クレッチマン法を用いることにより金属薄膜上の吸着分子の赤外吸収が著しく増大する現象がある。プリズム/金属−媒質複合膜/媒質の三層系に基づく電磁場強度の計算結果と実験結果が定性的に一致することを見いだした。しかし、このモデルによる計算では定量的な一致は得られない。さらに、金属薄膜ごく近傍に限定される吸収増大も説明できない。これらの事実を踏まえ、短距離な増大電場は、凹凸の激しい金属薄膜表面における局在電場に起因することを指摘した。