックスについて(改)」/青森
「ZERO-G ART~テンセグリティ構造の作成~」/五所川原
「最強の橋 爆誕!」/三本木
………………………………………………………………………………………………
助言者/(理工学部)/岡部 孝裕/髙野 智也

~担当助言者からのメッセージ/ 岡部 孝裕 ~

 今回初めて参加させて頂きましたが,いずれの発表内容も期待以上のすばらしいもので,大変楽しい時間を過ごすことができました.生徒の皆さんが研究テーマに真摯に取り組み,多くの試行錯誤を重ね,当日の発表に至ったことが感じられました.
 研究は,座学のような知識の“インプット”だけではなく,実験装置の作製や得られた結果の解析・考察・結論付け,成果発表など,“アウトプット”する能力が大切です.そして,今回の経験を通して,これには「試行錯誤が欠かせない」ということを痛感したのではないでしょうか?生徒の皆さんが今後もインプットとアウトプットを試行錯誤しながら続け,さまざまな場面で活躍してくれることを期待しています.

【第3分科会(地学・化学系)】

「鮮やかな立佞武多をめざして~グラデーションやってまれ~」/五所川原
「ダニエル電池の実用化」/青森
「ロータス効果の新たな可能性への挑戦」/三本木
「バイオエタノールの製造」/弘前南
「堤川の水質調査及び水質改善について」/青森
「シャンプーとリンスインシャンプー」/三本木
………………………………………………………………………………………………
助言者/(理工学部)/北川 文彦/千坂 光陽

~担当助言者からのメッセージ/ 北川 文彦 ~

 シャンプーの洗浄力向上や運動靴についた埃の除去といった生活に関わる問題を始め,立佞武多のぼかし技術の解明やボートの練習に使う川の水質調査といった地域に根ざした問題,さらにダニエル電池の起電力向上やバイオエタノールの製造といった“化学らしい”課題の解決に生徒の皆さんが真摯に向き合ってアイデアを出し合い,どのように実験を行い,得られたデータを解釈するのかについて,興味深く拝聴しました。このような実験研究においては,外部からの助言は非常に役立つものとなりますので,今回の助言者からのコメントを参考にして頂くことで,皆さんの実験がさらに進展して,より良い知見が得られることを期待しています。

【第4分科会(生物系)】

「クマムシの蘇生―グルコースの濃度との関係について―」/青森
「植物の色素について」/三本木
「水耕栽培で甘いミニトマトを作るには」/五所川原
「魚類の色覚と生息域の関係」/青森
「三感を研ぎ澄ませ」/三本木
「野菜リベンジャーズ―お野菜チョークをつくろう―」/五所川原
………………………………………………………………………………………………
助言者/(農学生命科学部)/橋本 勝/小林 一也

~担当助言者からのメッセージ/ 橋本 勝 ~

 まずは、高校生の視点からの「何故?不思議」をみんなで協力し合って解いていこうという姿勢に感銘を受けました。自身の経験や考えに基づいた実験の予想や、実験結果の解析は、サイエンスとして最も大切な点です。私たちは「学問」という枠の中で過ごしていますが、「知識や常識」が時として自由な発想を妨害しているのではと気づかされた面も複数ありました。従って私たちにもとても勉強になったのです。
生物系の研究では「季節」という問題があり、何度も実験を行うことが出来ないという制約があります。今回の研究成果は完全なものではないのかもしれません。そこで、判った点、実験当時は想定に入れておらず、解析時にわかった実験上の改善点などを、皆さんで議論しておきましょう。それは、まずそのテーマについて後輩に興味を持ってもらい、そしてより面白い実験に展開してもらうためにとても重要なことです。

このページの先頭へ戻る