理工学部パンフレット2004 より転載


■菅井 孝安さん
 株式会社日立超LSIシステムズ ULSI設計部 
 実装ソリューションGr.
 1997(平成9)年 理学部化学科卒業
 1999(平成11)年 理学研究科化学専攻修士課程修了
 出身:青森県立弘前高等学校

 私は卒業後、本科修士課程に進み、現在の会社に就職しました。仕事の内容は、様々な半導体メーカーのニーズに応え、半導体実装技術(組立て技術)を開発するための、テスト用部品(テスト用半導体チップ)を設計、製品化するというものです。また、作った製品を使った評価技術を、商品として提供しています。お客さんは先端の技術開発をされている方々ですので、要求は厳しく苦労もありますが、反面、技術開発の一翼を担っていると思うと、やりがいのある重要な仕事だと思います。
 高校時代は部活動や友達と遊ぶので手一杯で、勉強はあまり好きではありませんでした。ただ漠然と、将来は自分の手を動かして物を作ったり、研究したりする仕事がしたかったということと、化学の先生が好きでしたので、なんとなく大学でも化学を勉強してみようと思いました。大学では基礎教育の後に、様々な実験手法や化合物の合成方法を習得します。実際に手を使って実験した結果が、分析データとして現れたり、結晶として目に見える形で取り出されたりするのは、刺激的で楽しいものでした。後半になると研究室に配属され、さらに専門的な分野について研究します。うまくいかないことも間々ありましたが、教官の指導や先輩方のアドバイスを受けたり、同輩と夜遅くまで議論したりして、一つの卒業論文としてまとまった時の達成感は、今でも時折思い出します。
 就職するときに、今の仕事について何の知識もなかった私ですが、会社に入ってみると化学の知識が折に触れ役に立ちます。しかしなにより、在学中に先生方や研究室の先輩に学んだ勉強の仕方や整理の仕方、物事の考え方が大変役に立っています。また、大学時代を通してかけがえのない人間関係を持てたことも、この大学に入ってよかったと思うところです。大学、大学院で過ごした6年間に知り合った先輩や友人とは、就職して4年経ったいまでも折に触れお付き合いさせて頂いています。
 今の仕事は、一人の力だけでは物事は一歩も前に進みません。社内外のいろいろな分野の人と連携協力して、はじめて一つの仕事が達成されます。秀峰岩木山を望み、四季折々の自然が豊かなキャンパスで、じっくりと学び、たまには楽しく遊んで人付き合いの妙を培ってみては如何でしょうか?