この論文において、表面増強ラマン散乱と赤外吸収増大現象を比較し、またこれらの類似点を明らかにした。これらの二つの現象は測定条件が類似しているのが明白であり、表面粗さによって誘起される双極子・四重極子−分子間相互作用の増大に基づく一般的理論の応用が可能である。実験条件の分析により活性サイトの存在や短距離および長距離型の増大機構の存在の可能性を指摘し、また、赤外吸収増大現象における理論的表面選択率の確立を可能にした。