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『第20回青森県高等学校理数系課題研究発表会』が理工学部で開催されました。

 令和元年12月14日(土),理工学部を会場に『第20回青森県高等学校理数系課題研究発表会』が開催され,五所川原高校理数科1・2年生,三本木高校SCクラスの2年生,弘前南高校SSHクラスの1・2年生,青森高校1・2年生,4校の校長及び関係教職員,合計233名が来学しました。

 開会式後,4つの分科会に分かれて高校生たちの研究成果の発表が行われました。理工学研究科・農学生命科学部から教員11名が助言者として参加しました。

【第1分科会】

「図形の等分に関する考察」/五所川原
「青森県のこれからを考える」/三本木
「皮むき器でむいたりんごの皮の形状に関する数学的考察」/弘前南
「π ~円周率近似への式とその精密性~」/五所川原
「素数の現れ方の規則性~素数定理について~」/弘前南
「スピログラフの軌跡について」/三本木
「宇宙エレベーターロボットと応用の可能性」/弘前南
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助言者/(理工学部)/榊 真/丹原 大介/一條 健司

~担当助言者からのメッセージ/ 一條 健司 ~

 発表者の皆さんの真剣な姿,中には休み時間に発表の最終打合せをされていたグループもあり,その姿に大変感心するとともに頼もしく思いました。難しい数式を扱いスライドに記載したり,ソフトウェアを使って現象を視覚化したり,ロボットを組み立てて動かしたりと,各テーマに取り組んだ皆さんとそれを応援された先生方の努力を感じました。
 発表は,これまでの努力をアウトプットする機会であると同時に,次の努力に向けて,主観ではなかなか気が付かないような,客観的な質問やコメントをインプットする機会でもあります。是非とも,今回仕入れたインプットを加えて,より良いアウトプットを導く客観的思考力のトレーニングを,肩の力を抜いて気軽に楽しく繰り返して欲しいと思います。

【第2分科会】

「ウィンドハープについて」/五所川原
「温度差の番です」/三本木
「紙飛行機をより遠くへ」/弘前南
「ペットボトルロケットと充填する気体の関係について」/五所川原
「うずうず発電」/三本木
「Arduinoを用いた車椅子の電動化」/弘前南
「電磁誘導によるジュール熱を用いた比熱の測定」/五所川原
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助言者/(理工学部)/増田 亮/鳥飼 宏之/阿布 里提

~担当助言者からのメッセージ/ 増田 亮 ~

 身近な疑問,社会的課題,教科書を含む多様な情報源からの知識の検証など発表課題がさまざまで,皆さんの高い意識と活発な活動を垣間見ることができ,とても楽しかったです。また,課題にどのように対処するか独自に考えられており,面白く聴かせて頂きました。ありがとうございました。その中で,実験が予想通りにならず,苦労が感じられるものもありましたが,そういう場合にアドバイスしたいと思います。「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」ということわざがあります。今の課題をもっと小さな課題に分けて,一つずつ着実に取り組んでいくと良いでしょう。この発表に至るすべての経験が,皆さんの血肉となって生かされることを期待しています。

【第3分科会】

「弘前南高校の地震計でとらえたノイズ波形」/弘前南
「団子石の成因について」/青森
「セッケンの特性について」/五所川原
「色素増感大陽電池の微細構造による影響」/弘前南
「餅の粘着力に関する研究」/三本木
「マイクロプラスチックに関する研究II」/青森
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助言者/(理工学部)/澤田 英夫/片岡 俊一/佐々木 一哉

~担当助言者からのメッセージ/ 片岡 俊一 ~

 多岐にわたる研究発表は大変面白いものでした。発表態度も良く,準備もしっかりしていたように感じました。聴衆の方々に聞いてもらい,理解してもらって,やっと研究は終わります。練習は裏切らないと言います,今後も充分な練習を積んで発表して下さい。
 全ての研究で,仮説を立てながら複数の実験を進めている様子を見て,大変頼もしく思えました。今後は,さらに一歩進んで自分たちの行った実験を信じ,仮説を疑う目を持つこと,また各実験の相互の関係を考えながら考察できるように知識と知恵を持って下さい。

【第4分科会】

「タデアイの抗菌活性」/弘前南
「キノコ子実体と菌床に関する研究」/五所川原
「味覚の不思議」/三本木
「ドロメの色覚について」/青森
「プラナリアの自切について」/弘前南
「カビが生えないモチ」/五所川原
「ピーマンの果実肥大」/三本木
「イネ「赤諸」の由来」/弘前南
「プラナリアの学習」/三本木
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助言者/(農学生命科学部)/坂元 君年/金児 雄

~担当助言者からのメッセージ/ 坂元 君年 ~

 研究内容は身近な疑問に基づく新たな課題もあれば,先輩たちの研究を引き継いで発展してきた課題まで様々で,それぞれの研究に工夫や積み重ねによる改良などが見られました。新しいことには未知の発見と試行錯誤があり,継続課題には研究内容の高度化による苦労を感じさせるものの,それらに対して真剣に取り組んでいる姿勢がうかがえました。同じ高校生による全く違うタイプの発表を聞くことも刺激になったと思います。
 今回,最も素晴らしいと感じたのは,すべての発表に対して高校生からの質問が出たことです。質問する気概を今後も持ち続けてお互いに刺激しあえるような仲間が増えていくことを期待しています。

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