1999-12-x
グレイソン攻防戦 : デイヴィッド=ウェーバー : 早川文庫
紅の勇者オナー・ハリントン(2)
緻密な会戦の描写が臨場感を盛り上げる。
1999-12-23
どおまん・せいまん奇談 : 荒俣宏 : k.k.ゼスト
鳥羽ミステリ紀行。
久しぶりの荒俣フースイ譚だったが, あとづけでの地名のコジツケに終始していて
登場人物の活躍があまり見られなかった。
加藤保憲にまさるキャラクターは登場しないのか。
1999-12-19
飛翔せよ、閃光の虚空(そら)へ ! : キャサリン=アサロ : 早川文庫
なんだこの仰々しくもちんぷな邦題わぁ。
しかし内容は ... 血湧き肉踊る冒険談っ ! にはちょびっと物足りないかな。
でも, いろいろと登場するガジェットにも興味が持たれる。
1999-12-11
レオナルド・ダ・ヴィンチ 復活『最後の晩餐』 : 片桐頼継 : 小学館
ショトル シリーズ (Shotor Museum)
修復されたレオナルドの傑作。
作品にレオナルドが込めたメッセージを読む。
テンペラの技法で描かれた作品が現実の修道院でどのように見えるのだろう。
何百年も前から痛みにいたんだ壁画を修復する技術のすごさ。
などなど何をもっても超一級。
ずいぶんと前に見た本だけど, 同類なので
1999-11-28
古書店めぐりは夫婦で : (ローレンス & ナンシー)=ゴールドストーン : ハヤカワ文庫
ジョン=ダニングの古書業界に関するミステリにも共通するおもしろさ。
もちろんこっちはミステリじゃないし, もっとあったかいけど。
続編もあるそうで, 早くでないかなぁ。
1999-11-07
SF 大将 : とり・みき : 早川書房
古今東西の SF をダシに, ミッキーバード風 3回半ひねりの効いた怪作集。
ワラえるのかワラえないのか, 相変わらずよくわからない自分を笑える。
1999-11-03
魔術師が多すぎる : ランドル=ギャレット : ハヤカワ・ミステリ文庫
魔術師を探せ ! : ランドル=ギャレット : ハヤカワ・ミステリ文庫
絶版のため入手困難でしたが, インターネット上の古本屋さんで探してもらって,
ようやく入手できました。わーい。
SF ミステリと称される分野の秀作。
科学の代りに魔法が発達した世界で, 魔法の論理にもとづいて謎が構築されている。
とりあえず, All Time Best 入り。
1999-10-30
こちら魔法探偵社 ! : ロバート=アスプリン : ハヤカワ文庫
シリーズ第 7 弾。著者の内幕がちょっとわかるおまけ付き。
これまでと趣向を変えて, ``以下次号に続く''
1999-10-26
子どもにウケる科学手品 77 : 後藤通夫 : 講談社ブルーバックス
かなり話題になって売れたらしい。
でもこれが「手品」かぁ ? (科学実験ではある, 念のため)
``ウケる''というタイトルや本文中の``〜をすればパパの株があがる''という記述は,
理科に興味を持たせたり, 理由を考えたりすることから目をそらすようだ。
もっとも, 子どもに理科好きになってもらう前に, 大人の理科嫌い・理屈嫌いを
解消しなければいけないのかもしれない。
1999-10-10 記
はじめてナットク! 超伝導 : 村上雅人 : 講談社ブルーバックス
超伝導による浮上をすべて「マイスナー効果」だと勘違いしている人が多い。
私もそうだったが, 実際には浮上している磁石が動かず弾き飛ばされないのが
不思議だった。その謎がこれで納得できた。
ここではその磁気特性に注目して, 「ピン止め効果」について解説する。
1999-10-10 記
中世シチリア王国 : 高山博 : 講談社現代新書
これまで注目されることの少なかった, ヨーロッパ・ビザンツ・イスラムの
三つの文化が共存して繁栄した地中海王国。
ヨーロッパ中世史を読み直す。
1999-10-10 記
戦争学 : 松村劭 : 文春新書
避けるためには, 知らなければならない。
古代から核戦力の時代までの世界の戦史から, 戦略・戦術を説く。
1999-10-10 記
チャーチル (増補版) : 河合秀和 : 中公新書
説明不要の大政治家の伝記。
1999-10-10 記
天使の憂鬱 (ダーティペア FLASH 1) : 高千穂遙 : ハヤカワ文庫 JA
天使の微笑 (ダーティペア FLASH 2) : 高千穂遙 : ハヤカワ文庫 JA
天使の悪戯 (ダーティペア FLASH 3) : 高千穂遙 : ハヤカワ文庫 JA
タカチホによる, ダーティペア・コンセプト の ダーティペア FLASH (!),
あるいは ``るりあ 046 版''。
1999-10-10 記
最新・世界地図の読み方 : 高野孟 : 講談社現代新書
はじめて著者を「朝まで生テレビ」の創成期に見たときには,
ちょうど冷戦末期で, 国際政治経済に関するテーマでの議論で,
「お, なかなかやるな。」と思った。(最近は全然見てないけど)
その背景には, こうやって世界を見ていたのね。
1999-09-06
リスト・オブ・セブン : マーク=フロスト : 扶桑社ミステリー
ジャック=スパークスとコナン=ドイルとが悪を追い詰め, 王室の危機を救う。
そして「ホームズ」を産み出す。
続編にも注目。
1999-08-26
仮想空間計画 : ジェイムズ=P=ホーガン : 創元SF文庫
ヴァーチャル・リアリティ世界と現実世界とを区別するものは何か ?
