宇曽利湖畔,円通寺境内

霊場として広く知られる恐山は, 宇曾利湖周辺を中心とする活発な噴気活動が見られ, 地下深部での地震活動も認められることから活火山の一つとされています。 火山噴出物は東西17km,南北25kmの範囲を占め, 山体のほぼ中央部には宇曾利湖をふくむ直径4kmのカルデラを持っています。
[空から見た恐山]


山体形成史

恐火山の活動は,釜臥山活動期,主活動期,後カルデラ活動期の3つのステージに分けられています。 釜臥山活動期には山体の南東部に釜臥山と障子山の山体が作られました。 時代は約70〜80万年前とされています。 主活動期の噴出物は山体の大半を占め,多数回の噴火によって形成された火砕流堆積物と,比較的少量の溶岩流からなっています。 主活動期の内でも前半の噴出物は山体の西部を占めており,複数の火砕流堆積物および溶岩流よりなります。主活動期の後半には,山体の北側と南側に火砕流が噴出しました。 山頂部のカルデラはこの時期に形成されたと考えられていますが,正確な時代はわかっていません。 後カルデラ期には,カルデラ北部とカルデラ内に溶岩ドームが形成され,また山体北西部に軽石流を流出させました。 これらの活動の具体的な年代も明らかになっていません。

有史の活動

恐火山に確実な噴火の記録はなく,歴史時代に噴火があった地質学的な証拠も見つかっていません。 しかし宇曽利湖畔では活発な噴気活動が続いており,また地下の熱水系では現在熱水性の金鉱床が生成されつつあることが知られています。

参考リンク

「日本の第四紀火山カタログ」恐 火山データベースWEB版



[青森県の火山] [月刊ホームページ 2000/01]


Minoru SASAKI minoru@cc.hirosaki-u.ac.jp