世間では「パソコン」や「インターネット」の話題で持ちきりで、 あたかもこれらを知らないと、 現代社会で生き残れないかのようである。
結論から言うと、全くそのとおりである。
新入生にとって、大学を卒業する4年後はそういう社会になっているはずだ。 コンピュータを使って情報を集め、それを整理・分析し、 その結果を文書にまとめて提示し、議論し、説得する。 これはすべての分野で必要とされる技能で、 むかしの「読み書きソロバン」に相当する基本的な能力といえる。 この能力に欠ける人間が社会に貢献できないのは明らかだ。
さっそく始めないといけないと考えたあなた、あなたは正しい。
ではどうしたらよいか? すぐにでもパソコンを購入してしまうことである。 ここでワープロ専用機を購入しようと考えているあなたは間違っている。 人間は学習する生き物である。 学習してあなたの能力が向上する余地が、ワープロ専用機にはほとんどない。
さて、ではどんなパソコンを購入すればいいのだろうか? ずばり最新型のひとつかふたつくらい旧式の機種にメモリーを増設したもので 性能は充分だし、なおかつ値引きされていて安い。 また Windows がいいのか Mac にすべきかも、 現在はほとんど差が無いので、どちらでもよい。 個人的には Windows 系 (AT互換機) の方がアクティブで面白そうだと思う。 それからソフトも必要だが、ワープロと表計算があれば用が足りる。 基本的な機能はどれでも同じなので、評判のよいものを学割で購入すればよい。
ここまでそろえたら、投資をムダにしないためにも、徹底的に使うだけである。 授業のレポートやゼミの資料などから、家計簿、手紙、 ちょっと思い付いたアイデアのメモに至るまで。 ひとこと断っておくと、決して清書マシンにしないように。 また最初から、豊富な機能の全てを理解し使用する必要は無い。 「うまい手はないか」と向上心を持ち、常に新しい情報を仕入れ、 自分で使い方を開発すればよい。 意図されてはいなかったが、すばらしい使い方があるはずだ。 道具とはそういうものだ。 パソコンは耐久消費財ではない。パソコンは消耗品だ。 この機械の処理能力に不満を感じるようになったら、 あなたはもう一人前だ。 そのときにすべきことは、もうわかっているはずだ。
さてここまで、独断と偏見に満ち、財布に負担をかける話を述べてきたが、 この考えに納得できない人もいるかもしれない。 しかしちょっと待ってほしい。 そういう人に、「あなたは何をやりたいのですか?」と、問いたい。 大学に進学したからには、ある種の専門家を目指しているはずだ。 専門家とは自己の考えに基づいて組織に指針を与える者だ。 その組織とは、小は 2-3人のグループから、大は国家や人類全てでもありうる。 これは情報の input/output の問題であり、 すなわち、「何を」読み、「何を」書き、「何を」計算するのかが、最も重要である。 このときに「読み書きソロバン」ができなくては、話にならない。
一刻も早く始めるべきである。 あなたの将来への投資なのだから。