質問/要望/意見と答(前半)

口頭,メール,出席表での質問のうちの, いくつかに対する答です。 また,意見・要望で回答が必要と思ったものも 含みます。 実際のやりとりそのままとは限りません。 昨年度以前の授業での質問も含まれます。 架空の質問もあるかもしれません。 答えにくいものは多少回答が遅くなることもありますので, 少し待ってみてください。


授業全体についてのよくある質問・要望と回答

[質問]
教科書以外のおすすめの参考書はありますか。
[答]
以下の本はお勧めできます。
[要望]
スライドで重要な語句に色を付けてほしい[強調してほしい]。
[答]
スライドに示しているのは教科書を要約したもので,基本的には全て重要な部分です。 従って,説明する上で特に必要な場合を除き,特定の語句を強調したりはしません。 全体が見づらくなるからです。 キーワードとなるような専門用語はテキストに太ゴシックで示されていますので,それを参照して下さい。
[要望]
○○についてもっと詳しく知りたいです。
[答]
時間的制約が厳しく,教科書に載っている範囲をカバーする必要があるため, それぞれの分野の詳しい話は,各専門の講義で聞いてもらうことになります。授業の内容に関連して 質問してもらえれば,私のわかる範囲で答えたり,参考書などを紹介することはできます。 [初回アンケートの要望と答を一般化]
[質問]
具合が悪くなったときは途中退室していいですか。
[答]
かまいません。特に断る必要もありませんが,できるだけ周りの人に 迷惑にならないようお願いします。
[質問]
ウェブページのユーザー名,パスワードがわからないので教えて下さい。
[質問]
メモしたウェブページのユーザー名,パスワードが間違っているようです。
[答]
ウェブページのパスワードについては, 授業の際または直接研究室に来てもらった場合のみ 教えることにしています。 メールでの問い合わせにはお答えできませんのでご了承下さい。
[質問]
授業内容をwebに掲載したのは,そのうち消すのですか。消すのならいつごろですか。 パスワードは変更されますか。
[答]
掲載の期限は決めていません。パスワードの変更の予定はありません。
[質問]
試験の答案は、解答例と同じように書かないと点数はもらえないのでしょうか。
[答]
 掲載しているのは「解答例」です。例の様に書いてあれば満点に なりますが、例と異なっていても十分であれば満点になります。 また、記述された内容に応じてかなり細かく部分点をつけています。

初回アンケートから

[要望]
楽しく学びたい。
[要望]
わかりやすい解説・説明をおねがいします。
[要望]
地学は全然わからないので,分りやすい授業をしてほしいです。
[答]
この種の要望については,人によって受け取り方に違いがあるので, 全ての受講者に満足してもらうのはなかなか難しいです。 具体的な要望を出してもらえれば,できることについては 実現したいと思いますが,種々の理由,考えから必ずしも要望に添えないことも あることはご承知おき下さい。
[要望]
ウェブページに検索機能をつけて欲しい。
[答]
検討してみますので,お待ち下さい。
[質問]
地学の授業の予習・復習はどのようにやればよいですか。
[答]
まずガイダンスでの説明に従って やってみて下さい。
[質問]
研究室に17:30以降に質問に行ってもいいですか。
[答]
在室していて,特に都合がない限り対応します。 ただし,在室している場合でも22:00以降はご遠慮下さい。

