第10回

日時:2015年7月17日(金)  16時から18時20分
場所:弘前大学 理工学部 2号館11階 1105室

講演者:

  • 山本征法氏(新潟大学工学部)
    「超臨界型移流拡散方程式の解の漸近挙動について」
    半導体デバイスのシミュレーションモデルとして移流拡散方程式と呼 ばれる半線形拡散方程式が知られている.この方程式の拡散は分数冪ラプラ シアンで与えられるが,拡散の冪を小さくとった場合,類似の準地衡近似方 程式と同様,その解の評価には通常の摂動法を適用することが出来ない.本 研究では,移流拡散方程式に特有のポテンシャル項の構造に着目し,交換子 の評価を用いることにより,解の時間パラメータ無限大での漸近展開を導出 した.なお,本発表は,杉山裕介氏(東京理科大学)との共同研究に基づく

  • 三浦英之氏(東京工業大学大学院情報理工学研究科)
    「Growth of the vorticity gradient for the two dimensional Euler ows around a corner」
    2 次元非圧縮性Euler 流の渦度勾配の時間大域挙動について考察する. この問題においては渦度勾配の$L^\inf$ ノルムは時間について高々重指数増大し かしないことが知られていたが,実際に重指数増大するような解が存在する かという問題は未解決であった.最近Kiselev とSverak によって円盤領域 においては,そのような挙動を示す解が存在することが示された.本講演で は,対称な有界領域で特に境界が角をもつ場合にその形状が解の振舞いにど のような影響を及ぼすか考察を行う.本研究は東京工業大学の伊藤翼氏,米 田剛氏との共同研究である.