構造物理化学II (20170718) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
波動関数 $ \DS \psi_1$, $ \DS \psi_2$ のうち $ \DS \psi_1$ を採用してはいけないのはなぜか. M: 意味不明. いきなりの波動関数 $ \DS \psi_1$, $ \DS \psi_2$ とは何か? // 教科書の記述の, 何が分からないのか? // 仮説6 参照

16s2002: 
陽子や中性子が反対称で, He 核が対称となるのは, どうしてですか. M: 素粒子物理学を勉強すればわかるのでは? // と講義で言ったのに, 理解してもらえなくて, 残念.

16s2003: 
スピン角運動量の定義で, $ z$ 成分の式だけ定義されているのは, そのように軸をとっているからなのですか. M: 任意の一方向 (一つの軸) ということなのですが, 慣習的にそういうユニークな軸を $ z$ 軸にとります.

16s2004: 
2 電子原子ではパウリの排他原理を無視していました. 2 電子は無視できて, 3 電子が無視できない理由はなんですか. M: 20170711 の 15s3008 参照

16s2005: 
将来的に, 電子に対してさらに新たな量子数が導入される可能性はあるか. M: 可能性ならゼロではないと思うが, 現在のところ必要性は全く無い. 第 5 の量子数を仮定していない量子電磁気学は, 非常に高精度で, 実験事実と一致しているらしい.

16s2006: 
3 次元で表すことのできない角運動量を, なぜ, 3 次元の要素の 1 つである $ z$ で表しているのか. M: 勘違いだから. // 電子スピンの状態を, $ x, y, z$ を変数とした関数 (例えば $ \DS f(x,y,z) = a x^2 + b y^3 + c z^4$) で表現し, 演算子 (例えば $ \DS \frac{\hbar}{i}\!\left(x \frac{\partial}{\partial y} - y \frac{\partial}{\partial x} \right)$) を作用させてスピン角運動量の $ z$ 成分 (値) を得る, というようなことはできないということ.

16s2008: 
第 4 の自由度を導入した時, (正しい計算をした時に) 導入する前に比べて, 値の変化はあったのか. // 第 4 の量子数ということは, この世の次元は, 4 次元であるということか, それはどこにあるのか. M: Na の D 線の分裂を説明できた, との説明をしたのだが, 伝わっていなくて残念. // 物理学では普通では? 相対性理論だって 4 次元の時空間を考えているし, 三次元空間の定常状態の 2 電子系だって波動関数の独立変数の数は 6 個 (6 次元) なのだし. 状況に応じて好きにすればいいのでは?

16s2009: 
同位体で, 4 つの量子数が同種の粒子では, 粒子の衝突は区別できるか. M: 意味不明. 粒子の衝突を区別するとは, どういうことか? そこに同位体であることが, どう関係してくるのか?? そもそも度の粒子の衝突を考えているのか???

16s2010: 
全ての粒子はフェルミ粒子かボース粒子かのどちらかであるのですか. スピンが半奇数か整数かで判断できるのであれば, 例外はないのですか. M: 自分で判断できないのはナゼか?

16s2011: 
教科書 p.308, 309 で定義, 形式的なという言葉にアンダーラインが引いてありますが, なぜこの時にそれらの言葉を強調しているのでしょうか. M: 著者に聞けばいいのでは? :-p // 重要だからでは? 当たり前でしょ?

16s2012: 
どうして Na の原子スペクトルはシュレーディンガー方程式と異なり 2 本の線がでてくるのか? M: 教科書 8.11 節や参考書を読めば分かるのでは?

16s2013: 
系に磁場がかかっていないときは, 原子スペクトルの輝線はいつも 1 本線でしょうか. M: どんな状態間の遷移かに依存する. 当たり前.

16s2015: 
同種の粒子というのは, 例えば電子の場合, 同じオービタルにある電子同士のことという条件などが必要ですか. それとも, 電子であればすべて同種の粒子といえますか. M: 国語力不足か? // ``同種の粒子'' と言ったときに, 他に条件があったか?