4月18日の授業から

[質問]
内核の方が高温なのに固体なのはなぜですか。
[答]
2010年度前期の質問と答 をご覧下さい。
[質問]
問題集で先生のおすすめのものはありますか。
[答]
「勉強」=「与えられた問題を解くこと」という考えからなるべく早く 「離陸」して欲しいと考えているので、主に受験用として出版されている問題集を薦めることは あまりできません。むしろ、ガイダンスでの説明に従って やってみた上で、配布した過去の出題を参考に、 「この教科書の内容について出題するとすればどんな問題になるか」を自分で考えてみて 欲しいと思います。 もちろん、問題集も使い方によっては勉強する上で有効であることは確かですので、 使うことを否定するわけではありませんが。 授業は高校の教科書に従って進めているので、 「地学基礎」のものでしたらどれでも内容は適合しているはずです。 教科書に準拠したものでは、同じ出版社の サンダイヤル センサー があります。
[質問]
なぜ横波は気体や液体を伝わらないのですか。
[答]
ごく感覚的に説明すると、気体や液体では構成する粒子(原子や分子)が「つながっていない」ので、 進行方向と直交する動きは隣の粒子に伝わらないからです。縦波は進行方向の動きなので、隣の粒子に 「ぶつかる」ことにより、「つながっていな」くても伝わることができます。
[質問]
エラトステネスが地球の大きさを推定した当時、 アレキサンドリアとシエネの距離はどうやって測ったのですか。
[答]
基本的には人が歩いて行くのに掛かる時間に基づいていたようです 参照 Wikipedia「スタディオン」
[質問]
エラトステネスは夏至の日の正午に900kmも移動をしたのですか。
[答]
もちろんそんな訳はありません。 「夏至の日の正午には毎年同じ高度に太陽があり、その高度は場所が同じであれば一定である (場所が異なれば異なる)」ということが当時既に知られていたことを前提としています。
[質問]
P波が,地球内部の境界面で屈折するという話がありましたが,反射することはないのですか。
[答]
境界面では屈折と同時に反射も起こります。P波だけではなくS波にも起こります。
[質問]
なぜ金星や火星の高度分布が分かるのですか。
[答]
惑星の周りを周回する探査機から測定しています。
[質問]
金星や火星ではプレート運動が見られないのはなぜなのでしょうか。
[答]
火星については数億年以上前にはプレート運動が存在した可能性が指摘されています。 以降はプレートを移動させるには内部のエネルギーが不足になってしまったのかもしれません。 金星については地表が高温(約470℃)のため,地殻がやわらかく,硬い「プレート」が存在しない と考えられているようです。
[質問]
地球の極で体重を計るのと,赤道上で体重を計るのでは,数値が異なってしまうのですか。
[答]
ばねばかりのような重力を測定するはかりで測ればそうなります。
[質問]
もしとてつもなく大きい地震が起きたとしても, 震央距離103°〜143°のところはまったく被害がないのですか(津波などを除く)。
[答]
はい。現実的な答えとしては,その距離まで振動で被害を及ぼす地震は ないと思います。
[質問]
岩石の密度が大きいと地震波が伝わりやすいのはなぜですか。
[答]
地震波の速度のことと思いますが,きちんと説明するのは 私には難しいので,興味があれば専門の先生に質問してみて下さい。
[感想]
地球は中心に近いほど熱いと思っていたけど,そうじゃないとわかって少し感動した。
[コメント]
ええと…,「中心に近いほど熱い」のは事実です。ただ,上昇の割合が深いところでは 小さくなる,ということです。
[質問]
アイソスタシーが失われるとなぜ回復させようとする動きが生じるのですか。
[答]
教科書19ページの図1の「アイソスタシーのモデル」の図で, (1)水の代わりに蜂蜜の上に木片を浮かべる,(2)木片の上におもりをのせる,(3)おもりを取り除く, という実験をしたらどうなるかをイメージしてみると,スカンジナビア半島で生じている動きが イメージできると思います。

過去の質問から

[質問]
地球内部の温度の推定(教科書24ページ図)で,途中で温度が 不連続に変化するのはどうしてですか。
[答]
地下深部の温度は直接測定することができないので,さまざまな情報を元に 推定しているのですが,まだ不確実な点が多いのが実情です。図に示されている温度幅は 推定の不確実さを表しています。急変するのは上部マントル-下部マントル境界と, マントル-核の境界ですが,そこでは構成している物質が変わるため,推定条件が変化して 見かけ上不連続になることになります。実際の温度分布は,この幅の中のどこかを通過する 連続な曲線になっているはずです。

