構造物理化学II (20170523) M: 以下は宮本のコメント
16s2002: 
$ \DS E_n = -\frac{e^2}{8 \pi \varepsilon_0 a_0 n^2}$ は主量子数 $ n$ に依存するが, $ n$ が大きくなるとエネルギーが大きくなるから, 軌道も大きくなるのですか. M: 軌道の大きさをどう評価するか? 自分で計算してみれば分かるのでは?

16s2003: 
オービタルの確率密度プロットで, 水素原子は電子をそんなに持っていないのに $ 3d$ 軌道とかも必要なのですか. M: 水素原子が持っている電子の数とは関係ない. // ``そんなに'' どころか, 1 個しか持っていない.

16s2004: 
動径関数 $ \DS R_{nl}(r)$ は, $ n$$ l$ が条件を満たすどんな値をとっても $ r$$ \infty$ で 0 に収束するのですか. M: 自分で考えて分からないのはナゼか? // 受け入れられる波動関数の条件は?

16s2006: 
なぜ動径関数の確率密度の節の数が $ n-l-1$ に等しくなるのか. M: 関数を見れば自明では?

16s2007: 
講義で, (6.47) 式に $ Z$ を含んだ式が出てきましたが, $ Z$ を含む理由は何ですか. M: 今更? 教科書とは異なり, 講義では ``水素類似原子'' に拡張して説明してきたのだが? 参考書もよく読めばいいのでは?

16s2008: 
$ n=1$, $ l=0$, $ m=0$ のとき, 原子は, 水素とヘリウムしか存在しないが, 式を見ると $ Z$ (核の原子番号) と書かれており, この自由な値 $ Z$ とは, どういう意味か. // 表6.6 の $ \DS \sigma = \frac{Z r}{a_0}$ は, 何について表している変数なのか. M: 本気か? $ Z$ の意味について, 自分でも書いているのに? // 書かれている通りだが? 個々の文字の意味も既知でしょ?

16s2009: 
ゼーマン効果によって, 縮退した軌道のエネルギー準位が分裂するということは, 磁場中でホウ素の $ \DS 2p_{-1}$ 軌道から電子を 1 つ取り除く場合と, 磁場なしで電子を取り除く場合で, 第 1 イオン化エネルギーは異なるということか. M: 自分で考えて分からないのはナゼか?

16s2010: 
教科書 p.224 の表6.5 で $ \DS \sigma = \frac{Z r}{a_0}$ としたのは, ただ簡略化しているだけで, この $ \sigma$ 自体に物理的な意味はないのでしょうか. M: え? $ Z$$ a_0$$ r$ も, 物理的な意味があるでしょ?

16s2011: 
水素原子の完全な波動関数について, 完全ではない波動関数との違いは何かあるのでしょうか. なぜ完全なという言葉を使っているのでしょうか. M: ``完全ではない波動関数'' とは, 具体的にどのようなものか? // 国語力不足か? この章の論理構成を理解していない?

16s2012: 
なぜ動径関数の $ r=0$ の点は節とは考えないのですか? M: 箱の中の粒子についても, 端は節と考えなかった.

16s2013: 
水素原子のシュレーディンガー方程式のエネルギーの表し方の 1 つにボーア半径 $ \DS a_0$ を用いて変形しているものがありましたが, 換算質量で考えているので, ボーア半径の値も, $ \DS a_0 = \frac{4 \pi \varepsilon_0 \hbar^2}{\mu e^2}$ [原文ママ] になります. これは量子条件から導出されたので $ \DS 2 \pi r = \frac{n h}{\mu v} = \frac{n h}{m_\text{p} v} + \frac{n h}{m-\text{e} v}$ となるが, 陽子についての量子条件 $ \DS \frac{n h}{m_\text{p} v}$ にはどんな意味があるのか. M: あっ, 換算質量を用いているので, ボーア半径は間違いですね. // 水素原子のシュレーディンガー方程式には, 示されているような量子条件とやらは無い. (そういうものを外部から与えなくても, 量子数 $ n$ が自然に出てくる, という説明が理解されていなくて残念.)

