2005-12-18 記
シャーロック・ホームズの息子 : ブライアン・フリーマントル : 新潮文庫
ちなみにこの息子のセバスチャンは, おおかたのファンが期待を込めて予想する
「彼女」との間にできた息子ではない。ここでは別の設定をもうけている。
さて本編は, 第一次大戦前夜のアメリカが主要な舞台でセバスチャンが潜入捜査に
あたるので, 推理の科学はあまり登場せずに, 冒険活劇色が強い。
ロンドンではシャーロックとマイクロフトがその報告を受ける形で登場するが,
年齢とわき役という立場からか, その影は薄い。残念 !
2005-12-18 記
生協の白石さん : 白石昌則・東京農工大学のみなさん : 講談社
ネットで話題になったもの (の一部) が本になったらしい。
本家を見てなくって本に載ったものしか見ていないけど,
これってそんなに大騒ぎするほどの返答なの ? っていうのが, 正直な感想。
2005-12-18 記
理系思考 : 大滝令嗣 : ランダムハウス講談社
まあ, キャリアに悩む雇われエンジニアには, アドバイスのひとつとして
有効なのかもしれない。でも ... と, 思ってしまうのは何故だろう。
自分のスゴさに気付いていない気弱な人に, 本当の理系を名乗ってほしくない
からかなぁ。
2005-12-18 記
ホーネット、飛翔せよ : ケン・フォレット : ヴィレッジブックス(ソニー・マガジンズ)
ナチス占領下のデンマークで, 新型の対空レーダー施設の情報を
英国に送るべく, 勇気を持って活動するレジスタンスのドラマ。
でも, 恋と冒険活劇巨編 !
2005-11-22
いまどきの「常識」 : 香山リカ : 岩波新書
昨今の世間で言われているらしい「常識」とやらを 30 個ほどとりあげ,
なぜそれがもてはやされるのかを心理学的に考察することで,
現代日本の社会に広がる病巣を指摘する。
といえばカッコイイけど, 要するに「イッパイイッパイ」「安心指向」「自己中」
なわけね。
2005-11-22
大学の話をしましょうか : 森博嗣 : 中公新書ラクレ
「最高学府のデバイスとポテンシャル」という副題の, デバイスが出てくる
意味がわからんゾ。
それはさておき, 内側から見ていて当たり前と思えることでも外には見えて
いないこともあるので, それを知らしめる意味はあるかも。
で, 独特な視点もあって面白いね。賛成できる見方も, 同意しがたい見方もあるけど。
2005-11-03 記
パディントンの一周年記念 : M・ボンド : 福音館
くまのパディントン : M・ボンド : 福音館
一応シリーズの (1) と (3)。
これまた可笑しいです。たのしいです。かわいいです。
はやくシリーズそろえなくちゃ。
2005-11-03 記
宇宙の果てのレストラン : D・アダムス : 河出文庫
銀河ヒッチハイク・ガイド : D・アダムス : 河出文庫
新訳だそうです, 新潮文庫版を古書で入手したのにぃ。
でもそれはさておき, 帯の「パニクるな !」は, ちょっとなぁ。
内容としては ... 可笑しスギです。続編もあるらしいので, 早く全部出してぇ〜。
2005-11-03 記
成長する ハリー・ポッター 日本語ではわからない秘密 : ドミニク・チータム : 洋泉社
なるほどねーーー。
ハリーは精神的に成長しているし, 文章表現や英文としても成長しているのだそうだ。
2005-11-03 記
陰陽師 瀧夜叉姫 (上・下) : 夢枕獏 : 文藝春秋
例の 安部清明と源博雅 ペアの活躍する物語。オリジナル長編。
キターーーーーッ, 今回はいよいよ 平将門 登場 !
2005-11-03 記
フェルメールの暗号 : ブルー・バリエット著, ブレット・ヘルキスト絵 : ソニー・マガジンズ
ダン・ブラウンみたいのが流行ってるのの, ジュブナイル版かな。
偶然の暗合という要素を強調しすぎに見えるのが, ちょっとね。
また, 最後になって登場してくる人物が犯人だなんて ...