16s2016: 
どうして $ S$ $ \DS S = \frac{1}{2}$ という値しかとれないといえるのですか. M: そんなこと, 誰も言っていませんが? // (1 個の) 電子について $ \DS S = \frac{1}{2}$ である, というだけの話. 1H なら核スピン $ \DS I=\frac{1}{2}$ だし, 4He なら核スピン $ I=1$ などとなる (核の話なので, $ S$ の代わりに $ I$ を用いた).

16s2017: 
量子化学研究の多くは, 相関エネルギーの計算を目的としていると p.317 の記述にありましたが, 量子化学の研究は他にどんなことをしているのでしょうか. 今まで私たちが学習した 1-9 章範囲に CE を求めること以外にも研究されてる内容はあるんでしょうか. M: 具体的な切り口は色々, 具体的な課題は色々あるだろう. しかしそれを量子化学計算に持ち込むと, 必要な計算精度は CE と同程度になるので, 結果として CE を正確に求めることが必要とされる. すなわち研究の直接の目的は異なるが, 実際上は CE を正確に求める必要がある. といった意味の記述だろう.

16s2020: 
Na の原子スペクトル中の二重線をパウリの排他原理で説明できるのですか. M: パウリの排他原理 (仮説6) は, スペクトルについて直接的な言及をするものではないことは, 自明だと思うが? // 16s2012 参照

16s2022: 
ナトリウム原子スペクトルの二重線はスピン量子数, $ \DS +\frac{1}{2}$, $ \DS -\frac{1}{2}$ が作用した結果, 二重線になったのか. M: 講義でその様に説明したのに, 伝わっていなくて残念. // 16s2012 も参照

16s2023: 
ある粒子について, 古典的と量子力学的, 両方を用いて軌道と運動量を求めることはできないのですか. M: 別に, 禁止されていないのだから, 自分でよく考えてみればいいのでは? // 古典的に軌道を求めることと, 量子力学的に軌道を求めることは, それぞれ何をどうするのか??

16s2024*: 
原子核は陽子と中性子から成っていますが, 原子核がスピン量子数をもつとき陽子と中性子自身はスピン量子数を持たないと考えるのですか. M: いいえ. 構成粒子がスピンをもつならば, それらから成る複合粒子のスピンは, 各スピンの合成されたものとなるハズです. 教科書 8.8 節や参考書も読めばいいのでは? (例えば質量については, 全質量は構成粒子の質量の和になり, 構成粒子の質量がゼロになるわけではない, 当たり前.)

16s2026: 
ヘリウム原子においてスレーター行列式が空間部分とスピン部分の積の形になるから特別で $ \DS \psi(r_1, r_2) = \phi(r_1) \phi(r_2)$ をヘリウム原子の波動関数として扱うことができる, とあるが, 3 電子以上の原子ではこのような分解が行えないのはなぜか. M: 積の形に分解できるかどうか, 自分で計算してみればいいのでは?

16s2027+: 
スピン量子数が受け入れられたのは何があったからですか? M: 朝永振一郎の ``スピンはめぐる'' を読んでみてはいかがか? :-)

16s2028: 
24He 核も粒子と呼べるのですか? M: 本気か? // 教科書例題1.6 参照

16s2029: 
反対称波動関数をかくとき 2 電子より多い場合を考えにはどうするのか? M: 別に, 普通に考えればいいでしょ? // 仮説6 の記述を熟読すればいいのでは??

16s2031: 
古典的概念では, スピンについて考えられていませんが, 量子力学の概念との違いというのは, 生じてくるのですか? M: 意味不明. 何を聞きたいのか? // ``スピンに対応する古典的概念は無い'' との説明のどこが理解できないのか?

16s2032+: 
同種粒子の区別について, 量子力学的粒子はわからないとありましたが, 不確定性原理によると厳密にはわからなくてもおよその位置は分かるのではないか? M: 誤解している予感. // 分かっていることは, 左右の線源からそれぞれ 1 個づつ粒子が発射されたことと, 左右の検出器にそれぞれ 1 個づつ粒子が入ったことだけ. ここで左の検出器に入った粒子は, 左右の線源のどちらから出たものか? これがわからない.

