学部長挨拶

理工学部長 加藤 博雄

その先へ...

 理工融合を理念として掲げ,平成9年10月に理学部を改組, 理工学部になってからはや20年近くになろうとしています。当時の理系学部としては珍しく, またユニークな学部ではありましたが,気がつけば近隣の大学をはじめ各地でも理工学部に改組となる現状です。 往時の構想メンバー諸兄の先進性,先見の明を感ぜずにはいられません。 しかし,これまでの道のりは全て順調だった訳ではありません。 理学と工学の隔たりは予想外に大きく,真の融合にはやはり長い時間を必要とするというのが実感です。
 異なる立場の者が同じテーブルについて協働していく時,まずは議論によって正誤の区別をつけようとします。 それぞれの意見はその立場において正論ですので,結果は明白,平行線または中間点での妥協, もしかして最後は数の論理が働くのかもしれません。しかし,お互い,相手の立場に立って判断できればどうでしょうか。 当事者には無理かもしれませんが,一歩引いてこの過程を見聞きしている方々(学生諸君)には, これまでに見えてこなかった解の存在に気付くことが出来るかもしれません。場が人を作るとよく言われますが, 私は融合の真の意味はここにあると信じています。 ますます複雑化し高度化する今日的課題の解決には理工融合や文理融合だけでなく様々な分野の力が必要です。 様々な分野の単なる寄せ集めチームではなく,解決に向けた共通認識を持つタスク・フォースが必要です。 今後,このような課題を託される若い皆さん方には,このような場で是非とも様々なものを見聞きし経験して, 共通認識の元となる多角的視点を涵養して頂ければと切に願う次第です。