4月25日の授業から

[質問]
沈み込んでいったプレートは最終的にどうなるのですか。
[質問]
「プルームテクトニクス」という言葉を聞いたことがあるのですが、 「プレートテクトニクス」となにか関係があるのですか。
[答]
沈み込んだプレートは,マントル内に一度溜まった後, 最終的にはマントルと核の境界まで沈んでいくと考えられています。 教科書20ページの「参考:マントルの運動」の図には,日本列島の下から核にまでいたる地震波の 速度が速い部分(青色で示された部分)が示されています。これが 沈み込んだプレートの行方と考えられています。地球全体の様子は テキストの本文前(3)(まる3)ページの「プレートとマントルの運動」に示されています。 ここでは沈み込んだプレートがマントル-核境界まで沈降する「冷たいプルーム」と、それに対応して マントル-核境界付近から上昇する「熱いプルーム」が描かれています。近年、このようなプルームの動きが プレート運動を含む地表に見られる様々な現象に影響を与えているという考えが提唱され、 「プルームテクトニクス」と呼ばれています。
[質問]
ハワイが日本に近づいてきていると聞いたのですが,事実ですか。 事実ならいつ頃日本の近くにハワイが来ますか。最終的には日本列島かユーラシア大陸に衝突するのですか。 それとも海溝に沈んでしまうのですか。
[答]
太平洋プレートが日本海溝で沈み込んでいるために,太平洋プレートに乗っているハワイ島は プレートの動きによって日本に近づいています。 教科書75ページに関連した「探求活動」が載っています。そこにあるように,現在のミッドウェー島は 現在のハワイ島の場所で形成され,2770万年かけて現在の場所まで移動して来たと考えられています。 この年代と,地図上でのハワイ島―ミッドウェー島―日本列島の位置関係を見て, 考えてみて下さい。 衝突するか海溝に沈むかは、場合によってどちらもありうると思います。
[質問]
アイソスタシーは地殻がマントルの上に浮いていることで成り立っているといいますが、マントルは固体なので下に地殻が沈みこむのは不可能ではないのですか。
[答]
マントルは固体ですが長い時間かけると変形するので、時間スケールを長く取ると流体と見なすことが できます。その点がアイソスタシーの基本的なアイディアになります。
[質問]
教科書にない内容をスライドで説明した部分はテストに出ますか。
[答]
テストの範囲は原則として,教科書に書かれていてかつ授業で説明した部分です。 ただし,ヒントをつけた上で教科書に直接説明されていない内容を問うことはありえます。
[質問]
高校だと,拡大する境界→広がる境界,収束する境界→狭まる境界,すれ違う境界→ずれる境界,と地理の授業で習ったのですが,どちらを使ってもよいですか。
[答]
どちらでもかまいません。
[質問]
深発地震と海溝型地震と内陸地震では,どれが一番おこりやすいのですか。
[答]
規模を問わず回数でいえば「海溝沿いの地域」で発生している地震が一番多いです (教科書の「海溝型地震」の定義が不明瞭なのでこのような言い方になります)。
[質問]
地球のマントル深くにある熱源とは何なのですか。
[答]
ホットスポットのマグマの給源については,あまりよくわかっておらず, いろいろな説があります。
[質問]
地震の縦ゆれ,横ゆれでは地震のメカニズムがどのように違うのですか。 P波やS波は関係するのですか。
[答]
地表でどのように振動するかは,震源と観測点の位置関係,断層の方向とずれの方向,その他地表付近の構造などさまざまな要因の影響を受けます。
[質問]