16s2033: 
ボース粒子として 24He 核があったが, 他の原子核ではどうなるのだろうか. M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // フェルミ粒子とボース粒子のスピンの違いを紹介した.

16s2035: 
反対称の波動関数は大きく変わるか? M: 意味不明. 何をしたら変わるという話か?

16s2036: 
波動関数 $ \DS \psi_2$ を基底状態の波動関数として扱いましたが, $ \DS \psi_1$ が基底状態の波動関数としてなぜ採用されなかったのですか. M: 16s2001 参照

16s2037: 
ボース粒子において光子は波長が変わるだけでさまざまな変化がおこるということですか. M: 意味不明. 著しく勘違いをしている予感. しかし, 何をどう勘違いすればこうなるのか, 全く見当がつかない.

16s2038: 
$ \DS m_S$$ x$, $ y$, $ z$ では表せない 4 つめの自由度により与えられたものだが, なぜ $ z$ 成分のみ固有値があるのか. $ z$ 成分も $ x$$ y$ と同じように確率でしか表せない, とならないのはなぜか. M: 通常の角運動量も $ \DS \hat{L}^2$ $ \DS \hat{L}_z$ の組みが可換であって, このとき $ \DS \hat{L}_x$ $ \DS \hat{L}_y$ は平均値しか得られないが? // 16s2006 も参照

16s2039: 
ヘリウム原子の基底状態は $ \DS \Psi_2$ だけで記述されているが, $ \DS \Psi_1$ はヘリウム原子の状態に関与しないのか. M: 16s2001 参照

16s2040*: 
半奇数のスピンと整数のスピンは動きや反応としてどのような違いがありますか. M: スピンの集団を考えたときの統計的な振る舞いが異なる. フェルミ粒子の従う統計をフェルミ-ディラック統計, ボース粒子の従う統計をボース-アインシュタイン統計という. フェルミ粒子はパウリの排他原理によって複数の粒子が同じ状態をとることができない. これに対してボース粒子では, そのようなことが可能であり, これをボース‐アインシュタイン凝縮と呼ぶ. そのため超伝導や超流動といった現象が見られる.

16s2041: 
ハートリー・フォックエネルギーは厳密なものの約 99 % に達していてその差は 110 kJ mol$ ^{-1}$ であると教科書にありますが, この差は何によって生じているのですか. M: 個別には指摘しないが, 20170711 のコメント参照. // 今日の講義でも説明したのに, 伝わっていなくて残念

16s2042: 
どうやって $ \psi(1,2) = c \psi(2,1)$ などの $ c$ がわかるのですか? M: 教科書の説明の, どこが分からないのか? // 波動関数の定数倍にはどんな意味があるか?

16s2043: 
$ \psi(1,2) = c \psi(2,1) = c^2 \psi(1,2)$ とあるが, 必ずしもどの波動関数でも定数倍のものは同じ定数になる必要があるのか. $ c$ でなければ, $ \pm 1$ でなくなることあるのではないか. M: 数式の形を暗記するのではなく, 意味を理解する・考える. // $ c$ は, 粒子の交換に対しての波動関数の変化分を意味している. 1 と 2 の交換は, 2 と 1 の交換と同じことなので, 定数倍の $ c$ は同じものになるはず.

16s2044: 
He 原子を扱ったとき, 波動関数のスピン部分を無視できたのはなせか. M: 16s2004 参照

16s2045: 
ヘリウムについて考えるときはパウリの排他原理を考慮していなかったと思うのですが, パウリの排他原理を考慮することはできないのですか. M: できるかどうか, 自分でやってみれば分かるのでは? // パウリの排他原理に従う場合と従わない場合の, どちらが正しい取り扱いか?