本編中にで出てくる暗号が, 和文に作り替えられているのが,
イマイチなのか親切なのか, よくわかりませんね。
そのためにもうひとつの暗号との整合がとれなくなっちゃってるしね。
ま, フェルメールの作品だとされている絵を見たくなったのは, 確かかも。
2005-09-04
マンボウ夢のまた夢 : 北杜夫 : 実業之日本社
雑誌連載をまとめたのだそうだが, ある意味少し悲しくて,
「こんなの読みたくないっ!」。
でもファンだからしょうがないね。内容は思い出話と, 最近の話題がチョビット。
同じ話題が繰り返し出てくる話題もあったりして, 連載ならいいのかも知れないけど,
単行本にまとめると目に余る感じ。
2005-09-01
折れた魔剣 : ポール・アンダースン : 早川文庫
やー, 指輪物語と同じ時代に作られた古典だとは知らなかった。
名作の新装復刊シリーズなわけだが, _そ_の_と_お_り_!_
エルフとオークの戦い, 折れた魔剣とその復活, ただし悪しき力,
北欧神話をベースにしたエピソード, などなど。
ハイ・ファンタジーの要素が盛りだくさん,
というか, ここから発生したと言えるのかもね。
2005-08-27 記
オリエント急行とパンドラの匣 (ケース) : はやみねかおる : 講談社
人気のシリーズ, 名探偵夢水清志郎と怪盗クイーンの共演。
期待はされていたが, いずれも中途半端な感じだなぁ。
やっぱり名探偵夢水には伝記作家の岩崎亜衣ちゃんがいなくちゃ。
ていうか, 名探偵夢水の行動パターンがステレオタイプ化されてしまって
つまらないし, こちらのシリーズの面白さは, 亜衣ちゃんなどのまわりの
キャラにもあることを, あらためて実感した。
また怪盗クイーンの方は, 本人が登場して滅茶苦茶をやらなくては面白くないけど,
今回は登場機会が少なかったし。
2005-08-27 記
考えないヒト : 正高信男 : 中公新書
副題は「ケータイ依存で退化した日本人」なんだけど,
結局何を主張したいんだろうか ?
本のタイトルと副題以上のものは無かった。残念。
2005-07-29
おもしろい話が読みたい ! 白虎編 : オールスター : 講談社青い鳥文庫
創刊 25 周年記念企画の短編集の西の部。ちなみに東の部は青龍編。
で, おめあては, はやみねです。はい。
ヤング・クイーン (Y.Q.) とリトル・ジョーカー (L. J.) の出会いっぽい
エピソード。それから夢水清志郎が論理学研究室にいたときの, ある一日。
でもこの夢水のエピソードって, どっかで見た覚えがあるなぁ。
2005-07-18
イラク戦争 日本の運命 小泉の運命 : 立花隆 : 講談社
2003-2004 年くらいにかけて, 世界や日本では, いろんなことがあった。
それらを, ある程度長いスパンで歴史の中に位置づけて, とらえてみようと
いうことらしい。
2005-07-18
勉強法が変わる本 : 市川伸一 : 岩波ジュニア新書
中学生・高校生くらいを対象に, 認知心理学的な面から, 勉強法を考え直す本。
具体的な教科・科目に対してのハウツーではない。
とは言っても, 理科・数学・小論文については,
最近の大学生にも有用な助言かもしれない。
メモ: 言葉の定義に立ち返って考える, 手を動かしながら頭を使う (図を描く),
量も質も, 構成要素による構造を考える, ...
2005-07-18
夜の物理学 : 竹内薫 : インデックス・コミュニケーションズ
すみません, 竹内薫さんと青木薫さんの二人を, 区別できていませんでした。
だってお二人とも, 似たような分野で著作・翻訳活動をされているので。
閑話休題。
本書は, 宇宙・相対論・量子論などに関するエッセイ集, というかコラム集かな。
さらにまっとうな科学・科学者の少しハミデタ部分にも触れている。
そういうのをナイト・サイエンスというらしいが。
2005-06-29
妖怪大戦争 : 荒俣宏 : 角川書店
加藤保憲リターンズなわけだが, 日本古来の妖怪たちが主役のせいか,
子供が主役のせいか, 加藤のおどろおどろしい迫力ある見せ場がないのが,
ちょっと残念。
2005-06-29
ダ・ヴィンチ・レガシー : ルイス・パーデュー : 集英社文庫
まあ, 例のベストセラーにあやかった帯がついてるけど,
1983 年に発表され 2004 年に改稿されたものだそうだ。
未発表・未公開のレオナルドの手稿の謎を追う冒険サスペンスかな。
時代を遥かに越えたアイデアが詰まったとされる手稿を,
宗教界や秘密結社を相手にして
アマチュアの研究家が争奪戦を繰り広げる (?)
