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電子密度分布

それぞれの置換ベンゼンの炭素上の電子密度分布を表 2 に まとめて示した。

これを見ると, メトキシ体とフェノールについては, 2,4,6 位の炭素上の負電荷が, 3,5 位の負電荷よりも大きく, そこに電子がよりたくさん存在していることがわかる。 このために, 求電子置換反応であるニトロ化では, オルト・パラ位で反応が起りやすいことがわかり, 表 1 の実験結果を良く説明できる。

一方ニトロ体では, 3,5 位の負電荷が大きく, ニトロ化はメタ位で起りやすいことがわかり, これもまた表 1 の実験結果とよく一致している。


 


 
Table 2: 置換ベンゼンの電子密度分布
Carbon charge, q population, $\rho{\rm (2p_z)}$
R=MeOH
1 0.411810 0.95128
2 -0.288028 1.10054
3 -0.223851 0.97293
4 -0.260165 1.04752
5 -0.225122 0.97171
6 -0.262407 1.05640
R=OH
1 0.378956 0.94896
2 -0.288134 1.10615
3 -0.222910 0.96847
4 -0.260187 1.04911
5 -0.223555 0.96686
6 -0.255131 1.06130
R=NO2
1 0.266758 0.44898
2 -0.193256 0.97580
3 -0.246471 0.91564
4 -0.211431 1.11312
5 -0.246471 0.91564
6 -0.193256 0.97580
   



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Ryo MIYAMOTO
1999-11-04