第1回

日時:2012年6月6日(水)  15時より
場所:弘前大学 理工学部 2号館11階1110室

講演者

  • 高棹 圭介 氏 (北海道大学大学院理学研究院)
    「移流項付き平均曲率流の弱解の存在について」
    平均曲率流の解の存在については,バリフォールドによって定義される弱解の存在を示したBrakkeの結果(1978)が有名である.一方Liu-Sato-Tonegawa (2010)はフェイズフィールド法を用いて空間次元2もしくは3における移流項付き平均曲率流の弱解の存在を示した.本講演では,この結果が任意の次元でも成り立つことを紹介する.尚,同研究は北海道大学の利根川吉廣氏との共同研究である.

  • 堤 誉志雄 氏 (京都大学大学院理学研究科)
    「Gibbs measure for isothermal Falk model」
    非線形分散型方程式の初期値問題に対し,エネルギーなどの保存量が成立するよりも広い関数空間で,初期値の小ささを仮定せずに時間大域解の存在を示す方法としては,"I-method"と"Gibbs測度を用いる方法"が知られている.後者はPDE的手法に加え,確率論的方法も交える点が斬新である.Bourgainによって始められT. OhやBurq and Tzvetkovによって発展した後者の議論を,等温Falkモデルに適用することを解説したい.(吉川周二氏との共同研究に基づく)