第5回

日時:2013年5月24日(金)  16時00分から18時30分
場所:弘前大学 理工学部 2号館10階 1005室

講演者:

  • 菊池 弘明 氏 (津田塾大学数学科)
    「ソボレフ超臨界の非線形項を持つ非線形楕円型方程式の特異解について」
    この講演では、調和ポテンシャルを伴う非線形楕円型方程式を考える。非線形項がべき乗型でかつソボレフ劣臨界の場合は, Hirose-Ohta('02, '07)により, 正値解は一意であることが知られている。しかし、ソボレフ超臨界の場合には、正値解の一意性は成り立たず、幾つも存在することを示唆する数値計算の結果がある。今回は、この問題を厳密に示すために重要な役割を果たすと思われる特異解の存在と一意性について解説したい。また、余裕があれば、上で述べた問題に関連する正値解のモース指数についても話したい。

  • 小川 卓克 氏 (東北大学大学院理学研究科)
    「非線型シュレディンガー方程式の低次元非適切性と関連する話題」
    2次の非線形項を持つ, 非線型シュレディンガー方程式の解は, 超函数を含む広いクラスでは時間局所的に非適切となることが知られているが, その臨界空間は, 必ずしもスケール変換不変なクラスとは一致しない. その理由を空間1-2次元の場合について考察し, 局所適切性のための臨界空間を決定する. また関連する非適切性の話題を渦度Navier-Stokes方程式や単極及び双極型移流拡散方程式について言及する.