SPring-8実験記

   

今月は物理科学科小豆畑研究室が担当しています。

 小豆畑研究室では、同じ 物理科学科の宮永研究室と共同で、 窒化インジウムガリウム(InGaN という物質の広域X線吸収微細構造(EXAFS)の測定を行うことにより、InGaN結晶の構造を調べています。EXAFSについては 月刊ホームページ2002年2月号 を参照してください。この測定を行うには高いエネルギーの強いX線が必要なため、 実験できる施設は世界でも数えるほどしかありません。日本では、兵庫県にあるSPring-8(スプリングエイトと読みます)という 高輝度放射光施設で行うことができます。

 このホームページでは、我々の研究グループが先日SPring-8で行った実験の様子を一部、ご紹介しましょう。

 強いX線を使う実験なので「危険なのではないか?」と思う人もいるかもしれません。しかしながら、強いX線を使う実験であるからこそ、万全の対策がとられており、安全に実験を行うことができるのです。下の写真はX線を照射する実験室への扉です。 厚い金属の板とX線を通さない窓でできており、外部にはX線が漏れないようになっています。この安全対策はほんの一例に過ぎません。

 このホームページでは実験内容の詳細には触れませんが、実験中の写真を何枚かご紹介します。背景が赤みがかっているのは、実験施設内の照明の色によるものです。

  

 実験施設の中はとても広いため、施設内の移動に使う自転車が用意されています。深夜や明け方の眠気を吹き飛ばすのにも一役買ってくれます。

 

 滞在中は、研究交流施設と呼ばれる宿泊施設を利用することができます。この施設はとても清潔で設備も整っており、 実験で疲れた心と体を十分に休めることができます。我が家より設備が良いのがなんとも悲しいところです。

 

 いかがでしたでしょうか? あまり多くの事を紹介することはできませんでしたが、実験の雰囲気を少しでも感じとっていただけたら幸いです。


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