第2回

日時:2012年6月29日(金)  15時50分より
場所:弘前大学 理工学部 2号館10階1005室

講演者

  • 相木 雅次 氏 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
    「Motion of a Vortex Filament with Axial Flow in the Half Space」
    非圧縮非粘性流体中を運動する渦糸について考察する.渦糸の運動を表すモデル方程式は古くから提唱・研究されており,その起源は1906年に提唱された
    Da Riosモデルまでさかのぼる.その後,福本‐宮崎(1991)によって軸方向流を考慮した渦糸の運動のモデル方程式が提唱された.本講演では,この軸方向流を考慮したモデル方程式の半空間における初期値‐境界値問題の一意可解性について得られた結果について紹介する.

  • 小薗 英雄 氏 (早稲田大学理工学術院)
    「Stationary Navier-Stokes equations in multi-connected domains」
    多重連結領域において,与えられた非斉次境界値の全流量がゼロである場合,定常Navier-Stokes方程式の可解性は未解決である.この問題には領域の位相幾何学的な性質と方程式の非線形構造が深く関係している.実際,境界値のソレノイダル拡張から一意的に定まる領域の第2Betti数に関連する調和ベクトル場と, 定常Euler方程式の非自明解との直交関係が可解性の鍵を握る.本公演では,方程式が可解であるための様々な十分条件を紹介し,有名なLerayの不等式と領域の位相幾何学的な性質との関係を明らかにする.尚,同研究は柳澤卓氏(奈良女子大)との共同研究に基づくものである.