わりと楽しめました。
2005-06-21
特務艦隊 : C・W・ニコル : 文藝春秋
「盟約」「遭敵海域」につづく銛一三郎の三部作完結編にして,
その前の「勇魚」からの四部作の完結編, らしい。
続編の予定は未だ無いらしいので。
で, 本書なわけだが, 第一次大戦中に地中海で活躍した
帝国海軍艦隊がいたとは知らなかった。
その海の男たちの活躍を確かな筆致で描写していて面白かった。
三郎のスーパーマンぶりはちょっと抑え気味で,
アクションシーンは少なかったけど。
2005-06-07
アブダラと空飛ぶ絨毯 : ダイアナ・ウィン ジョーンズ : 徳間書店
魔法使いハウルと火の悪魔 : ダイアナ・ウィン ジョーンズ : 徳間書店
やっと読みました。宮崎駿の映画の原作だそうだ。うん, 面白かったよ。
でも「火の悪魔」の方の解決編が, あわただしくって,
ちょっと分かりにくかったかも。
2005-06-05
霧の王国 : ジェイン・ジェイクマン : 新潮社
印象派の画家モネが倫敦に滞在していた頃,
その霧の中で猟奇的な殺人事件が起こる。
あたかもかの殺人鬼の再来のような。
若き外交官とモネとその周りの人々とが,
霧の中に浮かんでは消える光のように織り成す人間模様。
普通のミステリやサスペンスとはひと味違うページターナー。
2005-05-27
「ファインマン物理学」を読む : 竹内薫 : 講談社
今回は「力学と熱力学を中心として」。
「電磁気学」および「量子力学と相対性理論」につづく完結編。
2005-05-20
数学的思考法 : 芳沢光雄 : 講談社現代新書
最近とみに感じる, 考え方のわからない大学生 の存在。
論理的に考えるってこういうことだと, まず示すにはお手ごろかも。
2005-05-08
物理と数学の不思議な関係 : マルコム・E・ラインズ : 早川文庫NF
原題の「On the Shoulders of Giants」は,
ニュートンの言葉の一説として有名だが, さらに語源があるという。
ここでは数学という巨人の肩に乗る物理学を意味しているように見える。
物理と数学は, そういう関係なのだ。というのが解説子の言である。
すなおに考えればそうであろうが, ここでは別の説を思いついたので書いておく。
「On 〜」は「〜について」という意味にもなることから,
本書の原題は「巨人の肩について」となる。
すなわちこれは, 物理を肩の上にのせている数学についての本なのだ。
2005-05-08
御手洗潔対シャーロック・ホームズ : 柄刀一 : 原書房
御手洗とかいう人も, ちょっとは推理ができるみたいだけど,
われらがホームズにはかなわないと見える。
それにもかかわらず, 記録作家による記述には偏向していて残念 :-p
2005-04-10
高校数学でわかるシュレディンガー方程式 : 竹内淳 : 講談社ブルーバックス
副題に「量子力学を学びたい人, 本当に理解したい人へ」とある。
この本の狙いからいって当然なんだけど, (類書に珍しく) 数式がたくさん出てくる。
で, そのレベルが高校数学だというのだけど, まあ一応そうなんだろうね。
でも今どきの高校生のどのくらいが, このレベルの高校数学を駆使できるか,
一抹の不安がある。
なにせ現役の大学生でも ... (以下自粛)。
そういう意味では, 結構頑張っている方だとは思う。
実質上, 全体の七割程度で一通りの説明が終わっちゃっているし,
残りには発展的なトピックの紹介と,
なんと ! エクセルでシュレディンガー方程式 (二階の微分方程式) の数値解を
求めてしまうところまで紹介するという, 熱の入れよう。
すごいね。
でも, 量子力学を本当に理解したい人にとっては, やっとスタートした所な感じ。 まあ数式にアレルギー症状をおこしてしまい, スタートさえ切れない人が 多数いるだろう現状からすれば, 上出来上出来。というところかナ。
