構造物理化学I (20161209) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
シュレーディンガーの波動関数の解釈にあった難点とは どのような部分だったのか. M: 自分でどれだけ必死に考えたのか? 安易に他人に答えを教えてもらって, それを暗記するような勉強方法は, もう止めよう!!

16s2002: 
ブタジエンの $ \pi$ 電子の話で $ \DS \tilde{\nu}$ の値が実測値がほとんど一致しているが, もしブタジエンでなければ, ここまで値が一致しない可能性はありますか? M: 全ての分子について同程度に一致するのが理想だが, 現実には, 分子によって一致の程度に差があるのは仕方がないだろう.

16s2004: 
箱の中の粒子に対して, 何かしらのエネルギーを与えた場合, シュレーディンガー方程式に影響は出ますか. M: ``何かしらのエネルギー'' とは何か? // もしもエネルギーを与えたかどうかで粒子の運動状態等が異なるなら, 方程式も異なる結果を与えるようになっていなければ論理的におかしいのでは??

16s2005: 
一次元の箱の中の粒子というモデルにおいて, 粒子が存在しない場所を具体的に求めることはできるか. M: 理解不十分な予感. 波動関数 (位置を変数として持つ) の二乗が粒子の存在確率に比例するのだが...

16s2006: 
枝分かれする共役炭化水素の場合は, 一次元の箱を場合分けして考えるのか. M: 意味不明. どういう場合分けか? // 電子の位置を一次元 (一変数) で考えられる系か?

16s2007: 
規格化されているとは どういう意味ですか. M: 教科書 p.91 や参考書の記述の, 何が分からないのか?

16s2008: 
波動関数により粒子が存在しない点 (節) があるとのことだが, ここの部分を粒子が通り抜けるときはどう考えればいいのか. それとも確率であり実際の粒子は箱の中を自由に移動していないのか. M: 考え方や用語の使い方に混乱がある様子. ``自由'' は, 粒子が力やポテンシャルを受けていないことを意味していて, 今回あてはまる. また波動関数の二乗が粒子の存在確率に比例することや, 量子力学的粒子が軌跡をもつ運動をしないことは学習済みのはず.

16s2009+: 
一次元の箱の中の粒子では, $ V=0$ となり, エネルギーがすべて運動エネルギーとなるが, 粒子は光速を超えることができないため, $ \DS E_n$$ n$ が取り得る値の限界は $ \DS \frac{n^2 h^2}{8 m a^2} = m c^2$ から $ \DS n = \frac{2\sqrt{2} m a c}{h}$ となるのか. M: シュレーディンガー方程式は非相対論的な方程式なので, 粒子の速度が光速に近づくと成り立たない. $ \DS mc^2$$ m$ は静止質量. // 相対論的量子力学を勉強すればわかるのでは?

16s2010: 
教科書に, マックスボルンが, 「 $ \DS e \psi^*(x)\psi(x)\d x$$ x$$ x+\d x$ の間の電気量である」と考えたシュレーディンガーの解釈に, 論理的な難点があると気づいた と書いているが, どのような難点であったのでしょうか. M: 16s2001 参照

16s2011: 
箱の内部に粒子が存在しない点があるとのことにどのような意味があるのでしょうか. また, どうして量子数 $ n=1$ の時には箱の内部に粒子が存在しない点が無いのでしょうか. M: 古典的粒子とは振る舞いが全く違う. 数式を見れば明らかでは??

16s2012: 
粒子が $ \infty$ の高さの壁は登れず箱の外に出られないとあったが, $ \infty$ の高さまでに到達することは可能ですか? M: 自分で言っていることの意味も分かってないのでしょうか?

16s2013: 
一次元の箱の中の粒子モデルが直鎖の共役炭化水素の $ \pi$ 電子されてきた[原文ママ] (p.89) とありますが, 今回例で扱ったブタジエンは直線形分子ではありません. そうであるなら平面形のベンゼンなどに適用した方がより実測に近い値を求めることができると思いましたが, なぜあえて直鎖の炭化水素に適用したのでしょうか. M: 直線形と直鎖状は確かに異なるが, 何をどう近似したかは講義中に説明したし, 教科書や参考書にも書いてある. 一次元の箱が直鎖状共役炭化水素よりも平面形 (二次元) のベンゼンのモデルにふさわしいとは...... もう, 何というか, 事実認識や論理がめちゃくちゃでは?