といった哲学的なテーマには全く発展しない。
で, 技術面や人物面に注力するのは, やっぱりホーガンだなぁと。
1999-08-18
名探偵登場 : ウォルター=サタスウェイト : 創元推理文庫
フーディーニとピンカートン社の探偵とドイルと...が登場し,
幽霊や謎の狙撃や密室殺人や降霊会や...の事件が起こり...
ああ, すてきだ。
1999-08-13
スプートニク : スプートニク協会+ジョアン=フォンクベルタ : 筑摩書房
ソ連の宇宙開発史に隠された事件の顛末。
なのだが, これってホントなの ? それとも作り話 ?
当時の米ソの宇宙開発競争の狂気を想像するに,
結構本当かなと思わせてしまうところが恐い。
アラマタ氏は本書が真実であるかのように解説してるし。
でもよく見ると, 「超」ノンフィクションとか書いてあるし,
最後の見返し部分にフィクション作品であるとの断りがあって,
すこし安心した。
1999-08-10
ペンローズのねじれた四次元 : 竹内薫 : 講談社ブルーバックス
相対論と量子論の統合をめざすペンローズのツイスター理論。
前座の相対論と量子論の説明に紙幅を取られ,
興味ある・面白そうなツイスター理論の説明が消化不良。
1999-08-07
光と電気のからくり : 山田克哉 : 講談社ブルーバックス
確かに前作「宇宙のからくり」のほうが
できがいいと思う。
途中までは電磁気の話かと思っていたら,
最後になって量子論的な話が出てきて, 構成がちぐはぐな感じぃ。
1999-08-05
アルケミスト : パウロ=コエーリョ : 地湧社
ひとは何のために生きるのか, 人生について考えさせる童話。
ストーリー自体は青い鳥を思い出した。
語られている思想・背景は決定論的な神の御心のままにだが,
目的意識と実現する過程が大事ということか。
1999-07-31
つかぬことをうかがいますが… : ニュー・サイエンティスト編集部編 : ハヤカワ文庫NF
いろんなことに興味と疑問を持ち,
それに対して真面目にそしてユーモアを交えて答えを考える。
1999-07-31
スター・ウォーズ最新科学読本 : ジーン=カヴェロス : 竹書房
22年前に「スター・ウォーズ」がスクリーンに登場したとき, それは夢物語だった。
しかしその後, 時代はジョージ=ルーカスの世界に追い付いてきた。
1999-07-17
ワトスン君、もっと科学に心を開きたまえ : コリン=ブルース : 角川書店
これはホームズもののパスティーシュか, それとも科学啓蒙書か ?
12の短編からなる本書では, ホームズが自然科学 (主として物理学) の謎に立 ち向かい, 古典力学から相対論そして量子論へ, 論理を武器に進んでいくような 構成になっている。 聖典と同様に事件が起こり, その謎を解明する指導原理として基本的な物理法則を 解説していくスタイルだ。 ほとんどの小編 (古典物理と特殊相対論の範囲) では, よくできた科学解説的探偵小説 (逆か, 探偵小説的科学解説) になっている。 しかし量子論の問題がからんでくると, 探偵小説としての明快さが鈍るのが残念。 いっそのことどちらかに絞った上で, それを徹底すればよかったのに。
例えば量子論に限定した「不思議の国のトムキンス」のような世界での 事件簿とか...... あ, いいアイデアだなぁ。ということで先取権を主張しておこう。σ(^-^)
1999-07-04
精霊がいっぱい! : ハリイ=タートルダヴ : ハヤカワ文庫FT
いやぁ, 久々の大ヒット! 楽しめました。
いわゆるユーモア・ファンタジーで, 魔法に関する緻密な設定と
モデルになっている現実との真剣な対比がおかしさを誘う。
それでいながら事件はおこり, ストーリーの展開は容赦しない。
1999-06-27
復讐の船 : S=M=スターリング (アン=マキャフリー原案) : 創元SF文庫
歌う船シリーズの 7 作目だが, BB船は出てこないんだなぁこれが。
すなわちマキャフリーの世界だけを借りてスターリングが冒険活劇を
ものしたってコトかな。
でも, 主人公ジョートの性格づけとストーリー展開は,
しっかりマキャフリーしてるね。
1999-06-25
魔法無用の大博奕! : ロバート=アスプリン : ハヤカワ文庫FT
いつまで続くか, 第6談 !
