構造物理化学II (20170711) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
コンピューターではどのようにつじつまの合う場の方法の計算をしているのか. M: 別に. 道具が変わっても, 算法 (アルゴリズム) は同じでしょ.

16s2002: 
つじつまが合う場の方向[原文ママ] $ \DS \phi(r_2)$ を仮定するが, $ \DS \phi(r_2)$ の値は任意のもので良いのですか. M: 関数を仮定したら, その関数の $ \DS r_2$ の位置における値は, 任意ということにはならないはずだが?

16s2003: 
SCF で, $ \DS \phi({\mathbf r}_2) = \phi'({\mathbf r}_1)$[原文ママ] でなかった時, $ \DS \phi'({\mathbf r}_1)$ $ \DS \phi({\mathbf r}_2)$ と置き解えて[原文ママ]再度解きますが, その場合は $ \DS \phi({\mathbf r}_2)$ が得られるのですか. M: 何がどうなっていくのか, ちゃんと理解していない予感. 教科書や参考書をよくよく読んで, じっくりと考えてみれば分かるのでは?

16s2004: 
HF 極限は真値と比べて 1.4 % error で良い近似といえるのに, 単位を $ \DS E_$h から kJ/mol に変えると誤差が大きく, 理論値としては使えないとありました. 及う[原文ママ]単位によって近似の良し悪しが変化するのはなぜですか. M: 勘違いしているから. // 単位を変換しても物理量は変わらない. mm で測っても 寸 で測っても, あなたの身長は同じ.

16s2005: 
原子番号の大きい選択律の破れた原子を数式を用いて分析するにはどうすればよいか. M: 別に. 普通にすればいいのでは? // 元素ごとに異なる理論を作り, 使用するわけではない. そんな普遍性に欠けるものは良い科学の理論じゃない.

16s2006: 
つじつまの合う場の方法で, $ \DS \phi({\mathbf r}_2)$ の形を仮定する上で, 何を考慮して $ \DS \phi({\mathbf r}_2)$ を仮定すればよいか. M: 対象とする系の性質・特徴について, よく考える.

16s2007: 
ハートリー・フォック方程式でつじつまが合うように $ \phi$ を求めて得られた近似は, この方法でそれ以上に良い近似は求められないのですか. M: 教科書 p.305 の ``HF 極限'' についての記述, p.307 の He についての結果, などに注目して考え, また参考書も読めばいいのでは?

16s2008: 
SCF により, つじつまの合う $ \phi$ を求める際, 始めに仮定した $ \phi$ がちがう時, 求めた $ \phi$ にちがいはあるのか. また, ちがいがある際, より, 正確な, $ \phi$ を求めるには, どのような $ \phi$ を考えればいいというものはあるのか. M: SCF について理解していない様子. // 仮定された $ \phi$ が異なれば, それは異なる $ \DS V_1^$eff を持つ HF 方程式であるということ. 解となる $ \phi'$ はどうなる? // SCF 法では, 新しく $ \phi'$ が得られたら, その後はどうするのだったか?

16s2009: 
教科書の「8.4 電子は固有のスピン角運動量をもつ」のところで, ナトリウムの原子スペクトルの非常に近い波長をもつ二重線が 589.59 nm と 588.99 nm に観測されるとあるが, 同一軌道上の電子に微小なエネルギー差をもたらしているのは何か. M: 教科書の少し先 ((8.55) 式を参照) に書いてありませんか? 参考書も読めばいいのでは?

16s2010: 
2 電子よりも多い系のとき, 電子同士のポテンシャルエネルギーの項が増えるから, 相関エネルギーは 2 電子系よりもずれが生じるのですか. M: 私は知りません. 調べてわかったら, 教えてくださいネ. // 電子が多いほど, 相関エネルギーを正しく見積もるのは難しいだろうなとは思う. 相関エネルギーが大きいかどうかは知らない.

16s2011: 
なぜハートリー・フォック エネルギーと厳密なものの差が 110 kJmol$ ^{-1}$ あるというのが化学結合 1 本の強さと同程度と考えると容認できないのですか. M: 化学反応の反応熱, 化合物の生成熱の由来を考えてみれば自明では? // 講義でその説明もしたのだが, 伝わっていなくて残念.

