太陽光エネルギー材料研究室 (Solar Energy Materials Laboratory)
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 エネルギーの活用は環境・資源・経済など様々な分野に良い方向でも悪いい方向でも大きな影響を及ぼしています。人類の文明を発展させたポジティブな面もありますが、それと共に環境破壊と言う深刻な問題を起こしてしまいました。特に、気候は Global warmingのところか Global heating 状態であります。本研究室では、このような課題に少しでも役に立つことを目指して、新奇エネルギー材料の探索と環境にやさしい高効率の太陽電池・省電力の光センサーに関する研究を行っています。現在、エネルギー材料分野では、グラフェンやペロブスカイト物質、またそれらを機能化する研究を行っています。光デバイス分野では、グラフェンとシリコンとのショットキー接合を土台にし、ペロブスカイトや有機材料などをハイブリットした新しい太陽電池や光センサーの開発をしています


 グラフェン転写後にのこるPMMA残渣が光電流をトラップするメカニズムを解明し性能劣化の原因を明らかにしました。高性能の太陽電池のデザインに大事な情報になります。こようなPMMA残渣は熱処理によってある程度は除去できますが、完全に除去された例はまだ報告されていないです。PMMA残渣の無いグラフェン転写方法についても研究を行っています。
Thermal annealing effects on Graphene/n-Si Schottky junction Solar cell: Removal of PMMA residues, Yuzuki Ono and Hojun Im, Jpn. J. Appl. Phys. 62, 045002 (2023).
 
 
 
 Gr/n-Si太陽電池のようなSchottky接合デバイスの性能はSchottky barrier potentialに直接に影響されます。そのため、Schottky barrier potentialの分析は高性能太陽電池の開発に大事な部分になります。我々は、Gr/n-Si太陽電池に埋め込まれているMOS capacitorを厳密に考慮し、より正確なSchottky barrier potentialを得ることを可能にしました。
Capacitance characterization of Graphene/n-Si Schottky junction solar cell with MOS capacitor, Masahiro Teraoka, Yuzuki Ono and Hojun Im, Mater. Res. Express 10, 085602 (2023).
 
 
 
 回転積層した多層グラフェンは単層グラフェンの持つ優れた物性を示して注目を集めています。本研究室では、自作のCVDを用いて、Ni金属触媒の厚さを調整することにより、効率的な回転積層多層グラフェンの膜厚制御方法を開発しまいた。また、ラマン分光法により、積層の様子を詳細に調べることが出来る分析方法を確率しました。
Growth and Raman spectroscopy of thickness-controlled rotationally faulted multilayer graphene, H. Kato, N. Itagaki, H. J. Im, Carbon 141, 76 (2019).
 
 
 
 Aサイト秩序型ペロブスカイトCaCu3Ti4O12の電子構造を放射光を用いた光電子分光法と逆光電子分光法を用いて、バンドギャップの大きさなど電子構造の詳細を明らかにしました。この結果はバンドギャップ・エンジニアリングによる様々なエネルギー分野への応用の可能性を高めました。
Electronic structure of Mott-insulator CaCu3Ti4O12: Photoemission and inverse photoemission study, H. J. Im et al., Solid State Commun. 217, 17 (2015).
 
 
 
 現在に最も高い誘電率を示すAサイト秩序型ペロブスカイトCaCu3Ti4O12は基礎科学の側面でも工学の側面でも注目を集めています。本研究室でもエネルギー材料としての可能性に着目し研究を続けています。上記の図は放射光を用いた角度分解光電子分光法により、初めて実験的に取られたバンド分散です。これらの結果により、CaCu3Ti4O12は強い電子相関によるMott Insulatorであることが明らかになりました。
Strong correlation effects in the A-site ordered perovskite CaCu3Ti4O12 revealed by angle-resolved photoemission spectroscopy, H. J. Im et al., Phys. Rev. B 88, 205133 (2013).
 
 


 弘前大学 理工学部自然エネルギー学科/大学院理工学研究科 任研究室
IM Lab., Department of Sustainable Energy, Faculty of Science and Technology / Graduate School of Science and Technology, Hirosaki University