水素を希釈ガスとして用いてプラズマ強化化学気相成長を介して調製した窒素ドープダイヤモンドライクカーボン (N-DLC) フィルムの化学結合状態に対するシリコン (Si) ドーピングの効果を調べた。 Nドーピングは、N-DLCフィルム中のクラスター化Sp2 Cの形成を促進し、一方、クラスタリングはSiおよびNドープDLC(Si-N-DLC)フィルムにおいてほぼ抑制された。 Si-N- DLCフィルム中のSp3 Cサイトは、N-DLCフィルム中のものよりも高かった。 Si-N-DLCフィルムについては、Sp2 C=N結合と比較して、Sp3 C-N結合が優先的に形成された。 Si-N-DLC膜の内部応力は、N-DLCフィルムのそれより低かった。 Si-N-DLCフィルムは、N-DLCフィルムよりも大きい光学バンドギャップを示した。 N2流量比が増加するにつれて、Si-N-DLCフィルムの光学バンドギャップは増加傾向を示し、一方、N-DLCフィルムは逆の傾向が示した。 Si-N-DLC/ P型Siヘテロ接合の電流-電圧特性は整流しなかった。しかしながら、堆積後アニーリングにより、ヘテロ接合は整流特性を示した。