16s2012: 
つじつまの合う場の方法によるエネルギーと厳密なエネルギーを用いることによって相関エネルギーを求めることができるが相関エネルギーを求めることによって何が分かるのか? M: 状況を理解していない予感. // 教科書で He を例とした話は, 教育上の理由で用いられている. 現実には, 任意の原子・分子について, 厳密なエネルギーは知られていないし, 従って相関エネルギーの正確な値もわからない.

16s2013+: 
自然現象が数学的な数値計算で書き表されるのはなぜですか. M: 精密な科学が, 定量性を追求するのは, 当たり前のことでは? 定量性なしで, 科学がどうやって人類に貢献するというのか?

16s2015: 
つじつまの合う場の方法のところで, 仮定する $ \phi$ によっては解が得られない場合があるとのことですが, その場合, 仮定した $ \phi$ には主にどのような問題点があるのですか. M: その系の最善の 1 電子波動関数 (1 電子オービタル) とはかけ離れすぎていると推察されます.

16s2016+: 
SCF を用いてハートリー・フォック オービタルを求めるときどうしてスレーターオービタルの一次結合を用いるのでしょうか. M: 別に, 好きな試行関数を用いればいいのでは? 教科書の文脈を読む国語力不足か? // これまでの知識の蓄積 (水素類似原子の 1 電子オービタル, スレーターオービタル, リッツの変分法, オービタルの概念の維持, etc.) から, 素直に自然に到達すると思うのだが?

16s2017: 
実験値と厳密な結果との差異で, 誤差が何 % か出していますが, 実験値は, 技術の進歩などで, 値が変わったりしないのでしょうか. また, 実験値は, どの程度, 信頼できるのでしょうか. M: そりゃ変わるでしょうね. 測定精度とか実験誤差とか, 基本的な事項についてちゃんと理解しているのか?

16s2018: 
ハートリー・フォック極限が得られたが, このハートリー・フォック極限の値を使って方程式を解いても更に良い結果は得られないのですか. M: 16s2007 参照

16s2020: 
ハートリー・フォック方程式では化学において容認できるような近似の値は求められないのですか. M: クープマンスの定理と言ってみるテスト // あなたは何をやりたいのか? あなたに必要な精度は?

16s2022: 
相関エネルギーはどのようにして求めるのか. 数値をどのように計算しているのか. M: 配置間相互作用の考慮 (CI 法) や多体摂動論 (MPn 法, n=2 or 4 が一般的) が一般的に用いられている. // 16s2012 参照

16s2023: 
どうやったら相関エネルギーは小さくなりますか. M: 電子相関が小さい系が, なぜ小さいのか, 上級の参考書を読んで勉強すれば分かるのでは?

16s2024: 
実験においても誤差が発生する可能性がないとは言いきれないと思うのですが, 実験値を厳密とするのはどうでしょうか. M: どうって, 何が? // ``実験誤差'' について, 勉強すればいいのでは?

16s2026+: 
ヘリウムの相関エネルギーに対してハートリー・フォック エネルギーは 110 kJ/mol もの差があって, 容認できないとされているのに広く用いられているのは式が簡単で解釈も容易であるという以外に何か理由はあるか. M: 相関エネルギーの計算について, 教科書や参考書で調べてみれば予想できるのでは? // 科学の発展という視点に欠けているのか? 研究における予備実験や近似計算という概念は?

16s2027: 
$ \DS \phi({\mathbf r}_2)$ を仮定する際に良い $ \DS \phi({\mathbf r}_2)$ にするためには どうすればいいんですか? M: 16s2008 参照

16s2028: 
最近, いい質問がほぼ無いようですが なぜだと思いますか? M: 個人の勝手な予想を聞く意味があるのか? それよりも, 自分でいい質問をすれば良いのでは? // 良い質問をするための努力をしていないのでは?

