質問と答

口頭,メール,出席表での質問のうちの, いくつかに対する答です。 実際のやりとりそのままとは限りません。 架空の質問もあるかもしれません。


[質問]
部末問題の解答はありませんか。
[答]
教科書を読めばわかるはずの内容ですので, 特に解答は用意しません。なお,計算問題については, 答えの数値は問題の後の()に示されています。
[質問]
部末問題の答えがないと,解いても本当に正解かどうか不安です。 間違ったまま覚えては困ります。また,教科書を見てもわからない問題があります。 なぜ答えを出さないのでしょうか。
[答]
部末試験の大部分は,教科書の内容をきちんと見なおせば, たとえ「正解」が与えられていなくとも 自分で正解と確信できる答が見つかような問題です。 上の答を掲載した後,出席表などで部末問題の解答を求める多くの 意見をもらいましたが,それらのほとんどは,単に答えを下さいと言うか, わからない問題があると言うだけで,具体的にどの問題がどのようにわからないかを 述べて質問する人は皆無でした。私には単に上述のプロセスを省略して, 単に答えを知って安心すればそれでよしとしている様に思えました。 たしかに与えられた「正解」がないと不安になるでしょうが, それは教科書をもう一度見直して確認するとか,視点を変えて考えて見るとか, 友人と議論してみるとか,わからない点を質問するなどによって 解決できるものです。 私は,そのようにして問題を解決する能力が,大学で修得すべき最も重要なことのひとつと思っています。 また,確かに教科書を読んだだけではわからない点が残る問題もありますが, そのような場合はきちんと質問できるようになって欲しいと思います。
上記のことを自分自身で理解して欲しいというのが,あえて解答を出さなかった「意図」です。 意図が伝わりにくかった(説明が不充分だった)ことは認めます。
自分で正しいと思った答えが実は間違っていたというリスクは,この問題に関して言えは, そして上に述べたようなことをきちんと行っていれば,特に問題にならないと判断しました。 さらにいえば,私の出した解答でも間違っている可能性もあります (実際,中間試験の解答例には誤りがあり,指摘されて訂正しました)。

[質問]
試験には出席表に出ているような問題が出るのですか。
[答]
出席表の問題は,授業の内容に興味や問題意識を持ってもらうことを 意図していますので,試験の問題とは異なります。
[答(追加)]
中間試験後の授業では,テキスト中の問題や 部末問題を出席表の問題として一部使用しました。それらについては, 上の答えは該当しません。

[質問]
火山の噴火の時期や規模は予測できるのでしょうか。岩木山は将来噴火するのでしょうか。 今後噴火しそうな火山は?
[答]
火山の噴火は,たとえば地震に比べると,予測・予知の可能性は高いと考えられています。 詳しくは, 火山学会の“火山学者に聞いてみよう!火山についてのQ&A集”を見てください。

[質問]
5月11日分のスライド,“火成岩の産状”で,「マグマが地表に出て固結」したものは, 「火山」ではなく「溶岩」ではないですか。
[答]
図1では対応する部分が「火山」と書いてありますし,文脈によって どちらも間違いではないと思いますが,“火成岩の”産状としては溶岩の方がより 適切だと思いますので,訂正しておきました。

[質問]
5月18日の出席表の問題で,空中写真の実体視ができませんでした。どうすればいいですか。
[答]
まず,立体視はどうしてもできないという人もいます。 そういう方には,ごめんなさいというしかありません。 基本的には慣れしかないので説明はしにくいのですが,コツを 立体視の仕方に書いておきました。 もちろん,試験には立体視が必要な問題は出しません。

[質問]
エルニーニョ現象について,もう少し説明してほしい。
[答]
ここで詳しく説明するのは困難ですので,以下の気象庁のページを紹介しておきます。
エルニーニョ/ラニーニャ現象

[質問]
136ページ図2のラジオゾンデって何ですか?
[答]
気象観測用の気球です。気温,気圧,湿度などを測定して,測定結果を電波で地上に送信します。 30kmくらいの高度まで測定可能で,そのことが図に示されています。

[質問]
p142の図9のR-B間では,乾燥断熱減率にしたがって上昇するのはなぜですか。
[答]
RからBに向かう間は気圧が上昇するので,温度が上昇することになります。 よって常に空気は不飽和なので,乾燥断熱減率に従うことになります。

[質問]
なぜ山形では大きなフェーン現象が起きたのですか。 弘前でフェーン現象は起こるのですか(岩木山で)
[答]
山形は盆地ですので,吹きこむ風は必ず山を越えることになり,フェーン現象が 起きやすいのです。盆地のなかでも特に山形が最高気温を記録している理由については, 私は説明が見つけられませんでした。弘前の場合,風は岩木山を越えるのではなく迂回して 流れるので,フェーン現象は起きません。

