構造物理化学I (20170127) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
モースポテンシャルは二原子分子の核間ポテンシャルのよい近似になるが, 三原子以上の分子ではどうなるのか. M: 二原子分子の核間距離に対応する変数を, 三原子分子ではどうするのか? // 基準座標と言ってみるテスト

16s2002: 
図 5.5 の核間ポテンシャルのグラフの右側が平らになるのは原子間隔が長いところのポテンシャルエネルギーはほとんど結合エネルギーになるとあるが, これは, ポテンシャルエネルギーが結合エネルギーに置き換わるということですか? M: ここでの全エネルギーは, 運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和である. 原子を無限遠に引き離したときに, ポテンシャルエネルギーは, ある値に漸近収束する. そこでは, 系の全エネルギーはポテンシャルエネルギーに等しく, すなわちこれが結合エネルギーである.

16s2003: 
テイラー展開の後, $ \DS l - l_0 = x$ とおいた時に $ l = x$ としているところもあるのは どうしてですか. M: どこのことか? 書いてある式を写すのではなく, 自分で計算してみれば分かるのでは?

16s2004: 
$ l$ が大きくなるにつれて調和振動子のポテンシャルと核間ポテンシャルには差が出ますが, これが非調和項を考慮することによる差なのですか. M: 調和振動子のポテンシャルからのずれは, それがどんなズレであっても非調和性と呼ぶ. アタリマエ.

16s2005: 
モースポテンシャルの式を作り出すためには, どのような数学的知識が必要か. M: 私は知りません. 作り出したモースに聞けばいいのでは? :-p

16s2006: 
最低エネルギーが古典的なものと量子的なもので差が出るのは なぜか. M: 量子論的効果, 不確定性原理.

16s2007: 
モースポテンシャルは $ k$ を求めるために使うのですか. M: 教科書や参考書をよく読めば?

16s2008: 
二原子分子の核間ポテンシャルを正確に表わした関数は, 存在しないのか. 存在しないとしたら, なぜ表わすことが出来ないのか. // 零点エネルギーが存在しているということは, 分子は常に伸び縮みの振動をしているということか. M: 結合距離を与えたら, その時のポテンシャルエネルギーは一意な値として存在はするだろう. しかし, ある関数が二原子分子の核間ポテンシャルを正確に表しているかどうか, どうやって確かめるのだろうか? 無限遠までのポテンシャルを, どうやって逐一正確に知ることができるだろうか? // 古典的な意味での振動はしていない.

16s2009: 
量子力学的調和振動子の粒子の位置 $ x$ は, $ \DS \int \psi_n^*(x) \psi_n(x) \,\d x$ で表される平均の位置のことなのか. M: ``位置'' と言って, それが平均の位置を意味するかどうかは, 文脈による. なお, 平均の位置の計算式はこれじゃない.

16s2010: 
核間ポテンシャルは, ファンデルワールス力などの力には影響されないのでしょうか. M: 調和振動子では孤立した二原子分子を考えているので, その場合, 分子間力は無関係.

16s2011: 
古典力学的調和振動子の最低エネルギーが 0 という値をとるのと, 量子力学的調和振動子の最低エネルギーが 0 ではなく $ \DS \frac{1}{2} \hbar \omega$ という値をとることの違いには どのような意味があるのでしょうか. M: 本気か? 全エネルギーはポテンシャルエネルギー ($ V$) と運動エネルギー ($ K$) の和. $ \DS K+V \neq 0$$ V=0$ なら......

16s2012: 
基底状態においてエネルギーが 0 にならないことはわかったが, 原子の種類によって零点エネルギーの大きさは違うのですか. M: 零点エネルギーの大きさが何に依存するかを, よく考えれば分かるのでは?

16s2013: 
今回は原子どうしの結合によって安定化する二原子分子を考えましたが, 過酸化物や高次の錯体などの分子モデルでは, ポテンシャルエネルギー曲線における極小が, 独立した原子のエネルギーより上になることはありますか. M: それは, バラバラの原子でいた方がエネルギーが低い・安定している, という意味か? そのような分子は, 存在可能か?