1999-06-15
メディチ家 : 森田義之 : 講談社現代新書
イタリア・ルネサンス初期を演出した一族の興亡。
ガリレオのパトロンだったのは知っていたが、
その一族の発祥や発展、そして教皇や君主を
輩出するまでになった一族だったとは。
群雄割拠し、教皇も世俗の君主として利権を狙う、
こうした攻防が繰り広げられる中で
生き残ってのし上がってきた一族だ。
1999-06-11
女たちの闇 : ローリー=キング : 集英社文庫
探偵小説としての本書の主人公は メアリ=ラッセルで、
いつのまにか事件が起こっていて、慈善事業に悪気は無いのだろうが、
新興宗教がかってるところはアヤシイかもと思ってるうちに、
それとなく解決してしまった。
しかし本書の主題は別のところにあるようだ。
1921年当時のホームズは60才だそうだし、
それが良いのか悪いのか、ちょっと困った。
なおベアリング=グールドによる伝記によれば、
ホームズは1957年103才まで生き、「探偵学のすべて」を
完成することになっているが...
1999-05-03
近代絵画の暗号 : 若林直樹 : 文春新書
絵画が描かれたときの社会・時代や作者の身の上などにも
考えを広げて絵画を解読すると、
見えなかったものが見えてくる面白さ。
1999-04-26 ごろ
エンディミオン : ダン=シモンズ : 早川書房
ハイペリオン二部作に続く新二部作の第一部。
などと前後につながる作品との関連をいっても面白さは伝わらない。
まぁ、背景を知っていた方がより楽しめるのはたしか。
前から思っていたけどシモンズのこのシリーズは、
古典的な枠物語の形式をしっかりとふまえていて、筆力も確だと感心する。
で、この作品だが、情景描写、スピード感、そしてエンディミオンや
デソヤ神父への感情移入を誘うなど、う・ま・い・!
1999-04-24
電脳農奴解放ジャーナル 1999 Vol.1 : 電脳農奴解放戦線 編著 : 太田出版
えっと、読書といったものじゃぁ無いけど。
MS hate といったものは、Web 上にもいっぱいあるけど、
そういったところで繰り返されてきたものがまとまった感じ。
以前は PC-PAGE や 別冊宝島 や ざ・べーしっく や 電脳騒乱節 といったものが、
こういった毒を発散していたが、最近そーゆーの無いね。
1999-04-15 ごろ
第三双生児 : ケン=フォレット : 新潮文庫
クローンという最先端の科学技術をうまく料理して、
コンテンポラリー・サスペンス小説でも秀作をものにした。
この作者はやはり人間/人物の書き込みには力量を発揮する。
1999-03-30
ホット・ゾーン : リチャード=プレストン : 小学館文庫
驚異に満ちたこの本は、飛鳥新社からハードカヴァー・ペーパーバックとして
刊行され、今回小学館文庫になった。
高い致死率のエボラウイルスと人との対決、といっても
人にできることはほとんど何もない。
しかし USAMRIID の (軍属・民間の) 研究者たちは、
勇気と情熱を持って取り組んでいく。
1999-03-27
造物主の選択 : ジェイムズ=P=ホーガン : 創元SF文庫
タイタンで遭遇した異種族の、そのライフメーカーも、
自分自身をコード化して送り込まれていた !
タロイドたちの世界をルネッサンス期のイタリアに見立てるのも一興。
「造物主の掟」続編。
1999-03-20 ごろ
スタープレックス : ロバート=J=ソウヤー : ハヤカワ文庫SF
異星人との共同プロジェクト、
探査宇宙船スタープレックス号の謎と驚異の大冒険 !!
「ビーグル号」や「オロモルフ号」や「スタータイド・ライジングは何号?」とは
また違った面白さがある。
そう、まるで「エンタープライズ号」!
しかし、解き明かされる謎のケタがちがう !!
