本論文は主に赤外反射分光法を用いて測定したfcc Fe(100)上のCOの振動状態について述べている。8 monolayerFe薄膜をCu(100)上に300 Kでエピタキシャル成長させた。導入量 0.1 L (ラングミュア)では1920cm-1に一本だけC-O伸縮振動に帰属される吸収ピークが現れ、0.55 Lでは1977cm-1にシフトした。このバンドは0.88 Lでさらに1998cm-1までシフトし、吸収強度は飽和する。これとは対照的に、0.25 L2020cm-1に現れる第二のC-O伸縮バンドは、1.2 Lまで吸収強度が増加し続け、2048cm-1までシフトする。最初に現れるバンドはブリッジサイトに吸着したCOに、続いて現れるバンドはon-topサイトに吸着したCOに帰属され得る。ブリッジサイトのCOca. 380 Kまで安定なのに対し、on-topサイトのCOはそれほど安定ではなく、313 Kで消失する。以上のような結果を真空蒸着したbcc Fe 多結晶膜を用いた場合と比較する。