構造物理化学II (20170725) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
$ \DS \hat{F}_i$ を求めるとき, 完全なスレーター行列式をどう使うのか. M: 別に, 普通に使えばいいでしょ? 教科書 p.315 の記述の, どこがわからないのか?

16s2002: 
異なるスピンをもつとどうしてエネルギーも異なってくるのですか. M: 16s2048 参照

16s2003: 
ミクロ状態の数は電子の入り方の個数を細かく分けた時, 何パターンあるかということなのですか. M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // 教科書だけでなく参考書も読めばいいのでは?

16s2004: 
教科書 p.315 に $ \DS \hat{F}_i$ の具体的な式は必要ではなく, $ \DS \hat{F}_i \phi_i = \varepsilon_i \phi_i$ をつじつまが合うように解けばよいとありました. 講義でやった $ \DS \hat{F}_i = \hat{H}_H + \sum_{j=1}^N\left( \hat{J}_i - \hat{K}_i \right)$ $ \DS \sum_{j=1}^N\left( \hat{J}_i - \hat{K}_i \right)$ の部分はスピンも考慮してつじつまの合う場の方法で解いたときに関係してくる演算子なのですか. M: 14s3030 も参照 // 講義ではフォック演算子の導出まで説明しなかったが, 興味があれば中上級の参考書を読んで, 自分の手を動かして計算してみればいいのでは? // スピンを考慮したというよりは, 電子を交換したハートリー積の線形結合で波動関数を表した結果と言った方が良いだろう.

16s2005+: 
量子力学が実生活に与える恩恵は何か. M: イマサラ何を聞きたいのか? // この世の物質的存在はすべて原子からできていて, その原子・電子・分子の振る舞いを記述するのが量子力学. したがって, この世の物質的な有り様の全てを記述していると言えるのでは? 量子力学が無ければ「われわれはどこからきたのか, われわれはなにものか, われわれはどこへいくのか」に答えることができないのでは?

16s2006: 
ハミルトン演算子はスピン演算子を含まないとあるが, スピン演算子は存在しないのか. M: 例えば (8.5) 式の演算子の, どの項がスピン演算子か? 例えば 教科書 p.308 のどの演算子がスピン演算子か? // スピン演算子は存在しない幽霊なのか?

16s2007: 
ハートリー・フォック オービタルを 0 次の波動関数として摂動論によって相関エネルギーを計算する方法とありますが, 0 次の波動関数とはどういう状態ですか. M: 微妙に誤解の予感. 波動関数は状態ではない. // 摂動論の論理構成を, 参考書などでよくよく復習する必要があるのでは?

16s2008: 
ミクロ状態というのは, 最外殻の電子の入る可能性であり, 遷移金属元素におけるイレギュラーな電子配置を説明出来るということか. M: どうしてそう誤解するのか謎. 教科書や参考書をよく読んで復習する必要があるのでは?

16s2009: 
励起状態のヘリウム原子の電子状態には 3S1 と 1S0 の 2 つがあるが, 3S1 の $ \DS M_L=0$, $ \DS M_S=0$ である $ \DS 0^+0^-$ と, 1S0 の $ \DS M_L=0$, $ \DS M_S=0$ である $ \DS 0^-0^+$ では同じ角運動量で, エネルギーは等しいのではないか. M: 微妙に誤解している予感. 両者の角運動量は異なるが, その $ z$ 成分は同じ. // 16s2043 も参照

16s2010: 
基底状態のスピン多重度が 3S1 であることはあり得ますか. M: 微妙に誤解の予感. 3S1 はスピン多重度を表す記号ではない. // 基底状態について, その項記号を, 自分で考えてみれば分かるのでは?

16s2011: 
教科書 p.316 の表8.3 にある, 陽イオンの妥当な状態とは, どのような状態のことを言うのでしょうか. M: 原文は ``the appropriate state of the positive ion'' だが. 計算上は, 電子配置など適当な状態を設定しなければいけないので, 常識で判断するということでしょう.