1999-03-12
渇きの女王 : トム=ホランド : ハヤカワ文庫NV
ミステリアスな吸血鬼譚。
物語を語り終わってもちっとも事件が解決した気がしなく、
妖しい余韻が残る。
雰囲気としてアン=ライスのレスタトとアカシャの物語と似ているかもしれない。
物語の要素として、語りの形式・登場人物・事件など、
様々な工夫がされているのもすばらしい。
前作「真紅の呪縛」も良い。
1999-03-06
ドラキュラ戦記 : キム=ニューマン : 創元推理文庫
ドラキュラが支配するもう一つの近現代史か。
古今東西の文学・映画の世界が虚実混合して織り成す破天荒な物語。
1999-02-28
ドイルと、黒い塔の六人 : マーク=フロスト : 扶桑社ミステリー
ホームズのモデルの探偵ジャック=スパークスとワトソン役のドイルといった
設定自体が、ホームズ譚の構造を持っているところも面白い。
前作「リスト・オブ・セブン」をチェックせねば。
1999-02-22
ダスト : チャールズ=ペルグリーノ : ソニーマガジンズ
帯にあるようなバイオサスペンスというよりは、生命・進化・生態系を
キーに繰り広げられる、科学的根拠のしっかりした破滅型 SF 小説で、
新たな黙示録と言ってもいいかもしれない。
背景となる科学知識・設定はしっかりしているが、
それがエンターテイメントになるか、思弁的な深みを持つか、
叙情的になるかは、味付けしだい。
本作品の場合には、スケールの大きいアイデアだけに、
少し中途半端な気がして惜しまれる。
あと、カバーをはずした時の書籍の装丁がオドロオドロ過ぎるようで、
どこかのだれかが勘違いしたのかと思った。
1999-02-16
新艦長着任! : デイヴィッド=ウェーバー : ハヤカワ文庫
宇宙/未来のホーンブロワー、帆船小説のSF化、ミリタリイSFの真打ち、などと
解説では絶賛されている。確に冒険活劇SF小説としておもしろい。
しかし、新たな任務(艦)への着任・乗組員たちとの対立と和解・困難な任務・
足を引っ張る権力者たち・強大な敵との戦闘、と
(ホーンブロワーの)ストーリーの骨格をまとめるとは、さすがだ。
続編にも期待しよう。
1999-02-10
カーボンナノチューブの挑戦 (岩波科学ライブラリー 66) : 飯島澄男 : 岩波書店
フラレンと並ぶ炭素の籠型クラスターは、日本人によって発見された。
そのカーボンナノチューブ発見にまつわる話や、性質、特徴、
新物質としての期待を語る。
1999-02-03
シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人 : レジナルド=ヒル・E=D=ホック・他 : 原書房
クリスマスの季節を軸にパスティーシュを集めたアンソロジー。
幽霊ものはホームズになじまないと思うが、
それとは別に 英国+クリスマス というとディケンズのクリスマス・キャロルが
強く意識されるところから、このアンソロジーの中にもそれにちなんだ作品が多い。
1999-01-31
シャーロック・ホームズ リオ連続殺人事件 : J=ソアレス : 講談社
ブラジルで繰り広げられる(シュロック・ホームズばりの)ドタバタコメディ。
もちろんホームズの推理もキてる。
気が付けば事件はどんどん進み、次々に犠牲者が...
うーん、まるで横溝=金田一だ。
『あの女』とストラディヴァリウスに関する異譚とも言える。
もちろん 18世紀末の連続猟奇殺人事件とも...
1999-01-25
ホームズとワトソン : ジューン=トムソン : 創元推理文庫
ホームズとワトスンを実在の人物として扱い、著者としてのドイルは存在しない。
他の研究者の意見を引用しつつ、聖典に書かれていないことは、推理する。
二人の活躍の足跡を追った良書。
1999-01-24
大魔術師も楽じゃない! : ロバート=アスプリン : ハヤカワ文庫FT
大好評、お笑いファンタジー『マジカルランド 5』も快調です。
1999-01-08
封印された数字 : ジョン=ダニング : ハヤカワミステリ文庫
わるくはないけど、ちょっと整理されてないって感じ?
死の蔵書 : ジョン=ダニング : ハヤカワミステリ文庫
幻の特装本 : ジョン=ダニング : ハヤカワミステリ文庫
ミステリ界で話題沸騰の元警官の古書店主クリフ=ジェーンウェイのシリーズ。
古書に関する蘊蓄もたっぷり。
などという商業的なうたい文句が付けられてるけど...
まあ「よくできました」ってとこかな。もちろん続編がでれば読みたいけど。
垂直世界の戦士 : K=W=ジーター : ハヤカワ文庫
ガジェットの由来はとっても気になるんだけど...
以上、お正月休みに読んだ本でした。
1999-01-07