中国では内陸部で大きな地震がよくありますが,震源はプレート同士の接する境界線とは遠いです。 なぜこんなにも震源がプレートの境界よりも遠いところで,かつ大規模な地震が多く発生しているのでしょうか。
[答]
中国の地震が発生する場所のひとつはチベット高原付近で,インド・オーストラリアプレートと ユーラシアプレート境界での衝突の影響を受けています。教科書のプレート分布の図には示されていませんが, この図でユーラシアプレートとして示されているプレートは中国の内部で複数のプレートからなっていると 考えられていて,地震の多くはそのようなプレート境界付近で発生しています。
[質問]
日本海溝付近での地震が,伊豆・小笠原海溝付近での地震に比べてはるかに多いのはなぜですか。
[答]
正確には調べていませんが,34ページ図17の図については,観測点の数の違いが大きな影響を 与えているように思います。
[質問]
「トラフ」とは何ですか。
[答]
トラフ(trough, 舟状海盆)は, 「深海底にある細長くて比較的幅の狭い舟底状の凹地(新版地学事典,平凡社)」です。 教科書に出てくるのは比較的浅い海溝に対して使用された例です。
[質問]
拡大する境界でマグマが出てきて,そこから新しい島や大陸ができることはありますか。
[答]
拡大する境界の多くは海嶺でそこでは基本的に海洋底ができます。 アイスランドは拡大する境界の例として教科書に出ていますが,ここは実はホットスポットと拡大する境界が 重複して存在する場所だと考えられています。拡大する境界が大陸内にある場合もあり,そこでは大陸ができますが, 大規模な谷ができて海が進入してくる場合もあります。
[質問]
プレートの境界は新しくできたりしないのですか。
[答]
あると考えられています。
[質問]
低速度層ではP波の速度も遅くなるのですか。
[答]
はい,そうです。
[質問]
そもそもなぜ地下には高温のマグマが存在するのでしょうか。
[答]
これについては5月9日の授業で説明します(しました)。
[質問]
プレートを動かす原動力は何ですか。
[答]
現在のプレートを動かしている原動力としては,マントル内に沈み込んだプレートが 地表のプレートを引っ張る力が主要であると考えられています。
[質問]
ハワイ諸島の火山列(海山列)は,なぜ途中で移動方向が変化したのですか。
[答]
教科書に説明されているように,プレートの移動方向が変化したからという解釈が一般的ですが, 最近,ホットスポットそのものの移動の影響があるという説も出されているようです。
[質問]
海山が,海溝に沈みこむことはありますか。
[答]
あります。現に茨城県沖などで沈み込みつつある海山が見つかっています。
[質問]
活断層はプレート境界に近いほど多く存在するのでしょうか。
[答]
広域的に見ればそうでしょうが,日本列島ぐらいの規模では はっきりとした傾向はないように見えます。
[質問]
スライドでは「アセノスフェアは低速度層より低いところにある」とありますが,教科書では「アセノスフェアは低速度層」という表現をしています。これはどう捉えるべきですか。
[答]
スライドの表現が不適切でした。修正しておきました。
[質問]
問2の移動距離(2930km)は,教科書に書いてありますか。
[答]
図12の地図から読み取った数字です。
[質問]
サンアンドレアス断層の写真に写っている起伏の高さはどれくらいですか。
[答]
ちょっと資料が見つかりませんでした。
[質問]
地磁気異常で海洋底の年代がわかるのはなぜですか。
[答]
例えばウィキペディア:海嶺 を参照して下さい。
[質問]
「プレートの沈み込み境界の地震」のスライドで,「伴なう」は「伴う」ではありませんか。
[答]
ありがとうございます。後で修正しておきます。