16s2013: 
Hartree-Fock 方程式の固有値 $ \varepsilon$ が, ヘリウム原子の全エネルギー (オービタルエネルギーの総和) にならないのはなぜですか. M: 教科書や参考書をよく読んで, 自分で計算してみればいいのでは?

16s2015: 
He のミクロ状態は 4 個あり, それが 3 通りと 1 通りに分けられるとのことでしたが, この 2 つの状態にどのような違いがありますか. M: 微妙に誤解の予感. 単なる He ではなく, He の励起状態. // $ S$ が異なることから, 磁性が異なる.

16s2016: 
$ \DS (ns)^1(n's)^1$ について考えたとき 3S1 はミクロ状態 3 コあり, エネルギーが同じということだったのでこれら 3 コは区別できないということなのでしょうか. M: 自分で考えて分からないのはナゼか?

16s2017: 
禁制であることは, どのような実験で導かれたのでしょうか. M: 禁制遷移なので, もちろん遷移が観測されない. しかし実際には, 禁制の破れにより, 強度が非常に弱い遷移が観測されることもある.

16s2018: 
二電子のオービタルの波動関数は, 2 電子を交換すると反対称な波動関数が得られていましたが, 2 電子は区別できないため交換しても同一の波動関数が得られるのではないでしょうか. M: その通りです. ある波動関数と定数倍しか違わない波動関数は, 同じ状態を表しています. そしてそこからフェルミ粒子とボース粒子の違いが生じます. // という説明を講義でしたのですが, 理解されていないようで, 残念.

16s2020: 
p 軌道で電子スピンが異なる時エネルギーは異なりますがそのエネルギー差は重要ですか. M: スペクトルの分裂を説明するためには重要.

16s2021: 
ラッセル・ソーンダース結合を考えるとき, パウリの排多原理[原文ママ]を考えるのに対し, フントの規則などはなぜ考えなくてもよいのですか? M: フントの規則とは何か, よく復習する必要があるのでは? // 励起状態であっても状態は存在する.

16s2022+: 
なぜ, ミクロ状態というのか. なにが, ミクロなのか. M: 普通に言う ``状態'' とは異なるからでしょ? 名付けた人に聞けばいいのでは? :-p // 状態 (state) は, (たいていは複数の粒子から成る) 系全体についての物理量をあらわすいくつかの変数で指定されるある系の様子で, 状態を特徴づけるその変数の値が異なればそれは別の状態ということになる. それに対してここでいうミクロ状態 (microstate) は, 系を構成する個別の粒子についての変数により変数で粒子を指定し, それが集まって少し大きな系 (前述の系) を構成する. 個別粒子に対する変数の値が異なっても, 粒子集団としての状態は同じ場合がある. ...... かなぁ

16s2023: 
電子スピンについて異なる電子の入り方をするとエネルギー以上にちがってくるものはありますか. M: 16s2015 参照

16s2024: 
ラッセル・ソーンダース結合の考え方はすべての原子に導入することができますか. M: 特定の原子・イオンに限定する要素が, どこにあったのでしょうか?

16s2025: 
ラッセル・ソーンダース結合によって得られる原子の項の記号について, 1 つの原子に対して複数存在する以上, 原子の状態は特定できないが, この結果から原子がどの状態に傾るか[原文ママ]などを予測することはできるのか. M: は? できなきゃ, 何のための科学理論なのか? 微妙に勘違いの予感. // 原子の状態は特定できるし, 状態間の占有率はボルツマン分布でしょ?

16s2026: 
三重項状態が一重項状態よりも低い状態であるのは $ S$$ L$ などの量子数に関係はあるか. M: は? 三重項とか一重項は $ S$ に直結した話でしょ?

16s2027: 
ヘリウムの電子配置は項記号の表したとおりに三重項に実際になっているのですか? M: 図8.5 参照. このレベルで合わなければ仕方ない.

