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『第21回青森県高等学校理数系課題研究発表会』が理工学部で開催されました。

 令和2年12月12日(土),理工学部を会場に『第21回青森県高等学校理数系課題研究発表会』が開催され,五所川原高校理数科1・2年生,三本木高校SCクラス2年生,弘前南高校SSHクラス1・2年生,青森高校1・2年生,4校の校長及び関係教職員が来学しました。
 数学・情報系,物理系,化学系,生物系の4分科会において高校生たちの研究成果の発表が行われ,理工学研究科・農学生命科学部から教員9名が助言者として参加しました。

【第1分科会(数学・情報系)】

「あみだくじにおける数学的考察」/五所川原
「コロナのこれからについて」/三本木
「プリズム型テンセグリティのねじれ角について」/弘前南
「双心四角形に関する考察」/五所川原
「高速道路の渋滞の防止」/三本木
「宇宙エレベーターロボット」/弘前南
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助言者/(理工学部)/中里 博/守 真太郎

~担当助言者からのメッセージ/ 守 真太郎 ~

 予稿集を読んだところ興味深い内容が多くて楽しみにしていたのですが,期待以上のすばらしいものでした。あみだくじや町のオブジェといった身近な対象を数理的に考えて証明すべき事実を見出し,しっかり証明していくこと,証明を可視化して理解をさらに深めていくこと,また,新型コロナの感染,渋滞のメカニズムを理解するために,数理モデルを動かして実際のデータで検証したりすること。これらはすべてサイエンスの基本であり,みなさんは高校生にしてこうした経験をできたことを誇りに持ってください。
 サイエンスは泥臭く,面倒で,成果を得ることは大変です。それでも人類はそれをやっていく必要があります。未来を創っていく高校生にこうした貴重な経験を積ませるための指導は大変だったと思います。本日のすばらしい発表をした学生のみなさん,そして,サポートされた先生方に感謝します。ありがとうございました。

【第2分科会(物理系)】

「送風機の配置による換気効率について」/三本木
「環境音の吸音について」/青森
「ブーメランの軌道の規則性」/五所川原
「光の色による金魚の成長速度の変化」/三本木
「カルピスクラウンの研究」/五所川原
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助言者/(理工学部)/御領 潤/藤川 安仁

~担当助言者からのメッセージ/ 藤川 安仁 ~

 身近な問題についてそれぞれ意欲的に取り組まれた研究発表で,中には助言者にとっても意外な,面白い結果なども含まれておりました。発表も良く練られた分かりやすいものばかりで,楽しく拝聴させて頂きました。
 情報化社会の高度化に伴う情報量の増加によって,自然科学に限らず社会全般に横たわる問題は益々複雑かつ難しくなってきていますが,そういった状況だからこそ,研究に取り組むことで得られる「複雑なものを単純に考えるための工夫をする」経験は大事になってくると思っています。参加者の皆様が,今回の経験を生かして今後の学修や様々な活動にさらに意欲的に取り組まれる事を期待しています。

【第3分科会(化学系)】

「マイクロプラスチックについて」/青森
「単一の脂肪酸から合成したセッケンとそれらを混合したセッケンの特性」/五所川原
「紙の可能性」/三本木
「好き嫌いを無くすために」/弘前南
「ウニの初期発生と溶存イオンの因果関係」/青森
「天然藍染めと化学藍染めに関する研究」/五所川原
「ルミノール発光とニンヒドリン反応」/三本木
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助言者/(理工学部)/竹内 大介/呉羽 拓真

~担当助言者からのメッセージ/ 呉羽 拓真 ~

 環境問題の解決を目指した研究や青森県の特色を活かした研究など,鋭い切り口からテーマを設定し,論理的に考察した発表が多く見られ,楽しく聴かせていただきました。また,他のグループの発表時には積極的に質問する様子も伺えました。質問することで質問者は理解が進み,発表者にとっては今後の研究の発展の助けになるため,今後も授業や発表会では進んで質問して欲しいと思います。研究に終わりはなく,実験に失敗はありません。明らかにしたいという熱意や情熱と,実験結果を冷静に分析する客観視が研究の発展に必要だと思います。実験と考察を楽しみながら繰り返し,研究をさらに発展させていただきたいと願っています。

【第4分科会(生物系)】

「PGPBが及ぼす植物への影響」/弘前南
「クマムシの蘇生と水溶液の濃度の関係性について」/青森
「アサガオの花に関する研究」/三本木
「アブラナ科野菜の防カビ効果」/五所川原
「青森県産品培地に最適な酢酸菌の選定」/弘前南
「底生魚の色覚について」/青森
「継続は力なり」/三本木
「ぬか漬けとぬか床の関係について」/五所川原
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助言者/(農学生命科学部)/曽我部 篤/津田 治敏/田中 紀充

~担当助言者からのメッセージ/ 曽我部 篤 ~

 新型コロナ禍による制限のなか,当初の研究活動を行なうことが難しかったかもしれませんが,どの研究もとても興味深く,皆さんのアイデアと努力を感じさせるものでした。発表では,聴衆の理解を助け,興味を刺激するようスライドや説明が工夫されていたと思いますが,一方でどのチームも質疑応答では想定外の質問に戸惑っていた印象があります。質問に上手く答えるためには,自分たちの研究に対する深い理解だけでなく,客観的な視点を持つことが大事です。一見すると的外れだったり意地悪な質問も,自分たちの研究や発表方法の問題点に気づくきっかけを与え,新たな研究テーマを発想する助けになってくれるかもしれません。

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