構造物理化学I (20170203) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
調和振動子の波動関数が直交系であるというのは, どういうことか. M: 教科書 4 章や参考書をよく読んで, ``直交系'' の意味を再確認すればわかるのでは?

16s2002: 
量子力学において, 振動しているとは, $ \DS V(x) = \frac{[1}{2} k x^2$ で表せられることということだが, $ V(x) = 0$ であると, 振動していないととらえていいのですか? M: 誤解の予感. フックのポテンシャルにあるから, 古典力学との対応から振動していると呼ぶ. 逆ではないと思われる. // $ V(x) = 0$ であっても, 箱の中の粒子のように閉じ込められていて, かつ運動エネルギーがゼロでなければ, 粒子は箱の中を行き来していると考えられるが, これを振動とよぶか? (有限の深さの井戸の中に閉じ込められている系でも可. これらを ``束縛系'' と呼ぶこともある.)

16s2003*: 
エルミート多項式は一般項はつくれないのですか. M: 自分で調べてみればいいのでは? // エルミート多項式の, 漸化式とか一般式とか.

16s2004: 
$ v$ の値の変化は $ x$$ \infty$ のときに粒子が現れる確率に影響を与えますか. M: 粒子を見出す確率は, 波動関数の二乗に比例すると知れているのだから, 自分で計算してみれば分かるのでは? // 波動関数の要件として ``行儀よい'' というものもあったが?

16s2005*: 
$ \DS H_v(\xi)$ の最高次の項の係数は $ \DS 2^v$ となっているが, 他の係数についても何か法則性はあるか. M: 16s2003 参照

16s2006: 
調和振動子における粒子の存在確率は量子数が大きくなるにつれ一様分布に近づくのか. M: 波動関数は知れているのだから自分で計算してみたり, 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは? // 量子数が大きくなるにつれて, 古典力学的な振る舞いに近づくという性質がある.

16s2007: 
エルミート多項式で, $ \xi$ を使用する理由はありますか. M: 郷に入っては郷に従え.

16s2008: 
$ \DS \alpha = \frac{\mu \omega}{\hbar}$ で表され, $ \DS \omega = \sqrt{\frac{k}{m}}$ であり, ブラックホールの中心部は, $ m = \infty$, の小さな点である, と考えられていて, 量子力学が適用できると考えられる, が, $ \psi(x)$ の式は $ \alpha = 0$ になり, 式が, 成り立たなくなってしまう. これはどうすればいいか. M: そもそも調和振動子でない. さらに特異点では微分できないので, シュレーディンガー方程式が成り立たないし, シュレーディンガー方程式は非相対論的な方程式だ.

16s2009: 
波動関数がしみだしている部分の量子力学的調和振動子は, その全エネルギーがすべてポテンシャルエネルギーとして存在しうるということか. M: そういう古典力学的な描像は成り立たない. // 全エネルギーは $ \DS E_v = h \nu (v + \frac{1}{2}) = \hbar \omega (v + \frac{1}{2})$ である. //粒子がその位置にあると精度良く決定されれば, それだけ運動量の不確かさは増す.

16s2010: 
系の外に粒子が存在する可能性が少なくとも 0 でないのならば, 今までに発見されたことがあるのでしょうか. M: 言葉の使い方を正確に. 位置変数の取り得る値は $ -\infty \sim \infty$ なので, 系に外はない. このとき当然, 振幅 $ l$ も (形式的には) $ -\infty \sim \infty$ ということになる. // トンネル効果

16s2011: 
波動関数がしみ出しているところで低い確率でも粒子が見つかる可能性があることには どのような意味があるのでしょうか. M: 粒子が見つかる可能性がゼロではないという意味がある. // 16s2010 も参考に

16s2012: 
なぜ $ x$ の変位によって調和振動子の確率密度に差があるのか? M: それが自然の法則.

16s2013: 
調和振動子の固有値が縮重していることはあり得ますか? M: エネルギー固有値の一般式は教科書や参考書に与えられている. あとは自分で考えてみれば分かるのでは?

