稲むらの火 B

 その時、にわかにはりがきしんだかと思うと,五兵衛のかやぶきの家全体が強くあおられるようにしてごうごうと揺れました。

 「これはただごとではない」

 五兵衛は一目散に家から走り出ました。今の地震はさほど大きいというものではありませんでしたが、長いゆったりとした揺れ方と、うなるような地鳴りは、老いた五兵衛にとっても経験したことがないことでした。

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