金属ナノ構造による赤外吸収増大のための重要な構造パラメータが、シリコンウェハ上に電子ビームリソグラフィを用いて製造された明確に定義さ れた周期的な金の正方四角柱(Square Column: SC)を用いた体系的かつ網羅的な表面増 強赤外吸収(SEIRA)測定によって確認された。SCアレイはSEIRAのために従来から使用されている真空蒸着金属薄膜と互換性のあるサイズパラメータを有する。赤 外線吸収増強因子を決定する極めて重要なパラメータは、ナノ粒子サイズとギャップサイズの比である。非共鳴型電磁機構に基づく静電SCモデル計算は、吸着種の赤外吸収増大の実験 的結果と良好な定量的な一致を示している。さらに、これらの結果は、静電SCモデルが先に提案されたlightning-rod効果を含んでいることを示している。明らかにされた金属ナノ構造体に吸着した分子の赤外吸収増大機構は、SEIRA活性基板の設計,電極での反応分析,高感度化学センサーやバイオセンサーとしての微小な化学物質を検出するなどのアプリケーションに有用であることが解明した。