■蒔苗 博充さん
 弘前大学大学院理学研究科物理学専攻物性論講座/修士課程2年
 2001(平成13)年 弘前大学理学部物理学科卒業
 出身:青森県私立東奥義塾高等学校
 私は現在、大学院理学研究科物理学専攻物性論講座の修士2年に在籍しております。私の場合、学部3年までは、実際のところ講義が多く、研究に対する興味はあまりなかったように思います。学部4年次の時に研究室へ配属になり、はじめて研究(卒業研究)に着手してから、研究に対する興味を覚え、研究生活をしたいと思い進学することに決めました。
 私の研究は、貴金属コロイド微粒子における異常光吸収に関するものです。コロイドとは高校の化学で聞いたことがあるかと思いますが、分散している粒子の大きさがナノメートル単位のものであり、このようなコロイド粒子が分散しているものをコロイド溶液といいます。具体的に研究で用いているコロイド微粒子は、ポリマー中に分散させた貴金属(金、銀、白金)微粒子です。これは、塗料、インクなどへの用途があります。研究内容を簡単に説明すると、金コロイド、銀コロイド、白金コロイドの赤外スペクトル測定、可視スペクトル測定を行い、データ解析することによって、異常光吸収の詳細を調査することです。学部生の頃に比べて授業が少ない分、自分の研究に取り組める時間が多く、日々の実験から得られたデータを元に、「次はこの視点から...」という具合に計画を立て、調査を進めていく過程は、達成感があります(もちろん困難もありますが)。予想していたものとは全く違う結果になったり、逆に、予想とピッタリ一致したりと、研究は面白いです。私は学部の頃以上に、より充実した研究生活を送っています。
 普段は、実験の合間に、論文を読んだり、ゼミがあったり、という具合です。論文は英語で書かれた文献が多く、特に専門用語が多いので、はじめの頃は1ページでさえ読むのに苦労しましたが、いつの間にか抵抗なく読めるようになりました。大学院へ進学すれば、毎日コツコツと勉強できる環境にあるし、実験は面白いし、充実した研究生活が送れますよ。まずは大学に入るための受験勉強をがんばることですね。