16s2014: 
高次の項を考慮すると調和振動子モデルの修正あるいは拡張が可能とあるが, これは極小近傍を拡大して得られる近似より正確な式があるという意味なのですか. M: 16s2026 参照 // ``拡大して得られる近似'' とは何か?

16s2015: 
どの程度の誤差までが近似できていると言えるのですか. M: 近いか近くないかは主観. あなたは, どの程度の精度で記述されることを必要とするか?

16s2016: 
図 5.5 の二原子分子の核間ポテンシャルが一定のエネルギーの値になりはじめる点の距離までにある 2 つの原子を結合している二原子分子と考えられますか. M: ``なりはじめる点'' とは, どこのことか?

16s2017: 
二原子分子の力の定数はおおよそ $ \DS 10^{2} ~$Nm$ ^{-1}$ 程度とありますが, 例えば, 2 種の原子で構成されるイオン結晶など, 2 原子間の電気陰性度の差などは影響しないのでしょうか? M: 電子の偏り (イオン結合性) は考慮されている. 教科書 pp.377, 397 等や参考書を参照. // しかし, イオン結晶は二原子分子か?

16s2018: 
二原子間の調和振動子において電子の反発ポテンシャルはどのように考えるのでしょうか. M: そんなもの, どこに出てくるのか?

16s2020: 
モースポテンシャルはどのような時につかわれるのですか. M: 教科書や参考書 (少し上級のもの) をよく読めば分かるのでは?

16s2021: 
普段, 空間に存在している分子の中で, 調和振動子で核間ポテンシャルが近似できる極小付近の領域の変位で振動している分子はどのくらいあるのか. M: 室温程度で熱分布している振動状態の変位の大きさを自分で計算してみれば分かるのでは?

16s2022: 
取り出せない零点エネルギーを計測することは可能か. M: 普通, エネルギーの大きさを, どうやって測るか? 取り出さずに, どうやって測るのか?

16s2023: 
図 5.7 において, $ v=0$ の位置が, 極小値より上にあります. 教科書の図 5.5 をみると, 実線がエネルギーがゼロのところに接していますが, 上述したことを考えると図 5.5 はウソではないように思えました. M: そうですか. 思うのは勝手ですが, 提出物が要件を満足していません.

16s2024: 
モースポテンシャルが極小部の曲率の尺度として $ \beta$ を取り入れているのは, 極小近傍で調和振動子に核間ポテンシャルが近似できるためですか. M: 自分の手を動かして計算してみれば, $ \beta$ が曲率の尺度になっていることを確認できます.

16s2025: 
二階微分係数が曲率であり, 今回取り上げた問題では計算式と比較して $ \DS \left( \frac{\d^2 V}{\d l^2} \right)_{l=l_0} = k$ となりました. このことからばね定数 $ k$$ V$$ l$ のみに依存し, 二原子分子のみではなく鉄球等をばねでつないだ物の運動についても同様に考えられると思うのですが, そこまで考えて $ V$ のとらえ方がわからなくなってしまいました. 調和振動子に対する $ V$ とはどういうことなのか今一度説明をお願いします. M: 質問になっていない. // 調和振動子の $ V$ の定義を確認すればいいだけでは? 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは?

16s2026: 
非調和項を考慮すると調和振動子モデルの修正や拡張が可能になるとあるが, 振動子モデルの精度が高くなるということか. 逆に高次の項まで考慮したことによる不都合はあるのか. M: テイラー展開を復習すれば分かるのでは? // 項の数が多い分だけ計算の手間が余計にかかる.

16s2027: 
エネルギーの間隔をせばめたり, 広げたりすることはできないのか. M: エネルギーの間隔は, 何に依存しているか?

16s2028: 
(5.26) 式に対し, 黒板の式は変形されていたが, なぜか? M: 間違った式だったのなら, どうしてその場で指摘していただけなかったのでしょうか? // 教科書の式と, 一字一句同じ式を黒板に書かなければいけないのか?