16s2014: 
波動関数がしみ出していることにより, かなり低い確率ではあるが, 調和振動子が存在しているとのことですが, そんな低い確率で存在しているものが, 身近にあるものに応用されている事例はあるのですか. M: 勘違いの予感. 調和振動子自体の存在確率が低いわけではない. 波動関数が何を意味しているのかを, よくよく考えること. 調和振動子の (ポテンシャルと) 波動関数の変数 $ x$ は, 平衡位置からの変位 を意味している. すなわち調和振動子の変位が波動関数のしみ出しの領域である確率が低いということ.

16s2015: 
振幅の外側では, 運動エネルギーとポテンシャルエネルギーはどうなっているのか. M: 16s2009, 16s2010 参照

16s2016: 
調和振動子の確率密度が量子数 $ v \neq 0$ のときに $ x \rightarrow \infty$ 以外で 0 となる場所があるのはおかしいと思うのですが なぜですか. M: なぜおかしいと思うのでしょうか? // 箱の中の粒子の問題でも, 粒子が存在しない節がありました.

16s2017: 
調和振動子モデルから, HCl は赤外線を吸収したり, N$ _2$ は吸収しないことが予想される ということは分かりましたが, それ以外の性質も分かったりしますか? M: 勘違いでは? 調和振動子モデルから, そんなことは予想されないだろう. // 教科書 13 章や参考書を注意深く読めば, 調和振動子モデルから言えることは, 選択則の $ v = \pm 1$ という話. 一方, 振動によって分子の双極子モーメントが変化する, すなわち $ \DS \left( \frac{\partial \mu}{\partial q} \right)_0 \neq 0$ となる必要があるということは, 調和振動子モデルに限った話ではない.

16s2018: 
調和振動子の確率密度というのは, あるエネルギー状態にある調和振動子の存在確率でしょうか. もしそうならば, 波動関数がしみ出している, というのは, 全ての空間に粒子が存在する確率はゼロにならないということでしょうか. M: 全然違う. 16s2014 参照

16s2020: 
まちがっている図が教科書や参考書につかわれているのはなぜですか. M: 誰にでも, 間違いや勘違いはありうる. 完璧な教科書などありえない.

16s2021: 
教科書に度々, 波動関数が縮退し, と書いてあるが どういう意味なのか. M: どんな場面で書いてあるか? 参考書もよく読んだか?

16s2022: 
エルミート多項式の例はどのようにして決まるのか. M: 16s2003 参照

16s2023: 
$ \alpha$ の符号の話で $ \DS \pm \sqrt{~~}$ がついても $ +$プラス を選択する言っていたのですがなぜ $ +$ を選択するのですか. M: $ -$ を選びたければ, 好きにすればいいのでは? (不都合が生じても, あなたの責任ですけど.) // どうして, 問題をムダに複雑にしようとするのかなぁ.

16s2024: 
波動関数がしみ出していることで, 量子力学的には, 粒子が振幅をこえて存在する可能性があるとのことでしたが, その可能性を調べる手段はありますか. M: 16s2010 参照

16s2025: 
粒子の運動の激しさと温度は大きく関係し, 温度が高いほど粒子の運動の激しさは増しますが, 零点エネルギーは $ T = 0$    (K) の状態を想定しているのか, その限りではないのか. M: ``温度'' とは, 分子の集団において各分子の持つ運動エネルギーの平均値と関連付けられる. 分子の集団が熱平衡状態にあれば, 分子は各状態にボルツマン分布していると考えられる. 一方, 孤立した一個の分子を考える場合, その分子は量子数 $ v$ で指定される状態の一つにあるというだけのこと.

16s2026: 
p.188 の中で 2 体問題を等価な 1 体問題に変換して考えているが, それは計算上楽だからなのか現象が似ているからなのか. M: 同じ形式の式で表現できるということは, 現象に類似性が認められるという意味では? // 変換後の方程式は解きやすく/計算しやすくなったか?

16s2027: 
エルミート多項式の物理的な意味は何ですか? M: 指数関数の物理的な意味は何ですか?