ということで, ところどころに大学で量子力学の単位をとろうという人への アドバイスが出てくるのはご愛敬か。
2005-04-08
ウケるブログ : 高瀬賢一 : 技術評論社
イカニモな題なのだけど, 内容はいたってオーソドックスな文章作法。
ブログというメディアに特有な, 「見た目」にも注意を払うという指摘は, アリだね。
2005-03-27 記
銀河おさわがせドギー : ロバート・アスプリン&ピーター・J・ヘック : ハヤカワ文庫SF
あいかわらずです。がしかし, 二正面いえ三正面作戦だったので, ちょっと散漫。
2005-03-27 記
ワームウッドの幻獣 : 高千穂遙 : ソノラマ文庫
クラッシャージョウの最新刊 (9)。って, 出てたのね <気付くの遅い。
2005-03-27 記
まだらの紐 : コナン・ドイル : 創元推理文庫
シャーロック・ホームズの外伝とも言えるような短編集。
戯曲と外伝。
それから, ホームズが出てくるわけではないが, それらしき推理家の
(実は間違っている) 推理が紹介されるミステリ。
田舎の名士宅・東洋からの異人など, ホームズものにもありそうな要素が
含まれているミステリ。
そして, ホームズものの原案メモとインタビュー記事。
どれも珍しいものだ。
2005-03-04
素子の読書あらかると : 新井素子 : 中公文庫
えっと, 感想です (笑)。
新井素子の本を読むのは, ひさしぶりだなぁって思います。
しかも読書エッセイ。これには, まんまと, はめられました。
リストアップされている本の, ほとんどが, 読んだことのないもの。
それで, あの, しっかりと, 読みたい気にさせられてしまいました。
もしも, 縁があったら, 読んでみたいなぁと。ではでは。
2005-02-27
失われし書庫 : ジョン・ダニング : ハヤカワ文庫HM
古書店探偵の, 今回は八十年前に失われたコレクションと,
ある作家の空白期間にまつわる謎をめぐっての冒険。
オークションで入手した献辞付き稀覯本,
稀覯本を持って死去した老婆と, それにまつわる殺人事件。
冒険はハラハラドキドキだけど, 最後の解決はチョット悲しい要素も。
2005-02-19
揺籃の星 : ジェイムズ・P・ホーガン : 創元SF文庫
あのホーガンの新三部作の開幕である。
科学礼賛のワクワク感はあいかわらずである。
しかし解説にもある通り, ベースになっている科学っぽい仮定には要注意。
2005-02-11
ガリレオの指 : ピーター・アトキンス : 早川書房
「現代科学を動かす 10 大理論」と称して,
進化・DNA・エネルギー・エントロピー・原子・対称性・量子・宇宙論・時空・算術
と, 実に幅広い話題をとりあげて解説している。
不幸にして (幸いにして ?) 全く馴染みのない話題は無かったけど,
随所に示唆的な見方がちりばめられている良書ではあると思う。
個人的に興味を持ったのは, 冒頭のガリレオの遺体から切り取られた指と, 現代では電磁波の観点から光電効果を説明する方法が見つかっているとの記述。
2005-02-05
笛吹き男とサクセス塾の秘密 : はやみねかおる : 講談社 青い鳥文庫
名探偵夢水清志郎事件ノートの第十二弾でついに 10 周年 !
ま, 時計と月食の謎はわかったけど, 楽しさに変わりはない。
ただし夢水探偵の普段の行動が暴走気味で, やや食傷気味。
今回は伊藤さんの活躍でシメてたけどね。
2005-01-23
常識としての軍事学 : 潮匡人 : 中公新書ラクレ
なんと「わしズム」連載をまとめたんだってさ。
世界標準って, ようするに「普通の国」ってことか ?
2005-01-17
文系のための数学教室 : 小島寛之 : 講談社現代新書
「数学嫌い」から「数学下手」へ。数学は「言語」の一種。
そのとおりそのとおり。
2005-01-14