5月2日の授業から

[質問]
富士山(岩木山、その他の火山…)は、将来噴火するのですか。
[答]
活火山とされている火山は将来噴火する可能性があります。 したがって過去の活動から噴火の規模や様式を推定して、対応を考えておく必要があります。 ただ、火山の噴火の場合は、ある程度以上の規模のものであれは、 ほとんどの場合地震などの前兆現象が観測されるので、 明日突然噴火する、というようなことは心配しなくても大丈夫です。
[質問]
なぜ、すれ違う境界だけに火山が形成されないのですか。
[答]
5月9日の授業で、拡大する境界、収束する境界、ホットスポットでそれぞれどのようにして マグマが発生するかを説明します。そのようなことがすれ違う境界の地下では起こらないと 考えられるからです。
[質問]
通常の地震は震央を中心にほぼ同心円状に分布するため,ある程度の震源の位置は分かるが,異常震域があった場合はどのようにして決めるのですか。
[答]
異常震域の場合,震度の分布は通常の地震と異なりますが,PS時間が伝播距離に比例することは変わりありませんので,震源を決定できます。
[質問]
火山がない大阪府などは,火山による災害の被害は一切ないのですか。
[答]
きわめて大規模な噴火の場合,火山灰がほぼ日本列島全体を覆うこともありえます。 大阪府にも九州の火山から噴出した火山灰の分布が知られています。
[質問]
火山ガスは噴火しなくても発生するのですか。
[答]
噴火していないときでも火山ガスが噴出している例は多く見られます。 青森県では恐山など。
[質問]
火山ガスに含まれる水蒸気の水分はどこから来るものですか。
[答]
地表に降った雨水が浸み込んで地下水となり,加熱されて 出てくるものが量的には多くの部分を占めるとされています。
[質問]
マグマの粘性が二酸化ケイ素の含有量で決まるのはどうしてですか。
[答]
二酸化ケイ素はケイ素の原子周りに酸素が4つ結合したSiO4四面体とよばれる 構造を作っていますが,ケイ素の含有量が多くなるとこの四面体同士が酸素を共有して結合し, つながった大きな構造を作ります。そのため元素同士が動きにくくなり,粘性が増大します。
[質問]
マグマのSiO2量と温泉の成分に関係はありますか。
[答]
直接は関係ありません。
[質問]
溶岩が冷えて固まるまでにどれくらいかかりますか。
[答]
条件により様々ですが,数ヶ月〜数百年の間と思います。
[質問]
本震の前に複数の本震より弱い地震があった場合,すべで前震ですか。
[答]
本震と関係があればそうなるはずです。
[質問]
余震や前震の判断基準は何ですか(どれ位間があいたら別の地震とみなすのかなど)。
[答]
本震と共通あるいは関連する断層面で生じているかが重要と思われます。
[質問]
カルデラではマグマが噴出して地面が陥没するということですが, そうなるとマグマだまりは無くなってしまうのでしょうか。
[答]
カルデラを形成する噴火であってもマグマだまりから 全てのマグマが噴出するわけではないと考えられています。 カルデラを形成する噴火は複数回おきることはよくあり,その場合マグマだまりは存在し続けていたと 推定されることが多いです。
[質問]
島弧‐海溝系の火山の分布が海溝側にかたよるのはなぜですか。
[答]
きわめて大雑把に言えば,沈み込むプレートから供給される水の量が 海溝側が多いためと考えられます。他の考え方もあります。
[質問]
地震と火山の噴火が同じ時期に起きる可能性はあるのですか。
[答]
ほぼ同時に起きて関連性があると信じられている例があります。 特に有名なのは1707(宝永4)年の宝永地震と富士山の噴火の例です。
[質問]
大森公式 D=kTのkの求め方がよくわかりません。
[答]
授業のスライドをご覧下さい。
[質問]
断層の上盤・下盤はどのように定義されますか。
[答]
断層面が水平または傾斜している場合,面の上が上盤,下が下盤です。 面が垂直の場合は定義できません。
[質問]
なぜ沈み込むプレートの中を地震波はあまり減衰せずに進むのですか。
[答]
沈み込むプレートの方が周りのマントルよりも硬く,振動を吸収しにくいためです。
[質問]
日本一噴火の回数が多い火山はどこですか。
[答]
「噴火の回数」の数え方に依存しますが, 例えば昨年の火山学会で発表された研究では,過去2千年間の噴火回数では 阿蘇山が最多になるそうです。 参考
[質問]
ホットスポットと呼ばれる場所は,ハワイ以外に存在するのでしょうか。
[答]
多数あります。なお,ここでは火山学的な意味です。 参考
[質問]
鉱石について知りたいのですが,おすすめの本がありましたら教えてください。
[答]
弘大図書館で見られる本のうちから, 岩石と宝石の大図鑑 を挙げておきます。
[質問]
地殻を構成する35%は何で構成されているのですか。
[答]
35%の意味が不明ですが,ケイ素と酸素以外の元素のことであれば, アルミニウム,鉄,マグネシウム,カルシウム,ナトリウム,カリウムなどです。

