阿部 敏之 教授

- 【専門分野】
- 光触媒光電気化学/光触媒
- 【研究テーマ】
水の分解は外部からのエネルギー投入を必要とする反応です。太陽光エネルギーを利用した水の分解法は理想的、かつ、究極の水素エネルギー製造法と考えられています。私たちの研究室では、 「有機半導体」・「p-n接合体」・「水素製造」をキーワードとしたオリジナルのアプローチにより、 水の光分解系の確立を目指した研究を展開しています。
- 【キーワード】
- 光エネルギー変換 人工光合成 光触媒
水の分解は外部からのエネルギー投入を必要とする反応です。太陽光エネルギーを利用した水の分解法は理想的、かつ、究極の水素エネルギー製造法と考えられています。私たちの研究室では、 「有機半導体」・「p-n接合体」・「水素製造」をキーワードとしたオリジナルのアプローチにより、 水の光分解系の確立を目指した研究を展開しています。
今日の豊かな生活を支え、持続的社会の構築のため、環境調和型で高付加価値を有する新機能材料の創製および効率的な創製技術の開発を有機合成の立場から取り組んでいます。特に、多様な形態の縮合多環化合物の開発に焦点を当て、その開発研究からデバイス化等の応用技術の開発までの総合的研究開発を目指しています。
機能性分子・材料では機能発現の鍵元素として希少元素が用いられてきました。我々の研究室では「元素戦略」に基づき、入手が容易な普遍的な元素を用いて、持続可能な社会を構築する上で欠くことのできない機能性分子・材料の創製に取り組んでいます。具体例として、以下に鍵元素として遷移金属ではなく、高周期典型元素であるケイ素および硫黄を用いた二酸化炭素の捕捉活性化を示します。現在、二酸化炭素の資源化を指向した触媒反応への応用について研究を進めています。
新規有機蛍光色素の合成と応用に関する研究をしています。
1. 川上 淳,トリプタンスリン誘導体,特許第5448046号.
原油増進回収やドライクリーニング、ナノ粒子製造、ドラッグデリバリーシステム、撥水・撥油表面処理などの低環境負荷/省エネルギー/高効率技術を創成する新規界面活性物質の開発を進めています。特に、化学工業で利用される有害有機溶媒の代替として期待されるグリーンソルベンと“超臨界二酸化炭素”に対して機能する界面活性物質の開発に注力しており、これにより構築された水/超臨界二酸化炭素分散システム(図)による上記技術の応用研究も検討しています。
金属錯体の特徴を活かし、新触媒や重合反応の開発、新しい構造・機能をもつ高分子の合成を目指して研究を行なっています。
環境・エネルギー問題の解決に貢献することをめざして、金属に非共有電子対を持つ分子等が配位結合してできた物質(錯体)を用いることにより、「廃棄物を与えない触媒反応」や「有害物質の吸着材料」等を開発しています。
キャピラリー電気泳動 (CE) は、超微量・迅速・高性能分離な手法で、DNAの塩基配列解析などに不可欠な技術です。このCEを数cm角の基板上に刻んだ微細な溝(チャネル)で行うマイクロチップ電気泳動は、微小化学分析システムにおける超高速分離技術として重要な役割を担っています。当研究室では、これらの技術を高性能化・高感度化し、これまでは分離・検出が困難であった試料成分の解析技術を提供することで、社会貢献を目指しています。例えば、試料を1滴垂らすだけでチャネル全体に試料が充填され、一定電圧を印加するだけで生体成分が5000倍以上に濃縮されたうえに、高度な分離も実現できる技術を開発し、様々な応用を行っています。
元素循環の人為的なかく乱が及ぼす生態系への影響について研究しています。主に上流の廃鉱山と津軽ダムが岩木川の重金属など微量元素の移動をどのように変化させているか調べています。また植物や魚類への蓄積濃度を分析し、影響評価をしています。
写真:環境化学河川底質のサンプリング。底質中の重金属を存在形態別に分析して生物影響を評価します。
生体機能関連化学の発展に伴い、近年、核酸およびタンパク質を利用する研究が益々盛んになっています。核酸やタンパク質をナノテクノロジーのパーツとして用いた機能性材料開発、ナノバイオデバイス創製を通じたバイオ医薬品、人工酵素などの高機能性生体高分子創製につながる研究を行っています。
膨大な数のRNA分子を人工的に作製しその中から目的の機能を有する分子を探索するin vitroセレクション方などの手法で機能分子探索を行っています。
希土類・遷移金属は、最先端の蛍光材料や磁気材料として、現代のハイテクに欠かせません。また触媒としても有用です。その特異な性質の起源となる f 電子や d 電子の振る舞いを調べます。
コンピュータを利用した理論計算で分子の電子状態を探ることにより、ミクロの観点ら見た化学反応の機構解明を目指しています。
水で膨潤し、外部刺激(温度・pH・光など)に応答するハイドロゲルや高分子フィルムの合成・分析評価・応用研究を行っています。特に、光をプローブとして高分子材料のナノ構造を評価する光散乱法を駆使し、新しい材料の設計に役立てます。
カーボンニュートラル実現へ向けた炭素酸化物(CO2やCO)の回収と利用に関する研究を中心に展開しています。電気化学的アプローチに着目し、炭素酸化物をメタン(CH4)などの有用化合物へ変換することに取り組んでいます。高効率変換システムの構築を目指すとともに、燃料電池応用についても研究しています。
【キーワード】 CO2還元、CO還元、電極触媒、燃料電池、エネルギー変換