16s2015: 
表6.5 には $ \pi$ が式に含まれていますが, 黒板に書かれた式には $ \pi$ が含まれていませんでしたが これは同じ意味を持つ式ですか. M: 勘違いでは? 板書には $ \theta$, $ \phi$ も含まれていなかったはずですが?

16s2016+: 
図6.7 の実関数表現の角度部分のプロットをみると $ \DS d_{z^2}$ だけかたちが違うのにエネルギーが他と同じになるのが不思議なのですが どうなのでしょうか. M: ``形が違う'' という見立てが勘違いでは? // 例えば, $ \DS d_{z^2} - d_{x^2-y^2} \propto d_{z^2-x^2}$ になります.

16s2017: 
教科書の $ p$ オービタルの接球面図はよく見かけますが, 講義中の話でも, 教科書でも p オービタルの形を忠実に表現しているわけではないとありました. しかし, 実際に私たちの世界は 3 次元で表現できると思うのですが, 3 時限で接球面図を単に厳密に書くことはできないのでしょうか. M: 講義での話を全く理解していないようで, 残念. // 描けるかどうか, 挑戦してみれば分かるのでは?

16s2018: 
動径方程式を解く過程で整数 $ n$ が自然に出てきた, とありますが, 外から与えられる条件ではない値を組み込んでもいいのでしょうか. M: 外からのものを組み込むのではないのだが? 内在している物を排除できないと思うのですが?

16s2019: 
複素平面と実数平面が混在するのは何故か. M: 意味不明. 実数平面とは何か?

16s2020: 
ラゲールの陪多項式の一般的な性質とは何ですか. M: ルジャンドル陪関数にならって, 自分で考えてみればいいのでは?

16s2022: 
式 (6.50) の $ \theta$ の積分範囲が 0 から $ \pi$ となっているのはなぜか. M: 20170509 の 16s2015 参照

16s2023: 
$ \DS E_n$$ n$ は自然に出てきたがボーアの量子条件から生まれた $ n$ は偶然か? M: 意味不明. // ボーアの量子条件を復習する必要があるのでは?

16s2024: 
電子の存在確率が 0 であることは電気的にどのような影響がありますか. M: 電子が存在しなければ, その位置の電荷はゼロですね.

16s2025+: 
原子オービタルのは無機化学, 有機化学では前提条件のように使っていましたが, 構造物理化学ではこの成り立ちについて学びました. これは, 無機化学や有機化学よりも先に構造物理化学の考えが生まれたということでしょうか. M: 学問は, 初めから現在あるような姿で存在したのではない. 科学史・化学史を勉強すればわかるのでは?

16s2026: 
磁場中の水素原子のエネルギーが $ m$ に依存しているから量子数 $ m$ を磁気量子数と呼ぶとある. しかし, 磁場がないときは各エネルギー準位は $ 2l+1$ の縮重度をもっている, とある. その状態はどんな状態か. M: 教科書 4 章の仮説 1 や参考書をよく読めばわかるのでは?

16s2027: 
動径関数 $ \DS R_{nl}$$ r$ 軸との交点が多いほど節面の数も多くなるということですか? M: 自分で判断できないのはナゼか? // 節面とは何か?

16s2028: 
陪関数の ``陪'' はどういう意味か. M: 20170509 の 16s2019 とその前後参照

16s2029: 
なぜ磁場が存在するとき各エネルギーの準位は分裂するのか? M: 磁場との相互作用. // 20170516 の 16s2044 参照

16s2030: 
ラゲールの陪多項式の一般形で, $ \DS L_\alpha^\beta(x) \equiv \frac{\d^\beta}{\d x^\beta} L_\alpha(x)$ と書いていますが, イコールではなく合同とはどういうことですか? M: 合同ではなく, 定義. 別に等号でもいいけど.

16s2031: 
図6.5 において, 水素原子オービタルの確率密度を表していますが, 水素は 1s 以外に電子が入らないと思うのですが, 2s 以降の軌道にも存在するのはどうしてですか? M: 本気か? 箱の中の粒子や調和振動子でも, 多数の状態が存在している. 水素原子のボーアモデルでも同様.