16s2029: 
剛体回転子を考えるとき分子そのものの小さな振幅の振動の分の補正はどうなるのか? M: ``剛体'' の意味を理解していないのか? // 20170120 の 16s2015 参照

16s2030: 
$ \DS l_0$ から結合エネルギーに到達するまでの距離は, 二原子間の距離に相当しますか? M: 意味不明. 二原子分子のポテンシャルの図の横軸は何か? また ``結合エネルギーに到達するまでの距離'' とは, 何のことか? // 16s2038 も参照

16s2031: 
二原子分子のポテンシャルを考えたときに, $ l \rightarrow \infty$ にしたときに, 現実的に考えると, 結合していないというのは, わかるのですが, 式は $ \DS V(x) = \frac{1}{2} k (l - l_0)^2$ で, $ l \rightarrow \infty$ だと, $ V$$ \infty$ になり収束しないのはなぜですか? M: フックの法則にしたがえば, 変位が無限大になるとポテンシャルも無限大になる. そのように数式が全てを語っているのに, 何が分からないのか?

16s2032: 
モースポテンシャル $ V(l)$ を導出する事は可能なのか? M: 16s2005 参照

16s2033: 
なぜ二原子分子の核間ポテンシャルを正確に表す式が存在しないのか. // 箱の中の粒子の時はエネルギーの間隔が $ n$ の 2 乗であったのに, 調和振動子ではエネルギー差が等間隔であるのは どのような関係があるのだろう. M: 16s2008 の前半参照 // 質問の意味が分かりにくい. 何と何との関係の話か? // ポテンシャルが違う.

16s2034: 
p.178 $ \DS \frac{\d^2 \psi}{\d x^2} + \frac{2 \mu}{\hbar^2}\left( E - \frac{1}{2} k x^2 \right) \psi(x) = 0$ についてエネルギーがとびとびの値に制限されていない場合にはどのような解が得られるのでしょうか. M: 物理的に意味のない解になるのでしょう. 詳しくは物理数学の参考書などを読めば分かるのでは?

16s2035: 
モースポテンシャルと二原子分子の核間ポテンシャルをあらわす図は同じ分子を対象としたらどれほど一致するのか? M: 自分で作図してみれば分かるのでは?

16s2036: 
モースポテンシャルだと分子内ポテンシャルエネルギーは近似すると習いましたが, 正確な値が出ないのはなぜですか. M: 16s2008 の前半参照

16s2037: 
量子力学的調和振動子のところで, 固有値において系の全部のエネルギーを得ればよいとありましたが, 1 次元で考えてるから $ K$$ E$ だけ考えればよいのですか. M: $ K$$ E$ とは, それぞれ何か? エネルギー (ハミルトニアン) の種類は次元と関係あるのか?

16s2038: 
二原子分子のポテンシャルエネルギー曲線で, $ \DS l_0$ から $ V$ が一定になるまでの核間距離の長さは原子半径と比例したりするのでしょうか. M: 本気か? $ V$ が一定になる核間距離とは, どこか? // 16s2030 も参照

16s2039: 
なぜ 3 次以降の項が小さく, 無視できると言えるのでしょうか. 何が無視できたりできなかったりする境界条件などがあるのでしょうか. M: 16s2026 のコメント参照 // 仮に境界があったとして, それをわずかでも越えたら, 無視できる・できないが変わるほど大きな違いなのか?

16s2040: 
モースポテンシャル何原子分子まで近似できますか. M: 自分でやってみれば分かるのでは? 16s2001 参照

16s2041: 
ポテンシャルの極小の領域は多くの分子に対して物理的に重要な領域であるとありますが なぜすべての分子ではないのですか. M: 著者に聞けばいいのでは? :-p

16s2042: 
結合エネルギーは回転していることと関係なく, 振動だけで考えていいのですか? M: ``調和振動子モデル'' の意味を理解していないのか? 16s2029 も参照

16s2043: 
量子力学的な調和振動子の零点エネルギーは, 0 ではないとしても なぜ, 区切りの良い $ \DS \frac{1}{2} h \nu$ なのですか. もっと複雑な値になっても良かったのではないですか. M: 調和振動子のシュレーディンガー方程式を解く過程をよく吟味してみれば分かるのでは?

