X線の吸収を無視できない膜厚の試料について荷電粒子励起X線分析と同時に後方散乱スペクトルを測定し、スペクトルの幅から膜厚を求め、添加元素や不純物を正確に定量する方法を石英ガラス膜中のチタンを例に検討した。石英ガラスの膜厚を後方散乱で評価し、陽子のエネルギーを1.8から4MeVまで変化させチタン箔に照射しチタンの蛍光X線断面積の衝撃粒子エネルギー依存性を測定するとともに、X線吸収係数を明らかにした。これらの結果を用いて石英ガラス中のチタンの定量において、試料中の衝撃粒子のエネルギー減衰及び蛍光X線の自己吸収を補正する方法を開発した。