16s2028: 
調和振動子の確率密度の, $ v=2$ 以降のグラフの中央が端より下がっているのはなぜか. M: 確率密度を計算してみればわかるのでは? // 16s2014 も参照

16s2029: 
p.181 で二原子分子の力の定数は約 $ \DS 10^{2}$    N m$ ^{-1}$ とされているのに 表 5.1 を確認するとずれが大きいのはなぜか? M: え? $ \DS 10^{2}$    N m$ ^{-1}$ でしょ??

16s2030: 
p.183 にある数式のイコールの上にある ? は何を表しているんですか? M: 教科書本文の論理, ``解になっていることの証明'' をよく考えれば分かるのでは? // どういう式が成り立てば, 証明されたと言えるのか?

16s2031: 
波動関数がしみ出ているところでは, 運動エネルギーが小さくなるので, ある程度の位置を特定することができ, このような状態を作りだすことができれば, 原子を特定することは可能なのですか? M: 意味不明. ``原子を特定する'' とは, どういうことか?

16s2032: 
p.181 で, 力の定数を求める問題に amu という単位が出てくるが, これは何の単位なのか? また, なぜこの単位を使っているのか? M: 数値と文脈から予想できませんか? // 原子質量単位 (atomic mass unit) のこと. 単位の記号として u を用いることもある.

16s2033: 
波動関数がしみ出しているということについて, 古典力学的に存在しないはずの所から粒子が発生した場合, 古典力学の考え方が誤っていたということになるのだろうか. M: いまさら? // 量子力学的なミクロの粒子に対して, 古典力学は成り立たない.

16s2034: 
p.186 式の (5.42) の式が全体として奇関数になる理由がいまいちよく分からなかったのですが… M: そうですか. しかし提出物が要件を満足していない. // 教科書や参考書をよく読んだり, 数学の基礎を復習する必要がある?

16s2035: 
教科書 p.183 下側にある「 $ \stackrel{?}{=}$」の意味は何ですか? M: 16s2030 参照

16s2036: 
p.181 の下部にて, 実際には, 調和振動子モデルからのずれは存在するとありますが, どのようなずれですか. M: 教科書 p.175 図 5.5 の二原子分子のポテンシャルや参考書をよく読めば分かるのでは?

16s2037: 
[図は省略] この振動についてのグラフで, $ t$ で微分したことはわかるのですが, この形になるのがわかりません. なぜですか. M: ふつうは縦横を入れ替えた図 (横軸時間が経過するにつれて, 縦軸変位が変化する (粒子の位置が動く)) を描くのかもしれないが, ポテンシャルの図では横軸が変位だったので, それに合わせた. 具体的な位置は, 振動している様子を表すイメージ図だから適当.

16s2038: 
量子力学的にはポテンシャルエネルギー曲線より外側に粒子が存在する可能性もありうるが, 確率の分布で古典的な振動の場合と近似することは可能か. M: 別に. 好きなように近似すればいいでしょ. その近似がよい近似か, 議論したい特徴を踏まえているか, 多くの人が認めてくれるか等は別だが.

16s2039: 
なぜ粒子が存在できないと分かっているのに, 波動関数がしみ出している状態が存在できるのでしょうか. M: 誤解の予感. 波動関数がしみ出しているということは, 粒子の存在確率がゼロではないということ.

16s2040: 
波動関数がしみ出しているところは井戸型ポテンシャルのように粒子は出られないというふうにできないのですか. M: 数学的に微分方程式を解いて得られた解なので, それをムリヤリねじ曲げることはできないでしょう.

16s2041: 
状態を区別する整数 $ v$ の値に制限はありますか. M: シュレーディンガー方程式を解いて波動関数を求める過程を詳しく見てみれば, $ v$ にどんな制限がかかるのかが分かるのでは?

16s2042: 
粒子がいる確率がゼロでないということは, 古典力学的にはありえないところで実際に観測されることがあるということですか? M: 自分で考えてわからないのはナゼか?

16s2043: 
調和振動子の $ \DS E_v$ に対応した波動関数は なぜ縮退していないのですか. M: ``縮退'' とは, どういう意味か?