16s2028: 
電子スピンは観測できるのか? M: Na の D 線が二重線になっているのは電子スピンに由来するので, 電子スピンを観測していると言えるのでは? // もちろん電子スピン共鳴法 :-)

16s2029: 
なぜ 3S1 が 1S0 よりも低いエネルギーで安定な状態なのか? M: 16s2048 参照

16s2030: 
クープマンスの近似とは どのような近似なのですか? M: 16s2035 参照

16s2032: 
相関エネルギーについて, 化学反応に伴うエネルギーよりも非常に小さいのに重要である理由は何か? M: 勘違いだからでは? 教科書 p.317 をよく読めば分かるのでは?

16s2033: 
ラッセル・ソーンダース結合で, オービタル角運動量と, スピン角運動に注目したのはなぜか. M: 本人に聞けばいいのでは? :-p

16s2035: 
クープマンスの近似とはどのようなものか? M: 章末問題8.11 や参考書をよく読めば分かるのでは?

16s2036: 
$ \DS ns^1n's^1$ の電子配置に対応する項の記号は 3S1 と 1S0 となり異なるエネルギーの異なる電子状態に対応しているとありますが, 3S1 と 1S0 の存在する比率も異なるのですか. M: え? 普通に, 状態の多重度とボルツマン分布でしょ??

16s2037: 
教科書 p.315 の「ハートリー・フォック計算では, 実効ポテンシャル $ \DS V_j^$eff$ (r_j)$ $ \DS \frac{1}{r}$ より複雑」とは, どういうことですか. M: 言葉通りの意味ですが, 何が分からないのか? 実行ポテンシャルの形 (8.18) 式をよく見ればいいのでは?

16s2038: 
フォック演算子を用いた時に交換積分 $ K$ が必要になる理由がよくわからなかった. // 他の授業で電子配置について記述するときまずはスピンを平行にして 1 つずつ軌道に電子を入れ, 入りきった後にスピンを逆にして電子を入れていく, というように習った. 本来ならミクロ状態は多数考えられるのだろうが, この入れ方に従った電子配置が最も安定である, というものはあるのか. M: 自分で手を動かして計算してみれば分かるのでは? // フントの規則 p.327 をよく考えてみれば分かるのでは?

16s2039: 
全角運動量 $ J$ はどうやって値が求まるのか. M: 別に. 普通に計算すればいい. // 教科書 p.324 や参考書をよく読めば分かるのでは?

16s2040: 
ラッセル・ソーンダース結合において授業の最後で 15 個のミクロ状態があり 5, 5, 3, 1, 1, で分かれるといっていましたがこの数は同じ条件下なら不変なのでしょうか. M: どんな条件があったか? // 自分で考えて分からないのはナゼか?

16s2041: 
相関エネルギーを計算する方法の研究している例が教科書にありますが 他にはどんな方法が研究されているのですか. M: 自分でどれだけ調べて勉強したのか? // 基本的には摂動論と, 配置間相互作用かな. 他にもあるかも. 調べて分かったら, 教えてくださいネ

16s2042: 
p.316 の表8.3 で実験値とのずれは どこからおこるのでしょうか? M: 様々な近似が導入されていることは学習済み. 教科書や参考書をよく読めば分かるハズでは?

16s2043: 
例の $ \DS (ns)^1(n's)^1$$ \DS M_L$ $ \DS 0^+0^+$ 以外ののこりの最大のものを選ぶときに $ \DS 0^+0^-$ ではなくて $ \DS 0^-0^+$ を選んだのはなぜですか. M: 特に理由は無い. どちらを選んでも, 同じ結果 (項記号) になる. // 16s2051 参照

16s2046*: 
金属にある低スピン状態や高スピン状態には どう影響されるのか? M: エネルギー準位には, 配位子場 (結晶場) の強さも効いてくる. ``田辺・菅野ダイヤグラム'' を参照.

16s2048: 
なぜ, 3S1 が 1S0 よりも低いエネルギーを持つのか. M: スピン軌道相互作用 // 教科書 p.328 や参考書も読めばいいのでは?

