弘前 空気シャワー観測システム
最終編集日 : 1999年2月1日
(2006年学科構成変更によりこの研究室は4月から
物理科学科
へ移りました)
屋上でず〜っと連続観測 !
宇宙から地球に飛来してくるエネルギーの大きい放射線が大気中で発生させる空気シャワーを観測しています。
この観測装置(写真 1.)は弘前大学共通教育棟の屋上に設置されています。
観測システムはコンピュータ(写真 2.)でコントロールされて連続観測がおこなわれています。
(写真 1.)
(写真 2.)
空気シャワーってな〜に ?
宇宙空間に存在する高エネルギーの放射線(一次宇宙線)が地球大気圏に衝突すると、
大気と反応し、たくさんの「こども 放射線」を発生させます。
この「こども 放射線」はさらに大気中で反応をくりかえし、「孫 放射線」、「曾孫 放射線」、
「玄孫 放射線」、、、、っと、おびただしい数の二次宇宙線を発生し、半径数十メートルから
数百メートルに拡がりながら地上に降りそそいでいます。この現象を 空気シャワー といいます。(図 1.)
宇宙線の観測は国内外の多くの研究者によって、さまざまな方法によっておこなわれています。(図 2.)
(図 1.)
(図 2.)
ど〜やってはかるの ?
放射線がプラスチック蛍光体を通過するときに発する光(図 3.)を光電子増倍管(写真 3.)
で受けて増幅し電気信号としてとりだします。 各検出器からの電気信号を論理回路にとおし
て必要な信号だけ(ADC、TDC、GPS-time)
をコンピュータにたくわえておきます。コンピュータに保存されたデータは解析処理をおこない、
空気シャワーのエネルギー、飛来時刻(世界時間)、飛来方向などを求めます。
GPS 衛星からの信号を用いることにより時間データは地球全体に共通の精度の良い時計を
得たことになり、他の地域の観測システムとの空気シャワーの飛来時間の比較が可能になります。
(図 3.)
(写真 3.)
GPS信号を取り込んだ EVENT TIMING MODULE は、GPS 衛星からの UTC 時刻情報とUTCに同期し
た1秒のパルスを得て、これをもとに正確な時刻をカウントします。精度は常温で1マイクロ秒です。
Hirosaki Air Shower Array Installation
Location : 40'35' N, 140'28' E, 49m from sea level, in Hirosaki Univ.
Scintillator size : 50cm * 50cm * 5cm (plastic)
Number of electron detectors : 20
Photo-multiplier tube : 2 inches, Hamamatsu R1507
Size of FT-detectors array : 15m * 16m
Number of FT-detectors : 5
Photo-multiplier tube : 2 inches, Hamamatsu R1161
Arrangement of FT-detectors in meters ( x = east , y = north ) :
FT1(8.0, -7.5), FT2(8.0, 7.5), FT3(-8.0, -7.5), FT4(-8.0, 7.5), FT5(0.0, 0.0)
Trigger condition(1) : 4-fold coincidence (center 4-electron detectors)
Trigger condition(2) : 5-fold coincidence (5-FT-detectors) within 150ns
TDC resolusion : 0.1ns
Arrival time resolusion by GPS : 1 micro sec
Date of observation start : 1990, Sep. 27
Date of observation start with GPS : 1998, Nov. 13
Trigger rate(5-FT-detectors) : 〜600 / day
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弘前大学 理工学部 物理科学科 助教授 高橋信介
(2006年学科構成変更により電子情報システム工学科から移りました)