16s2014: 
$ V(x) = 0$ ( $ 0 \geq x \geq a$), $ V(x) = \infty$ ( $ x < 0, ~a < x$) としていたが, $ \psi(x) = 0$ ( $ x < 0, ~a < x$) で $ \psi(0) = \psi(a) = 0$ ならば, 最初から $ V(x) = 0$ ( $ 0 \geq x \geq a$), $ V(x) = \infty$ ( $ x < 0, ~a < x$) としてはいけないのか. 境界条件を出すにはこのようにしないといけないのか. M: ``ポテンシャル → 粒子の存在確率'' という因果関係を正しく把握しているか?

16s2015: 
$ n$ が増加するにつれて一様分布にちかづいていくということですが, なぜ $ n$ が小さいときは一様分布にちかづかないのか, その原因は何か. 何の影響を受けているのか. M: それが ``量子効果'' だと, 講義中にも説明したのだが, 伝わっていなくて残念.

16s2016: 
量子数 $ n$ で状態を区別するというのは, どういうことですか. また どのような状態を区別するのですか. M: エネルギーや波動関数が $ n$ に依存している.

16s2017+: 
ブタジエン中の $ \pi$ 電子が直線上を運動すると仮定し, $ \DS \tilde{\nu} = 45391 ~$cm$ ^{-1}$ を求めて, 吸収スペクトルの説明にある程度成功したことがわかりましたが, $ \DS \tilde{\nu}$ の値をだすことによって, その物質が何なのかということなど, 他の情報も分かるのでしょうか? M: ほとんど同じ遷移エネルギー (色) を持つ別な構造の分子 (別な物質) はあり得ないのだろうか? // 直線形を仮定すれば, 吸収スペクトルから分子の大きさ (長さ) がわかる :-)

16s2018: 
$ n$ をきわめて大きくした時, 存在しない確率密度も一様な分布に近づくので, 存在しながら存在していない, 観測不可能なものになるのでしょうか. M: `` $ \DS \psi^*(x)\psi(x)\d x$$ x$$ x+\d x$ の間 (幅 $ \d x$ の微小区間) に粒子が存在する確率'' すなわち ``どの位置であっても, その近傍の微小区間における粒子の存在確率'' が一様という話.

16s2019: 
電子が励起されたときのエネルギーは何に循環されるのですか. M: 意味不明. ``循環''とは?

16s2020: 
粒子の存在しない点があるのはなぜですか. M: 波動関数の式を見れば自明では?

16s2021: 
箱の内部に粒子が存在していない点を粒子が通過することはできるのか. M: 節の両側で粒子の存在確率がゼロでないのは, どういうことか? 16s2008 参照

16s2022: 
$ n$ が大きいとき小さいときによって, 量子力学的なふるまいをしたり, 古典的粒子のふるまいをしたりするが, 取り扱う現象によって使い分けるということなのか. M: 例題 1.6 参照. どのくらい小さい粒子なら, 量子力学的な粒子と言えるか?

16s2023: 
波動関数をプロットした p.89 の図 3.2 をもとに, 粒子の確率密度をモデル化したらどうなるか頭の中で考えてみたのですが, うまくいきませんでした. 実際, モデル化はできるのでしょうか. またモデル化したらどのようなものになりますか. M: 既に一次元の箱の中の粒子がモデルなのに, それを再度モデル化するとはどういうことか? // そもそも確率密度分布は (規格化された) 波動関数の二乗そのものでしょ?

16s2024: 
量子数が自然に導入されたもので, 外から与えられるプランクとボーアの段階を越えると教科書にありましたが, 量子化が自然に出てくることは, 導入することより何が優れているのか. M: 理論に何を外から導入するかには, 理論家 (人) の恣意性がある. そして外から導入された量子化の正当性は, 外部 (神?) に求めなければならない. しかし自然に出てくるのであれば, それは自然の本質であると考えられる.

16s2025+: 
自然界の物事は基本連続で, 今回箱の中の外部と内部とでの $ \psi(x)$ を考えるときにもこの考えは使いました. しかし計算していって出た $ E_n$ の値は不連続なものとなりました. 原子内での電子でもそうですが, 自然界でも計算した結果不連続となるものはあります. このことに違和感をもつのは間違いでしょうか. M: そうですね. ですから, 量子力学を発見した当初の科学者たちの驚きは, 非常に大きなものだったことでしょう.