16s2044: 
ゼロ点エネルギーがあるということは, 原子の動きが完全に止まる絶対零度という現象は実現できないのか. M: 誤解では? 量子論的には絶対零度でも原子は静止しないことを理解していないのでは? // ``絶対零度'' は現象なのか??

16s2045: 
テイラー展開したポテンシャルエネルギー $ V(l)$ において, $ x$ が大きくなり非調和項を考慮することになると, 系はどのような運動をするのか. M: 別に. 振動するでしょ.

16s2046: 
調和振動子の $ \DS l_0 \rightarrow 0$ の時, 結合していないとして, 全エネルギーは独立した二原子エネルギーの和となるとありますが 2 体系のものと別々になったもので, 差はうまれるのでしょうか. M: 差を生じる理由が, 何かあるのか?

16s2048: 
図 5.5 の説明に二原子分子の完全な核間ポテンシャルというのがあったが, 完全でなくとも核間ポテンシャルといえるのはどういった場合ですか. M: 別に. 普通にポテンシャルエネルギーが原子間距離の関数になっていればいいのでは?

16s2049: 
今回は三次以上を高次として取り扱い, 非調和項を無視して, ポテンシャルエネルギーを近似で求めたが, どの程度 (桁数) までは近似しても良いという定義付けは存在するのか. M: 私は知りませんが, 定義なら, 自分で好きにすればいいのでは?

16s2050: 
モースポテンシャルは実験の値から得られた曲線に対してどの程度近似できますか. M: 16s2035 参照

16s2051: 
$ \DS E_v = \hbar \omega \left( v + \frac{1}{2} \right)$$ v=0$ $ \DS E_0 = \frac{\hbar \omega}{2}$ はどこから来たエネルギーなのですか. M: 自然

16s2052: 
$ D$$ V(l)$ から測った分子の解離エネルギーと教科書に書いてあったのですが, 解離エネルギーとはどういうものなのですか. 解離エネルギーと結合エネルギーは同値と考えていいのですか. M: 言葉の意味が分からなければ, 辞書を見ればいいのでは? 自分で判断できないのはナゼか?

15s3005: 
最低エネルギーの状態において零点振動とはどのような振動か. M: 波動関数を見れば分かる. 教科書や参考書もよく読めばいいのでは?

15s3007: 
二原子分子は, 振幅は小さいけれども同時に振動もしているので, 本当の剛体回転子ではないとあるが, これはどういうことか? M: 16s2029 のコメントの後半参照

15s3014: 
p.175, 図 5.5 の $ \DS l_0$ より右の近似が成り立たない理由はわかりましたが左の方で近似が成り立たない理由はなんでしょうか. M: 講義で説明したのに伝わっていなくて残念. 教科書や参考書もよく読めば分かるのでは?

15s3025: 
教科書の p.176 に「原子間隔の長いところのポテンシャルエネルギーはほとんど結合エネルギーになる」とありますが, それはどういう意味ですか? M: 言葉通り. 何が分からないのか?

15s3028: 
箱の中の粒子の場合も同様にテイラー展開を使えるのか? M: どんな関数について使えるのか, 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは?

15s3039: 
小さな変位の場合に話を限ると 2 次の項よりも高次の項が無視できるのはなぜか. M: 16s2026 のコメントの前半参照

15s3041: 
三原子分子でも二原子分子と同じように剛体回転子を考えられますか? M: ``剛体回転子'' がどういうものか, 理解していないのでは?

14s3007: 
核間ポテンシャルの極小近傍で調和振動子に近似した式の誤差はテイラー展開の高次の項を無視することで生じますが, モースポテンシャルの誤差を可能な限り小さくしたいと思った場合, 何か方法はあるのですか? M: モースポテンシャルと何との誤差の話か? $ D$$ \beta$ の最適化.

14s3034: 
ゼロ点エネルギーな何かしらの反応に関与するのでしょうか. M: 講義で, 取り出せないと説明したのに, 伝わっていなくて残念.

14s3046: 
三原子分子などの場合, 核間ポテンシャルは結合している原子の核間で考えるのか, あるいは両端の原子の核間で考えるのか どちらでしょうか. M: 16s2001 参照



rmiya, 2017-02-03