分子分光学 (20180702) M: 以下は宮本のコメント
16s2053: 
電子が光によってしか励起されないのはどうしてか. 光エネルギーは, 他のエネルギーと本質的な違いがあるのか. 例えば熱エネルギーが励起を起こすのに十分なエネルギー量がないとするならば, 温度と圧力を無限に上げていっても励起が観測される見込みはないのか. あるいは, ボルツマン分布が励起状態の確率を表しているとすると, それが温度の関数であるということは, 電子が励起される確率も温度の関数となっているのだろうか. 熱エネルギーは温度を介して励起の確率を上げている? M: 本気か? 教科書 1 章を見れば, 水素を封入した放電管からの発光の話が出てくる. すなわち水素原子中の電子は, 電気エネルギーで励起されている. また黒体輻射は, 熱エネルギーを与えられた物体が光る話だ. もちろん気体分子運動論は, 温度と気体の内部エネルギーとの関係の話だし.

15s3007: 
物質によって, エネルギーや吸収などが変わるが, 励起一重項から基底一重項へとエネルギーを放出する遷移と, エネルギーを放出せずに遷移するものとで, 遷移できるエネルギー準位に違いはあるか? M: 勘違いの予感. エネルギー保存則は成り立っている. すなわち ``光 (電磁波) として放出しない'' だけである. 無輻射遷移の場合には, 余分のエネルギーは分子内振動・回転・並進のエネルギーになる.



rmiya, 20180724