16s2032: 
表6.5 の説明 (p.224) で, 「水素型原子」という表現がありますが, 水素原子以外に水素のようなふるまいをする原子があるということですか? また, それは何ですか? M: 16s2007 参照

16s2033: 
磁場中の原子のエネルギーが $ m$ に依存していることから $ m$ を磁気量子数ということだと思うが, 実際に磁場が存在するときはどのような影響が考えられるだろうか. M: 16s2029 参照

16s2035: 
$ \DS E_n$ について $ \DS E_n = \frac{-\mu Z^2 e^4}{8 \varepsilon_0^2 h^2 n^2}$ と記していたが, これが前回の講義で記述した, $ \DS E_n = \frac{-m_\text{e} Z^2 e^4}{8 \varepsilon_0^2 h^2 n^2}$ と異なるのは, どうしてか? M: なぜ, その場で指摘していただけなかったのでしょうか? // 16s2013 も参照

16s2036: 
関数の前にある階乗は, $ r$ での積分に関して $ \DS R_{nl}(r)$ が規格化されることを保証する因子とありましたが, どうして保証されるのですか. M: 本気か? そういう因子のことを何と呼ぶか?

16s2037: 
図6.6 で, 等高線が 100 % ではなく 90 % までで示しているのはなぜですか? M: 本気か? 100 % の線は, どこに描かれるか, 計算してみればいいのでは?

16s2038: 
ボーアモデルで $ \DS E_n$$ n=1$ のとき基底状態エネルギーとしたが, 今回も主量子数が 1 の時は基底状態なのか. // 図6.3 のグラフは $ x$, $ y$, $ z$ の座標でいう $ z$ 軸上の確率密度のみを表しているのか. M: ``基底状態'' とは, どのような状態か? // 図の軸は, それぞれ何を表しているか?

16s2039: 
なぜオービタル内で電子の存在確率密度に偏りが生じるのか. M: 本気か? 箱の中の粒子や調和振動子でも, 粒子の存在確率密度に偏りが生じているが?

16s2040: 
ラゲールの陪多項式を解いたあと どうやって図にプロットすれば良いですか. M: 別に, 関数を普通にプロットすればいいだけでしょ?

16s2041: 
ヘリウム原子のシュレーディンガー方程式 (6.65) 式を解くには近似方が必要で教科書には摂動論と変分法をあげていますが, 他にも方法はあるのですか. M: 近年発達した方法としては, 微分方程式の数値解法ですね.

16s2042: 
ラゲールの陪多項式は何を表しているのですか. M: ラゲールの陪多項式は, 数学上は, それ以上でもそれ以下でもない. ここではそれが動径関数の一部になっている. 当たり前のことでは?

16s2044: 
教科書 p.228 にボーア模型とは異なる結果であるとあるが, どのような点が違うのか. M: 教科書の当該箇所の記述をよく読んで, 何が分からないのか?

16s2045: 
水素原子オービタルは三つの量子数に依存するとありますが, スピン量子数は出てこないのですか? M: 20170418 の 15s3005 参照

16s2046: 
表6.5 $ n=1, 2, 3$ の場合の完全な水素型原子の波動関数とあるが完全であるとはどういうことか. M: 本気か? 言葉の意味が分からないなら, 辞書を見ればいいのでは?

16s2048: 
波動関数をきっちり図示するのは困難であるとあったが, 模範解答のようなものはなく, 個人によって図示される形は違っても良いということでしょうか. M: 誤解では? 波動関数はきっちりと決まっているので, 関数の値は確定していて, 容易に求められるのだが?

16s2049: 
動径関数と角度関数を考慮して水素原子オービタルの確率密度を図6.5 でプロットしてきたが, 他原子オービタルと何が違うのか? M: 他原子オービタル関数はどうなっているのか?

16s2050: 
$ d$ 軌道の電子オービタルについて, $ \DS d_{z^2}$ 以外の形は似ていますが, $ \DS d_{z^2}$ は形が少し違います. これにはどのような意味があるのですか. M: 16s2016 参照

16s2051: 
$ \DS \psi_{nlm}(r,\theta,\phi)$ を表現するのに図6.5 や図6.6 以外の方法はありますか? M: 教科書や多数の参考書を見れば分かるのでは?

16s2052: 
表6.5 の式は, 同じ量子数の違う原子にも応用できるのですか. M: その原子の波動関数はどうなるのか? 水素類似原子とか教科書 8 章とか......