16s2046: 
波動関数 $ \DS \psi_1$ $ \DS \psi_2$ はいずれもヘリウム原子の基底状態の波動関数として妥当なものにみえるが, $ \DS \psi_2$ を採用しなければならないのは なぜか. M: 16s2001 参照

16s2048: 
p.311 の仮説6 で, 実験事実とあったが, 実験事実とは, どれくらい実験をやれば実験事実として成り立つのか. M: 科学に必要なのは, 再現性と検証可能性. ただいたずらに回数だけ重ねても無意味.

16s2050: 
フェルミ粒子とボース粒子の分類に規則性のようなものは存在しますか. M: 何を分類の規則性と呼ぶのか? // スピンについては説明したが? 16s2040 も参照

16s2051: 
今までは波動関数の符号は意味はないと思っていましたが, 粒子の交換に対してはその粒子がなにか絞るのに有効だと思いましたが他に符号が変化する現象は他にありますか. M: 微妙に勘違いの予感. // 波動関数の符号は, 固有値にも粒子の存在確率にも, 相変わらず関係ない. また, 波動関数の符号を, 直接検出する手段もない.

15s3004: 
不斉磁場でなく磁力線が N→S に垂直に, どこでも同じく磁力線を同本数粒子が受ける磁場で Ag を飛ばしても 2 カ所にわかれると思ったが, 不斉磁場と同じキョリだけ離れて同様のわかれ方をするのか, しないのかがわかりません. M: そうですか. 質問になっていません. // 物理学の基礎を復習する必要があるのでは? 進行方向に垂直に力を受けなければ, 進路は曲がらない. 静磁場中ではポテンシャルの勾配がゼロなので, 力を受けない.

15s3005: 
量子力学と古典力学の違いはなんですか. M: えぇ〜っ, 二巡目のこのタイミングでこれですか? 教科書や自分のレベルにあった参考書をよく読んで, 自分のペースで理解を深めた方がいいのでは?

15s3007: 
クープマンスの近似では, $ \DS \varepsilon_i$ がオービタル $ i$ を占める電子のイオン化エネルギーになるとありましたが, ハートリー・フォック近似下では $ \varepsilon = -$IE ですよね. 逆に $ \varepsilon =$   IE の場合は, 何を表すことができるのか? M: 何が言いたいのか, わからない. // $ \varepsilon$ や IE は, 正か負か?

15s3008: 
2 電子系において空間部分とスピン部分へ分解できるとあるが, 反対称性等を考えると本当にそのように考えてよいのか. M: たかだか 2 電子系という簡単な系なので, 自分で計算してみればいいのでは? そうすれば分かるのでは?

15s3014: 
$ \DS m_S$ の個数が $ 2 S + 1$ であるというのはどこで与えられましたか. M: 普通の角運動量 ($ L$, $ \DS m_L$) について, どうしてそういう関係になったか, 教科書や参考書をよく読んで復習する必要がある?

15s3025: 
スピン量子数 $ \DS m_S$ の考えが取り入れられる前は, Na に関わらずシュレーディンガー方程式を解くことで, 何重線をもつかどうかまで分かったのですか? M: 講義で説明した内容が, 全く分かっていないようで, 残念. // (スピン量子数を考慮していない) シュレーディンガー方程式では Na の D 線における二重線を説明できなかったと言ったのだが.

15s3048: 
なぜ $ \DS \hat{S}$ と はエルミートでなければならないのか. M: 教科書 4 章や参考書をよく読んで, 量子力学の基本原理を復習する必要があるのでは?

14s3030: 
なぜ二つの電子の交換に対して反対称になるのでしょうか. 反対称になるから $ \DS m_S = \pm\frac{1}{2}$$ \pm$ が含まれているのでしょうか. M: 電子はフェルミ粒子だから. // 波動関数が粒子の交換に対して反対称であることと, 電子スピン量子数 $ \DS m_S$ $ \DS \pm\frac{1}{2}$ の値をとることとは無関係. 角運動量量子数 $ S$ について, それによる磁気モーメントの $ z$ 成分の最大値が $ \DS m_S \hbar = S \hbar$ で最小値が $ \DS m_S \hbar = -S \hbar$ なのは自明では?



rmiya, 2017-07-18