5月9日の授業から

[質問]
弘前付近できれいな成層構造が観察できる場所はありますか。
[答]
分かりやすい場所としては,深浦町千畳敷海岸
[質問]
教科書の礫岩の写真に直径2mmに満たないものが多く見られるのはどうしてですか。
[答]
教科書67ページの写真のことならば,スケールは「2cm」なので写っている粒子の多くは 2mmよりも大きい「礫」です。ただ礫の間を埋めている部分(基質という)は,2mmよりも小さい粒子からなっているので, 「礫岩」には径2mmより大きな粒子だけが含まれるわけでもありません。
[質問]
部分溶融と部分融解は同じ意味ですか。
[答]
同じ意味です。教科書では「部分溶融」を用いていますが、私は 普通は「部分融解」の方を用いています。
[質問]
地層が逆転する場合があるなら,地層累重の法則は成り立たないのではないでしょうか。
[答]
地層が堆積時に順次上方に累重する,というのが地層累重の法則です。形成された地層は その後の地殻変動によって直立したり逆転したりして,見かけの上下と堆積時の上下が異なる場合があります。 そのため堆積時の上下を判断した上で地層累中の法則を適用しなければなりません。その時に堆積構造の観察が 役に立ちます。
[質問]
不整合のページで「間隙」ではなく「間隔」ではないですか。
[答]
「時間の間隔」≒「時間間隙」だと思います。
[質問]
マグマができたとき体積が変わるなどして土地が隆起したりはしないのですか。
[答]
マグマが発生するのは下部地殻以深と考えられるので,直接地表に変動を起こすことは 考えにくいですが,長期にわたってマグマが発生して地殻内部で固結することが繰り返されると, 地殻変動により山地が形成されると思われます。
[質問]
褶曲以外の原因で地層の上下逆転が起きることはありますか。
[答]
はい。例えば複数の断層によりブロック状に地層が分断されて, 回転するなどの場合が考えられます。
[質問]
三宅島の雄山はそろそろ噴火しますか。
[答]
三宅島は新しい順に2000年,1983年,1962年,1940年,1874年・・・と, 数十年間隔で噴火を繰り返しています。ただ,2000年の噴火の際に地下のマグマが移動する経路 (マグマ供給系)が大きく変わったと推定されるため,今後の活動予測は難しいです。
[質問]
岩石が圧力の低いところに移動するのはプレートの動きによるものですか。
[答]
今回の授業では火成岩について説明したので,マグマの移動のことと解釈すると, 基本的には周りの岩石よりもマグマの密度が小さいことによる浮力によって移動します。 地表付近まで達するとマグマ中の気体になりやすい成分が急激に気泡を形成することによる 体積膨張で浮力+爆発力が生じて地表まで噴出します。
[質問]
スライドの内容をまとめるとテスト対策になりますか。
[答]
スライドの内容を自分でまとめることは内容を理解する上で 有用だと思います。
[質問]
岩石の観察で,その当時の環境を知ることができるということでしたが, どの程度まで理解できるのでしょうか(川があった,山があったレベルか。またはそれ以上知ることができるのか)。
[答]
堆積岩についてと想定して答えると,個々の地層によってどの程度の情報を保存しているのかの 違いが大きいので一概には言えませんが,例えば海であれば海水温や深度,川であれば流れの方向や流速なども 読み取れる場合があります。なお,陸上の山自体は普通は地層中には保存されません。
[質問]
恐山は正式名称では呼ばないのですか。
[答]
すみません,質問の意味がよくわかりません。

5月16日の授業から

[質問]
放射性同位体の壊変はなぜ起こるのですか。
[答]
正確に説明するのは難しいですが,同位体そのものの性質として 外部からの影響とは無関係に一定の確率で壊変します。
[質問]
放射性年代測定ではどうやって放射性同位体の個数を測るのですか。
[答]
「質量分析器(質量分析計)」という装置を用います。
[質問]
放射性年代測定では古いものほど精度が落ちてしまうのではないでしょうか。
[答]
その通りです。
[質問]
冥王代の時点では,原始地球に重力はあったのですか。
[答]
重力は質量があれば生じますので,当然あったはずです。
[質問]
「広域変成岩」のスライドで,図と文字がかぶっていて一部が読めません。
[答]
すみません,修正しておきました。
[質問]
炭素14年代は化石には用いないのですか。
[答]
地質学では主に炭化木片や土壌中の有機物を試料に用いますが, 木片は化石の一種と考えられます。また,炭酸カルシウムの殻を持つ化石に適用されることも あります。
[質問]
(地質年代→1年の問題に対して)問題に出てくる年代の数値をテストの問題で問うことはありますか。
[答]
個々の年代を問うことはありませんが,主要な出来事の順序や年代のオーダー(桁)ぐらいは 覚えてもらえるとうれしいです。
[質問]
ホルンフェルスって温泉などの床によく使われている石ですか(滑るから注意,と書かれている床のことです)。
[答]
ホルンフェルスそのものがあまり大規模に産出しないので(貫入岩体の周辺の比較的狭い範囲にのみ産する)石材として利用することはあまり多くないと思います。岩石は見た目だけで識別するのはかなり難しいので, 今回回覧した標本のホルンフェルスと見た目が似た岩石としては,頁岩や玄武岩や安山岩の方がよく石材として 用いられていると思います。
[意見]
自分の席から後方の席に座っていた数人の私語がうるさくてあまり集中できませんでした。
[回答]
1度注意しましたが,今後も気付いたら注意するようにします。

