我々は、ジメチルシラン[SiH2(CH3)2; DMS]およびN2をそれぞれSi源およびN源として用いたプラズマCVDにより、シリコン/窒素混入ダイヤモンドライクカーボン(Si-N-DLC) を堆積した。
我々は、Si-N-DLC膜の特性を、ヘキサメチルジシラザン[((CH3)3Si)2NH; HMDS]をSi/N単一源として調製した膜の特性と比較した。
6.81%のN2流量比で調製したSi-N-DLC(DMS + N2)膜とHMDS流量比[HMDS/(HMDS + CH4)] 2.27%で堆積したSi-N-DLC(HMDS)膜との間のSiおよびN留分にはほとんど差異がなかった。
Si-N-DLC(DMS + N2)膜の内部応力は、Si-N-DLC(HMDS)膜の内部応力に比べて低下していることがわかった。
Si-N-DLC膜は、純粋なDLC膜よりもはるかに高い接着強度を示した。
我々は、Si-N-DLC(DMS + N2)膜がSi-N-DLC(HMDS)膜よりも摩擦が低く、耐摩耗性が高いことを見出した。
Si-N-DLC(DMS + N2)膜の摩耗率は、純粋なDLC膜の摩耗率とほぼ同じであった。