16s2049+: 
電子スピンを考えたときに, エネルギーが違う可能性を考慮し, 異なる電子の入り方を区別するために ``LS 結合'' の考え方を導入したが, 逆に電子スピンが異なってもエネルギーが同じになることはあるのか? M: 状態の縮重としてはクラマースの二重項があるが, これは電子スピンが異なると言うかな? // それ以外は, もしもあったとしても, 偶然でしょうね.

16s2050: 
$ \DS (ns)^1(n's)^1$ ($ \DS l_1=0$, $ \DS l_2=0$) の電子配置に対応する項である, 1S0, 3S1 の 2 つのグループの具体的な違いはあるのですか. M: 例えば系のエネルギーが異なる.

16s2051+: 
$ \DS (2p)^2$ には 15 個のミクロ状態がありますが 電子がどの状態であるか識別する方法はありますか. M: 異なる項記号で表される状態間の区別は可能. しかしミクロ状態は固有状態ではないので, 実際の多電子原子 (またはイオン) が特定のミクロ状態にあるとは言えない. 固有状態は, ミクロ状態の線形結合 (ミクロ状態を混合したもの, ミクロ状態のユニタリ変換) で表現される. これが ラッセル・ソーンダース結合 の意味.

15s3005: 
分子の項の記号を考える際, 満員のオービタルを考えなくてもよい理由とは. M: 別に, 考えたければ考えればいいのでは? // 自分で手を動かしてやってみれば, 分かるのでは?

15s3007: 
フントの規則の 3 つ目で副殻の占有状態でどれが再安定化を決定するが, 副殻とは K 殻, M 殻などのことをいっているのだと思うが, その占有状態はどうやって知るのか? M: 誤解の予感 // K, L, M, ... は shell (殻) であって, sub-shell (副殻) ではない. 無機化学の教科書を見直す必要があるか?

15s3008: 
副殻が半分より少ない時と, 半分より多いときでは $ J$ に対してどのような違いがあるのですか. M: 自分で具体的に求めてみれば分かるのでは? // $ n$ 電子系と, 閉殻$ -n$ 電子系の項記号を考えてみれば分かるのでは?

15s3014: 
図8.1 ではクープマンス近似の計算値がのっているが O, S, Se に関しては傾向とあっていないようである. これはなぜか. M: え? (一部に単調ではない変化があるが, それを均せば,) 同じ周期で 1 族が最低値から 18 族が最高値へと変化し, これが周期的に繰り返されるという *傾向* と, 同じ族でも周期が進むにつれて, 値が小さくなっていく *傾向* と, どこがどう *傾向* と合っていないのか? // そもそも近似なのだから実測値とずれていてもおかしくないし, 実測値自体も測定誤差を含んでいるだろうし. しかし系統的なズレについては, 意味があるかもしれないし.

15s3025: 
スピン多重度と全角運動量とは, 具体的にはどのような意味を持つのですか? M: 前者 $ 2 S + 1$ と似たものとして, 方位量子数 $ l$ を用いた $ 2 l + 1$ という数があった. この意味は? // 後者については, 言葉通り. 定義式を見て意味を考え, さらに言葉の意味が分からないなら, 辞書を見ればいいのでは?

15s3048: 
交換積分の物理的意味はなにか. M: 古典的に対応するものが無いことは, 講義で説明した. 章末問題8.25 参照 // 参考書も読めばいいのでは?

14s3030: 
p.315 の「 $ \DS \hat{F}_i$ の具体的な式は必要でない. 式(8.46) をつじつまの合うように解く必要があり」とありますが $ \DS \hat{F}_i$ の具体的な式が分からなければ解けないのではないでしょうか 言っている意味が分かりません. M: 教科書のその前後に書いてあることを読んでいないのでしょうか? 国語力不足?? 前には「ここでは」とあり, 後には「, そのためのコンピュータープログラムがあることを理解すれば十分である.」と書いてある. // ハートリー・フォック方程式を解く *前に*, フォック演算子 $ \DS \hat{F}_i$ の具体的で正確な式が分かっているのか?



rmiya, 2017-07-28