16s2029: 
ハートリー・フォック エネルギーの誤差が化学結合 1 本分と同程度となってしまう原因は. M: 誤差があるのは相関エネルギーのせいだが, その大きさが記載の程度である理由までは知らない. 調べたり, 考えたりして分かったら, 教えてくださいネ :-p

16s2030: 
ハートリー・フォック法はオービタル近似で得られる最良のものとあるが, どうして最良だといえるのか. M: 重要な前提を忘れているから, こんな質問をするのでは? // 16s2007 参照

16s2031: 
電子数が増えたとき, ポテンシャルエネルギーを考えると, 全ての電子とのポテンシャルエネルギーを考えなければならないのですか? 電子数が増えるとある程度の近似は可能ですか? M: やりたければ, やればいいのでは? // なぜ, 特定の電子間のポテンシャルエネルギーを省略する近似が成立する (良い近似といえる) のか?

16s2032: 
スレーターオービタルの導出はどのように行えばよいのですか? M: 定義・規則に従って考えればいいだけでは? // 無機化学の教科書も参照

16s2033: 
ハートリー・フォック方程式を解いて得られるエネルギーと正確なエネルギーの差をどうしたらもっと縮めることができるか. M: 16s2007 参照

16s2035: 
相関エネルギーを定義しないとどうなるのか. M: 別に. // ハートリー・フォック方程式を解いて得られる 1 電子エネルギーは, 原理的に, 厳密なエネルギーとの間に差がある. それを相関エネルギーと定義してもしなくても, 差があることには変わりない. 単に別な名称で呼ばれるだけでしょう.

16s2036: 
実効的なポテンシャルとありましたが どのように実効的なのですか. M: ``実効的 (effective)'' の意味が分からないのなら, 辞書を見ればいいのでは?

16s2037: 
ここで, 原子核と電子の間の力を考りょしていませんが, これを含めれば近似はよりよくなりますか. M: 一般に, 考慮していなかった効果を考慮すれば, 近似の程度がどうなるかは自明. // 今回については, ハミルトニアンを見直すことをお勧めします.

16s2038: 
$ \DS$   CE$ = E_$exact$ - E_$HF として出したため, $ \DS E_$exact$ =$   CE$ + E_$HF と求められると考える. そのとき CE のみを上の式以外で求めることができれば良いが, 電子間の相関を式に考慮するにはどうすればよいのか. 斥力以外にどんなものが考えられるか. M: 16s2022 参照 // 電子間の (クーロンポテンシャルによる) 斥力は, すでに考慮済み. 物理的に同一空間を複数の粒子が占めることはできないとか, 電子のスピンによる効果 (同種スピンは空間的にしりぞけあうとか) とかが考えられます. 上級の参考書を参照してください。

16s2039: 
$ \DS E_$HF がオービタル近似で得られる最良のものであるのに, $ \DS E_$exact との差が容認できない. とあるのはなぜなのか? M: 教科書 pp.307, 317 に理由も書いてあるのだが, それを読んでなお, 何が分からないのか?

16s2040: 
相関エネルギーは数学における任意定数のように正確なエネルギーとの差を埋めるものという認識でいいでしょうか. M: 自分で判断できないのはナゼか? // 任意定数とは何か?

16s2041: 
ハートリー・フォック方程式を解く方法はつじつまの合う場の方法以外ないのですか. M: 私は知りません. 調べて分かったら, 教えてくださいネ. :-p

16s2042: 
2 つの電子の相互作用は厳密に式で表せないのか? M: 本気か? 物理学の基礎を復習する必要がある?

16s2043: 
なぜ $ \DS \psi(r_1,r_2) = \phi(r_1)\phi(r_2)$ とすると 2 つの電子は互いに独立であるかある種の相互作用でしかないといえるのか. M: 1 電子波動関数 (1 電子オービタル) の積で表されるということの意味をよく考えればいいのでは? // 1 番の電子の状態を表す波動関数は, 2 番の電子の振る舞いに影響されるか? // 両辺を二乗すれば, 全事象の確率は独立事象の確率の積

16s2044: 
なぜ SCF では解 ($ \phi$ $ \varepsilon$) が得られる場合とそうでない場合があるのか. M: はぁ? どんな方程式でも, 解が得られる場合と得られない場合の二択でしょ?