15s3004: 
$ \DS \psi_{nlm}(r,\theta,\phi)$ $ \DS R_{nl}(r)$ が実関数だから こちらはプロットができるが, $ \DS Y_.^m(\theta,\phi)$ は複素関数のままだから, $ \phi$ の値をそれぞれ変えてプロットするのはきびしいのではないのでしょうか? M: 様々な方法が考えられると思うので, 工夫すればいいのでは?

15s3007+: 
p.225 で $ \delta$ はクロネッカーのデルタであると記述されていたが, (4.30) 式ではいきなり $ \DS \delta_{ij} = \left\{ \begin{array}{cl} 1 & (i=j)\\ 0 & (i \neq j)\end{array} \right.$ となっているため これを出した過程がわかりません. これはただ仮定しているだけですか? M: 本気で国語力不足を心配し, 対策をとる必要があるのでは? // 定義とか仮定とか導出とか, 基本的な用語を正しく使えないのも困りものだ.

15s3008: 
原子オービタルの $ 2l+1$ 通りと各エネルギー準位の縮重度 $ 2l+1$ の値の一致は偶然であるのか. M: 正気か? 話の論理を全く理解していないようで, 残念. 教科書や参考書をよく読んで, 正しく理解する必要があるのでは? // 必然

15s3014: 
p.227 の 図6.3 で $ s \rightarrow p \rightarrow d$ となるにつれ確率密度の山が少なくなっているのはなぜでしょう. M: 何の話か? 気のせいでは? // 自分で計算して, 全て規格化されている (みな同じく 1 という値である) ことを確認すればいいのでは?

15s3025*: 
原子オービタルにおいて, 実関数で表すか複素関数で表すか, 必要に応じてとおっしゃっていましたが, その必要とは どのような場合ですか. M: $ sp^3$, $ d^2sp3$ のような混成オービタルを考えて, それにより形成される結合の方向を考える時, 複素関数では実空間における方向と対応付けしにくい. // d-ブロック遷移金属イオンが結晶場中に存在しているとき, d-オービタルの 5 重縮重は解けている. これは縮重系における摂動の問題か. またこれにより軌道角運動量は消滅している. // 分子軌道法による計算は, 実関数を使った方が, 計算自体も結果の理解も容易だろう. // 他にも何かあるか, 調べて分かったら, 教えてくださいネ

15s3028: 
実在するものなのに複素数が絡むのが意味わかりません. なぜ 5 次元になるのですか. M: それが自然の本質だから. 個人の好悪の感情や, 期待とは無関係. // 一変数の関数 $ \DS f(x)=x^2-1$ を図示するのに, 何次元が必要か? 複素数を表すのに, (実数軸が) 何次元が必要か? (教科書 A 章や参考書もよく読めばいいのでは?)

15s3048: 
教科書 p.237 の「表6.6 にある関数は, 表6.5 にある複素関数の波動関数の一次結合となっている」とはどういうことか. M: 言葉通りの意味. 言葉の意味が分からないなら, 辞書を見ればいいのでは? 教科書の本文中の説明や参考書もよく読めば分かるのでは?

14s3030: 
ラゲール陪多項式の一般形は $ \DS L_\alpha^\beta(x) \equiv$   〜 このとき $ \beta = 0, 1, 2,...$ $ (\beta \leq \alpha)$ となるのに, $ \DS L_{n+l}^{2l+1}\!\left(\frac{2 Z r}{n a_0}\right)$ このとき $ n=1, 2, 3,...$, $ n-1 \geq l \geq 0$ つまり $ 2l+1 > 0$ となり $ \beta$$ 2l+1$ に違いが生じるのは どういうことでしょうか. M: 何がどう違うというのか? // $ \beta \leq \alpha$ $ \beta = 2 l + 1$, $ \alpha = n + l$ を代入すれば $ n-1 \geq l$ であり, 何も不都合はないが? または $ \beta$$ 2l+1$ を代入すれば, $ \beta$ の取り得る値の範囲を外れることはなく, 必ず $ \beta$ として許容される値になり, 何も不都合はないのだが, それが何か?



rmiya, 2017-05-26