[質問]
火星の氷にも塩分が含まれていますか。
[答]
固体のH2O(氷)は,液体のH2O(水)と違って,H2O以外の成分を含みにくいのです。 ですから,地球上の氷も火星の氷も,塩分はほとんど含まれていないはずです。

[質問]
暖流・寒流などの流れのほかに,「熱塩循環」と呼ばれる流れがあるということですが, 両者が同時に存在するという状況がよく理解できません。
[答]
海流は海洋表層の水の流れで,時速数km程度までの速度を持ち,直接流れとして観測できます。 それに対して熱塩循環は,深層の水の物質移動を調べることにより推定された「流れ」で, 計算される速度は時速数m程度の海流に比べるとはるかにおそいものです。特に図4で表層の流れとして 描かれている部分は,深層部の流れが存在するとした時の水の釣り合いから (ある所から湧き出していて他のある所で沈んでいるとすれば両者の間に流れが必要) この様に示されているのであり,実際にそのような流れが観測できるわけではありません。

[質問]
テキスト168ページの図1で,深さ2500m以深でA〜Cの線が描かれていないように見えるのは どうしてですか。
[答]
2500m以深ではすべての線が重なっているのでDに隠れてしまっているのです。 ある程度より深くなると,水温はどこでもほとんど同じということです。

[質問]
ケプラーの第3法則がよくわかりません。
[答]
(「わかりません」だけでは何がわからないのかこちらもよくわからないのですが, たぶんこのあたりだろうと見当をつけて答えてみます) ケプラーの第3法則は惑星の公転周期と公転半径の間に決まった関係があることを示しています。 つまり,一方が決まれば他方も決まってしまうということです。 授業でも少し触れたように,この関係は,万有引力の法則から導くことができます (物理の力学関係の講義を受講すれば,たいていその導出が扱われていると思います)。 したがって,第3法則と類似の法則は,互いに万有引力で引き合いながら回転している任意の 物体で成立します(237ページ,部末問題2参照)。 連星のところで説明したように,第3法則の「定数」の部分は,実際は万有引力で互いに 引き合いながら回転している2つの天体の質量の和で決まります。木星と地球とでは 質量が異なりますから,厳密に言えばこの「定数」は定数ではありませんが, 太陽系の場合は太陽の質量が圧倒的に大きいので,近似的に定数とみなせるわけです。
 あるいは,「何で距離の3乗と周期の2乗なんだ(1乗や(距離の)2乗や(周期の)3乗や4乗ではなく)」という疑問でしょうか。 万有引力の法則から導出すればある意味自明なのでしょうが, 直観的な説明はちょっと私は思いつきません(ご存知の方がいらっしゃったら教えてください)。

[質問]
中間試験の模範解答例についてですが,問2で“深発地震”が用いられていないのではないでしょうか。
[答]
すみません,ミスです。訂正しておきました。

[質問]
日食は写真で見たことがありますが,月食が起こるときは,どのように見えますか。 また,月食は,月に地球の影が落ちるということなので,現象が見えるのは夜になるんですか。
[答]
少々手抜きですが, 「月食」での検索結果 を参照して下さい。月食は必ず満月の時に起こりますので, 観察できるのは夜に限られます。

[質問]
太陽系の他にもまだ太陽系に似たような構造があるかも知れないのでは。
[答]
授業では触れられませんでしたが,現在非常に活発に研究が行われている分野です。 「系外惑星」の検索結果

[質問]
ブラックホールについてもっと知りたいです。
[答]
またまた手抜きですが, 「ブラックホール」の検索結果。 また,理工学部地球環境学科の 葛西真寿先生 が関連分野の専門家です。 「宇宙物理学」という講義を担当されていますので,可能なら受講されてみてはいかがでしょうか。

[質問]
宇宙が広がっている外側には何があると考えられているのでしょうか?
[答]
「原理的に観測不可能なので,考える意味がない」というのがわりと一般的な 考え方と思います。私はそれで納得しています。専門家の方はもう少し別な考えを持っているのかもしれませんが, よく知りません。

[質問]
出席点はあるのですか。
[答]
原則はガイダンス時の説明の通りですが, 具体的にどのように配分するかは未定です。

[質問]
237ページ,部末問題2について,[1]は「ケプラー」(の第3法則)だと思いますが, 地球を回る月と人工衛星との間にも,ケプラーの法則が成り立つのですか。
[答]
前の質問にあるように,万有引力で引き合いながら回転している 物体で常に成立します。ただし「定数」の部分は物体の質量によって変わります。

[質問]
7月13日の出席表の問題(部末問題の4)の(5)は,説明していないのでは。
[答]
説明し忘れたようです。HR図に示された恒星の中で 主系列星は a, b, d, f の4つで,この中で一番右下に位置する (表面温度が低く絶対等級の大きい(暗い))星である f が最も進化の遅い恒星になります。

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Minoru SASAKI minoru@cc.hirosaki-u.ac.jp