16s2045: 
HF 方程式において つじつまの合う場の方法で求めていきますが, 変分法と同じようにくりかえし計算していくことでよりよい近似値が得られるということですか. M: 自分で判断できないのはナゼか? // 著しく誤解している予感. // 変分法でのくりかえし計算とは? SCF のくりかえし計算で近似値が改善されるとは??

16s2046: 
p.307 につまり電子間に相関がないとあるが それはどういうことか? M: 言葉の意味が分からないなら辞書を見ればいいのでは?

16s2048: 
p.309 の $ \DS \hat{S}$ と がエルミートでなければならないのは何故か. M: 教科書 4 章の仮説2' の周辺をよく読めばいいのでは?

16s2049: 
相関エネルギーは真の基底状態のエネルギーから HF によって得られる基底状態エネルギーを差し引いたものであることは分かったが, そもそもなぜ相関エネルギーは存在するのか? 電子間の位置の相関は平均化することだけでは説明できないということか? M: HF 方程式を導いた, そもそもの前提・仮定をすっかり忘れているのでは?

16s2050: 
ハートリー・フォック方程式によって求められる基底状態のエネルギーは求める原子によって誤差に違いがでますか. M: 全ての原子について誤差が同じであるとする理由があるのか? ありえるのか?

16s2051: 
相関エネルギーが 1 kJ/mol ずれていたら色などに違いがでるといっていましたが, どのぐらいの厳密さがもとめられますか. M: あなたは何をやりたいのか? 議論に必要な精度は??

15s3005: 
シュレーディンガー方程式で作用させる関数が一価連続有限でなければどうなるのか. M: 自分でやってみれば分かるのでは?

15s3007: 
試行関数を 1 電子だけに限らなければ, ほとんど厳密なエネルギー値を求めることができるとあるが, 逆に厳密なエネルギー値にならないような状態はあるだろうか? また, それはどのような状態だろうか? M: 正気か? ここまで学んできたことを全く理解していないようで, ガッカリ. 厳密なエネルギー値を与えるのは, 試行関数が真の波動関数に一致した場合に限るというのが変分原理. それ以外のありとあらゆる波動関数は, 厳密なエネルギー値を与えず, したがって真の基底状態ではない状態を表している.

15s3008: 
リチウム原子のように 3 つ以上の電子を持つ場合, パウリの排他原理を考慮しないと仮定した, ヘリウム原子のときとは全く違う形で相関エネルギーを得なければならないのか. M: 系ごとに異なった求め方をしなければならないなんて, 科学じゃない. 基本的にはどんな系であっても同じ HF 法を適用する. He 原子の場合には, 空間部分とスピン部分の分離が可能なので, スピンを考慮しない即ちパウリの排他原理を考慮しないと仮定した結果と同じになる.

15s3014: 
厳密な結果に近い結果を出すのはかなり難しいようだが現在ではどれ程よい結果を導けているのか (He とか). M: 教科書にはいくつも結果が載っているのだが? (表8.3, 図8.1, etc.)

15s3025: 
なぜパウリの排他原理を無視した仮定が成り立つのですか. M: 15s3008 のコメント参照

15s3048: 
リチウム原子のハートリー・フォック方程式は $ \DS \psi(r_1, r_2, r_3) = \phi_{1s}(r_1) \phi_{1s}(r_2) \phi_{1s}(r_3)$ で, この式は 1s オービタルに 3 個の電子をつめることにあるとあるが, このことを改善するにはどのような式を解けばよいのか. M: 激しく誤解している予感. 質問に記載の式は HF 方程式ではない. // スレーター行列式

14s3030: 
p.306 に「オービタルの概念は化学者にとって非常に有効なので」とありますが, これはハートリー・フォックはエネルギーを得られるだけではなく, 計算途中で出てきた値も物理的なある値として理解できると言うことですか. 他の意味もありますか. M: HF 方程式を解いて得られるものが何なのか, 全然理解していないようで, 残念.



rmiya, 2017-07-26