川上 淳研究室には、これ迄27年の間に43名の博士前期課程の大学院生が在籍しています(令和4年度前期時点)。その内訳は、学部4年生の卒業研究から川上研究室に所属していた人が32名、学科内の他の研究室から移籍してきた人が9名、他大学(秋田大学、日本大学)から進学された人が2名となっています。

 川上 淳研究室では有機蛍光色素の合成と応用に関する研究を進めています。光機能性物質の一つである蛍光性化学センサーは、ある特定の金属イオンや有機分子を、蛍光を用いて選択的に検出できる蛍光性配位子のことで、 環境中の有害物質や金属イオンの検出・回収に役立つとともに、生体内で用いた場合には、生理活性物質の動的挙動を直接観察できる蛍光プローブとしても有用です。そこで、蛍光性化学センサーとしての機能を発揮するすることが期待できる有機化合物を合成し、その性質(溶液中での励起状態における分子内・分子間相互作用 etc.)について詳しく調べた後、各種金属イオンや有機化合物を加えた際の光応答性(蛍光スペクトルの波長や強度の変化)を調べます。また、医学部等の先生方との共同研究として、抗菌活性物質の合成構造活性相関を調べる研究も行ってきました。更に詳しい研究内容については、ここ を、クリックして下さい。

 尚、川上 淳研究室は、伊東 俊司研究室関口龍太研究室と共に物質創成化学コースの有機化学系の研究室のとして運営されています。修士論文研究の実験、研究報告会・雑誌会(毎週2回2人ずつ)等は、3名の教員が協力して行います。


修士論文の作成に関しても参照して下さい。
 「有機光学特論」(前期開講)は、必ず履修して下さい。また、修了に必要な講義科目の単位はM1の時に全て取得し、M2では実験に集中するようにお願いします。尚、講義科目は前期と後期でバランスよく履修し、必要以上に講義を取り過ぎて実験をする時間がなくなるようなことがないように注意して下さい。 
 博士前期課程の大学院生には、毎年最低1回は学会で研究発表をしてもらうことにしていますが、学会に行くためには旅費が必要となります。弘前大学理工学部後援会に入会すると、研究発表補助金制度への申請が可能となり、旅費を自分で獲得することができます。5月頃に保護者の方に案内が郵送されるので、旅費獲得のためにも必ず理工学部後援会に入会するようにお願いします。尚、在学期間(博士前期課程の場合は2年間)に1回しか申請できないので遠方(東京、関西,札幌 etc.)での学会発表の際に申請して下さい。
 博士前期課程修了後に企業等への就職を考えている人達には、入会費が幾らかかかることもあり強制はしていませんが、化学の研究を行う者として日本化学会への入会を勧めます。日本化学会に入会すると毎月「化学と工業」誌が送られてきて、化学に関する最新の情報を得ることができます。また、春に行われる「日本化学会春季年会」で発表するためには日本化学会の会員である必要があります(秋に行われる「化学系学協会東北大会」での発表は、日本化学会の会員である必要はありません)。
 一方、博士前期課程修了後に博士後期課程への進学を考えている人は日本化学会に入会して下さい。日本化学会春季年会での研究発表等、日本化学会主催の各種行事に積極的に参加して視野を広めて下さい。
 以下のページを参考にして下さい。
 
[川上淳 研究室 修了生・卒業生 の 進路(平成7年度以降現在迄 / 内定を含む)]
 博士前期課程修了後に本学又は他大学の大学院博士後期課程への進学を考えている人は、遅くてもM1の終わり頃迄には申し出るようにお願いします。博士の学位を得るためには、査読付学術論文誌に筆頭著者相当の複数の研究論文を掲載させる必要があり、博士の学位に値する明確な研究成果が求められます。そのため、博士後期課程は3年間となっていますが真面目に一所懸命頑張っても実際の研究の進行状況や学術論文の掲載状況によっては3年間以上の期間を要する場合が有ります。将来化学のスペシャリストとして生きて行くという強い意志と覚悟があれば問題ないのですが、安易な気持ちで進学すると進学後に苦労する事になります。大学院博士後期課程は社会人入学制度もあるのため、一旦就職して社会人として企業等での研究経験を積んだ後に明確な目標を持って入学する方も多くいます。自分自身の性格や将来について熟考した上で進路を決定して下さい。随時、相談にのります。

*4月に入学して3年後の3月に博士の学位を取得する場合は、D3の10月から予備審査が始まり、予備審査を通れば1月から始まる計2回の本審査を受けることになります。そして本審査(第2回)で合格と判定されれば、3月に博士(理学又は工学)の学位が授与されます。よって、D3の前期迄に博士論文審査申請が行えるだけの研究成果が必要となります。