物質宇宙物理学コースについて

物理学は、実験や数理的洞察の積み重ねにより得られる単純な基本法則から、多彩な自然現象を理解しようと試みます。このような根本は単純であるという発想、そして常に根本に立ち戻って物事を考える姿勢を身につけ、多様化する社会のニーズに対応出来る幅広い応用的思考力を持った人材の育成を目指します。

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教育理念

原子・素粒子のミクロな世界から日頃目にする地球上のマクロな世界、さらには広大な宇宙の世界まで、自然界を支配する基本原理・法則について実験技術や数理的手法を駆使して研究するのが物理学です。人類の知的好奇心の最前線であると同時に、その成果は現代社会を支える先端科学技術の基盤となっています。 従来の物理学の領域にとどまらず、本コースでは物理学や数理科学,さらには工学や他の科学にもまたがる分野に視野を広げた、幅広い教育・研究を行います。

本コースの教育・研究の柱として、次の2つを設定します。 第1に長期的視野に立った、新しい概念を創出するための基礎的教育・研究、第2に社会への直接的な還元を目指し、世界の進歩と潮流に伍した応用分野の教育・研究を行います。 そのことにより、専門領域にとどまらず、幅広く多面的に社会に貢献でき、また文化および知識を創出する人材の育成を目指します。

それらを実践する手法として、先端的な方法論や材料を取り上げます。 例えば、宇宙物理学、放射光科学、表面科学、光半導体、高温超伝導、ナノスケールサイエンス、ニュートリノシミュレーションなどがキーワードとなります。

教育目標

A)自由な発想を有し、独創的で、進取の気性に富む人間性の修得
B)自然科学を人類の文化として捉え、後世に引き継いで行く、心豊かな人間性の修得
C)科学と人間社会への関係にも目を向けた、しなやかな知性の修得
D)問題を表面的にではなく、根本から解決する能力の修得
E)日進月歩のテクノロジーを後追いするのではなく、新しいテクノロジーを創出できる能力の修得
F)物理学が現代の産業(自動車産業、電機産業、コンピュータ・IT産業、遺伝子工学、宇宙工学、ロボット工学など)の基盤となっていることを理解し、積極的に周辺分野に寄与できる能力の修得
G)いたずらに技巧に頼るのではなく、中身を伴ったプレゼンテーションを行えるようなコミュニケーション能力の修得
H)個人の専門的領域にとどまらず、幅広く多面的に、また長期的展望をもって活躍できる能力の修得