図1は酸素による熱酸化膜のSi2p内殻準位スペクトルで、酸化温度が600℃と700℃である。 酸化膜厚は約5オングストローグである。最小二乗法によるピークフィッティングを行った結果を 実線で示しており、バルク以外に4つの化学シフト成分で構成されていることが分かる。すなわち バルク成分(Si0)、3つのサブオキサイド成分(Si1+、Si2+、 Si3+)、SiO2成分(Si4+)である。それぞれの成分は図2に示すように、酸素との 結合数の違いによって生じたものである。
![]() 図1 Si2p内殻準位スペクトル。励起光のエネルギーは135eV。 |
![]() 図2 酸化モデル。 |
![]() 図3 様々な温度での酸化速度の暴露量依存性。 |
![]() 図4 580℃と720℃での酸化速度の時間変化。 |
![]() 図5 酸素導入停止による酸化曲線の変化。(a)低温領域の600℃(b)高温領域の720℃ |
![]() |
![]() 図6 低温領域と高温領域の酸化反応モデル。 |
![]() 図7 ウェット酸化とドライ酸化による酸化膜のSi2p内殻準位スペクトル。励起光のエネルギーは135eV。 |
![]() 図8 図7のスペクトルをフィッティングした結果の代表スペクトル。 |
![]() 図9 Si-H成分強度(黒丸)とエネルギーシフト(赤丸)の酸化温度依存性。 |
![]() 図10 ドライ酸化(赤丸)とウェット酸化(黒丸)のSi4+強度の酸化温度依存性。 |
![]() 図11 ウェット酸化の反応モデル。 |
![]() 図12 室温で水を暴露させた表面(下)とこの表面にさらに酸素を暴露させた表面(上)のSi2p内殻準位 スペクトル。 |