金属島状膜を用いることにより赤外吸収強度が著しく増大することは知られている。一方、ラマン散乱においても同様の現象が見られ、表面増強ラマン散乱(SERS)と呼ばれている。赤外吸収増大の機構が未だ全て明らかになっていないのに対しSERSの機構はほぼ解明されている。本論文においては吸収の増大が非常に局所的であることおよび全対象振動が選択的に増大されることなどSERSとの類似点を指摘し、SERSと赤外吸収増大の機構の類似点を究明した。