10〜55nmの膜厚の平行ストライプ状薄膜上に作成したパラニトロ安息香酸の赤外吸収スペクトル測定をストライプに対して平行および垂直に偏光した赤外光を用いて透過法により行った。銀上に吸着したPNBA-イオンのCO2-とNO2対称伸縮振動に帰属されるバンドの吸収強度が銀薄膜の膜厚に依存して増大した、しかしどの膜厚においても入射電場をストライプに平行な偏光を用いた場合の方が垂直な偏光を用いた場合より吸収強度が大きかった。一方、PNBAを吸着させる前の透過率はストライプに平行な偏光を用いた場合の方が垂直な偏光を用いた場合より低かった。吸着種の吸収増大は電子の集団共鳴の励起によると我々は考えるが、偏光依存性は横方向の双極子相互作用であり、この効果はストライプの方向の方が垂直な方向より大きいためであると考える。