16s2044: 
波動関数がしみだしている状態において, 運動エネルギーはどうなっているのだろうか. もし運動エネルギーがあるたら, エネルギー保存則は破られているのではないだろうか. M: 16s2009 参照

16s2045: 
エルミート多項式は調和振動子の波動関数の他に何に利用されていますか. M: 私は知りません. 調べて分かったら, 教えてくださいネ

16s2046: 
波導関数[原文ママ]がしみ出しているときの運動エネルギーとポテンシャルエネルギーはどう存在しているのでしょうか. M: 16s2009 参照

16s2048: 
図 5.8 の (b), $ \DS \left\vert \psi_3(x) \right\vert^2$ の所の波が一定でないのは何故でしょうか. M: 意味不明. ``波が一定'' とは, どういうことか?

16s2049: 
$ \DS \left\vert \psi \right\vert^2$ を調べると, 粒子の確率分布が分かるが, 波動関数 $ \psi$ そのものはどんな意味があるのか. M: 教科書 3-4 章や参考書をよく読めば分かるのでは?

16s2050: 
量子力学的調和振動子のエネルギー準位図で量子数 $ v=1$ とし, 放物線と $ v=0$ で交わる直線を書いたとき 0 から $ \DS \frac{1}{2} h \nu$ がポテンシャルエネルギー, $ \DS \frac{1}{2} h \nu$ から $ \DS \frac{3}{2} h \nu$ が運動エネルギーを表すと説明していましたが, なぜポテンシャルエネルギー下のエネルギー準位になるのですか. M: 誤解の予感. 放物線は何を表しているか, もう一度よく考えればいいのでは?

16s2051: 
$ v=1$ で波動関数がしみ出しているところの全エネルギーは $ \DS \frac{3}{2} h \nu$ なのですか? M: 自分で判断できないのはナゼか?

16s2052: 
波動関数がしみ出した状態を作り出すためになにか必要な条件はあるのでしょうか. 式によって示されているということは実際に起こっているということですか. M: 箱の中の粒子の問題と比べてみれば分かるのでは? // 何のための式なのか?

15s3014: 
図 5.8 の (b) で $ \DS \left\vert \psi_2(x) \right\vert^2$, $ \DS \left\vert \psi_3(x) \right\vert^2$ では $ x$ が 0 に近い方が極大値が低くなっていますが, これの物理的な理由はなんでしょうか. M: 16s2006 参照

15s3025: 
エルミート多項式の例で, $ \DS H_2(\xi) = 4 \xi^2 - 2$ のように 1 番高い次数の前についている数字は どうやって出たのですか. M: 16s2003 参照

15s3028: 
回転遷移という現象があって, とびとびなので回転量子数についてもそのような理論があるとおもうのですが, どういった理論から回転量子数がとびとびで回転遷移という現象が起こるとされているのか? M: 教科書 p.187 や参考書をよく読めば分かるのでは?

15s3039: 
「波動関数がしみ出している」について古典力学ではなぜ説明できないのか. M: 正気ですか? 物理学の基礎 (というか常識?) を復習する必要があるのでは?

15s3041: 
剛体回転子のモデルで, 水素子は考えることは, 可能ですか? M: 考えたければ, 好きにすればいいと思うけど, いったい何をどうモデル化するつもりなのか?

14s3007: 
調和振動子のエネルギー準位でかなり小さい確率ではあるが, $ V(x)$ の外側でも粒子が観測されることがあると言いましたが, このときエネルギーはどうなっているのですか? エネルギーは正であるとするとどう考えればよいのか分からないのですが. M: 16s2009 参照

14s3034: 
ポテンシャル曲線の外にも粒子が存在する確率があるということは基底状態の分子が突然バラバラになることもありうるということですか. M: バラバラということは, 原子間距離が無限に引き伸ばされたということ. その可能性の有無について, 自分で判断できないのはナゼか?

14s3046: 
確率分布には空間的に位置が分かるものもあるのでしょうか. M: 意味不明. 確率分布関数の変数が何かを考えればいいのでは?



rmiya, 2017-02-08