完全および部分置換されたAgzeolite X (Agx-X; x=86, 66 , 12) in-situ Ag K-edge EXAFS IRスペクトル測定を真空下で室温から300℃まで行った。室温で真空排気することにより、水の脱離が起こり、Ag周りのOの配位数, NAg-O, が減少した。Ag86-XAg66-Xでは、真空下で加熱することによりAg-Ag相互作用が弱められ、Agクラスタが成長する。一方Ag12-Xの場合、Ag-Ag相互作用が弱められる過程は存在しないが、真空下で加熱するだけでAgクラスタが形成される。この違いは、ゼオライト空孔内に残っているNa+の量に関係していると考えられる。Ag12-XAg66-Xの場合、IREXAFSの測定結果は、Na+の 動きがAg+の動きを励起し、比較的低温でAg-Ag結合を生ずることを示している。一方、ゼオライト空孔内にNa+が 存在しないAg86-Xでは、Ag+は温度によってのみ励起される。EXAFSの測定結果から、NAg-Ag = 3.0±0.2と4.7±0.2の二種類のAgクラスタの存在が示された。Agクラスタ形成過程は、二つのタイプのクラスタ間で段階的に進行す る。