5月23日の授業から


[質問]
約46億年前,原始太陽系が形成されたとありますが,太陽や地球・水星・金星などの惑星はすべて同じ時期に形成されたものですか。
[答]
現在の太陽系の形成モデルでは,そのように考えられています。
[質問]
教科書の「全球凍結」の説明に,地球全体が氷に覆われている間に火山活動によって二酸化炭素が放出された,とありますが,当時の火山活動は今と同じように行われていたのか,それとも少し仕組みが違うのでしょうか。
[答]
基本的には現在と同じようなメカニズム,場所で起きていたと考えられます。
[質問]
どうして新第三紀に寒冷化がおこったのですか。
[答]
この時期に南極大陸が現在のような状態になり,大規模な氷床が形成されたことが 原因という説が有力です。
[質問]
教科書のストロマトライトはきれいな層状になっているのに,回覧した標本のは複雑な形態をしているように見えましたが,断層運動などによるものですか。
[答]
回覧した標本は堆積前に破片状になったものが化石になったのだと思われます。
[質問]
大陸の移動による大陸面積の変化はあるのですか。
[答]
昔からいろいろと説があります。先カンブリア時代に 拡大したのはほぼ確実ですが, 顕生代以降ではあまり変化がなかったという考えが有力なようです。
[質問]
出席票の問い(将来の大陸移動)と答えがいまいち納得できませんでした。
[答]
まず,大陸全体の面積はあまり変化しないと考えられます。その上で どのように移動するかはいくつかの考えがあり,授業で説明したのはその一例です。
[質問]
海溝,海嶺が移動することはありますか。
[答]
プレート運動に伴い,ほぼ必然的に移動します。
[質問]
恐竜は絶滅したのに,なぜシーラカンスは現在も生き続けているのですか。
[答]
大量絶滅でも全ての生物が絶滅するわけではなく,生物の種類,生息する環境により, 影響の程度は様々です。白亜紀末の大量絶滅では,深海の生物には比較的影響が少なかったと推定されています。
[質問]
大昔,大陸は陸続きてあったと聞いたことがあるのですが,将来,地球は大陸がひとつになることはありますか。
[答]
はい,授業でもそのように説明したつもりです。
[質問]
「2億6千年前から7億5千万年前までの大陸復元図」のスライドで時代の順番が違っています。
[答]
元の図の間違いで「石炭紀」→「カンブリア紀」ですね。修正しておきました。
[質問]
「エディアカラ動物群 p108図14」とありましたが,p108は部末問題になっていて図14がみあたりません。正しいページ(図)を教えて下さい。
[答]
90ページの図11です(古いテキストのページのままで直っていませんでした)。
[質問]
「新生代・第四紀」のスライドの最初の項目は「260万年前」ですか。
[答]
これも古いテキストのままでした。「259万年前以降」に訂正しておきました。
[質問]
現在も氷期と間氷期はありますか。
[答]
現在を含む第四紀は全体として(広い意味の)氷河期であり, 現在はその中の間氷期であると考えられています(氷河期の中で特に寒冷な期間が氷期です)。
[質問]
テスト対策として高校生対象の問題集をやるのは効果的ですか。
[答]
内容としては対応しているはずですので,意味はあると思います。 「効果的」かどうかは人それぞれと思います。

[地学の基礎I(B) ホーム]


Minoru SASAKI minoru@cc.hirosaki-u.ac.jp