16s2026: 
波動方程式やシュレーディンガー方程式を用いることによって 箱の内部にも粒子が存在しない点がある, という事だったが, 存在しないとはどういうことか. また, その存在しないという事実がわかったところで何かわかることがあるのか. M: 言葉の意味が分からなければ, 辞書を見ればいいのでは? // ミクロな粒子の振る舞いが分かる.

16s2027: 
粒子が存在しない確率を減らすことやなくすことはできないのか. M: ``存在しない確率'' とは? `` $ 1 - ($存在する確率$ )$'' のことか?? // 演算子が決まれば固有関数は決まるので, 異なる関数を固有関数として持つためには......

16s2028: 
$ \psi(0) = \psi(a) = 0$ であるのに, $ V(x)$ $ 0 \geq x \geq a$ で分けられるのは問題ないのか. M: 具体的に, どんな問題があるというのか?

16s2029: 
箱の中の粒子問題は自由粒子が 2 つ以上あったら, 粒子同士が干渉しあって結果を求められないということになってしまうのか? M: 比ゆ的な意味での ``干渉'' だと思うが, それはさておき. // 粒子間にどのような相互作用を (力が働くかを) 考えるのか?

16s2030: 
どうして波動関数の 2 乗が確率密度になるのですか? M: 教科書や参考書の説明の, 何が分からないのか? 教科書 B 章の平均値も参照. // ``なる'' のではなく ``そう解釈する'' というのが, ボルンの考え.

16s2031: 
$ \DS \psi_n(x) = B \sin \frac{n \pi}{a}x$ において, $ n$$ \infty$ であるとき, 箱の中に粒子が存在できなくなるということはありますか? M: どうして? 規格化されているのに?? // 節の数と節じゃない $ x$ の数を比べてみれば?

16s2032: 
波動関数の 2 乗が確率密度として表されていましたが, これはなぜですか? M: 16s2030 参照

16s2033: 
量子数 $ n$ が小さいときは粒子が存在する確率が違ったが, $ n$ を大きくすると一様な分布に近づくとあったが, $ n$ を大きくするとはどういうことか. M: 本気か? エネルギー $ \DS E_n$ や波動関数 $ \DS \psi_n(x)$$ n$ が含まれていて, その $ n$ は何だったか, よくよく復習する必要がある??

16s2034: 
$ n$ が大きくなっていくと, 一様分布に近づくとありましたが, つまり, $ n$$ \infty$ になったときに完全に箱の中に一様に分布していると言えるという認識でいいのでしょうか. M: いいかどうか, 自分で判断できないのはナゼか?

16s2035: 
箱の内部に粒子が存在しない点というのは, その点を粒子が通らないということか? // また, $ n$ の値によってその点が変わるのは粒子のエネルギーが変わることで何が変わるからなのか? M: 16s2008 参照 // 状態関数である波動関数.

16s2036: 
図 3.2 で $ n$ が大きくなると, 節が増えていきますが 少ないときと, 現象の変化に違いはありますか. M: 意味不明. どんな現象の話か?

16s2037: 
波動関数は粒子の位置を示すことができますが, それを 2 乗して確率になるのはなぜですか. M: 誤解しているから. 波動関数は位置の関数であり, 関数の値が位置を表すわけではない. 16s2030 参照

16s2039: 
不確定性原理のため, 節の部分では粒子が存在しないとはいいきれないのではないか? M: 意味不明. 何がどう不確定性原理と関係するのか?

16s2040: 
量子数を $ n$ として使いましたが ここにおける量子数は何を示していますか? M: 状態を区別する, エネルギーが $ \DS n^2$ に比例する, 波動関数の節の数は $ n-1$ 個, etc. // 自分でどれだけ考えたのか?

16s2041: 
マックスボルンはシュレーディンガーの解釈にどんな難点があるとして $ \DS \psi^*(x)\psi(x)\d x$ の解釈を $ x$$ x+\d x$ の間のある場所に粒子が見つかる確率と置き換えたのですか. M: 16s2001参照

16s2042: 
ポテンシャルエネルギーはどこにあるのですか? 粒子のない場所になにかあるのでしょうか? M: 本気か? 物理学の基礎をしっかりと復習する必要があるのでは? // たとえば, 揺れている振り子のおもりが持つポテンシャルエネルギーとは?

16s2043: 
なぜ直鎖の共役炭化水素の中の $ \pi$ 電子に適用できるのですか. M: 何の話か? // 自然のモデル化は, (うまくいくかどうかは別として,) 誰でも自由にすればいいのでは?

16s2044: 
箱の内部の場所によって粒子が存在する確率がちがうといったような古典物理学にはないような考えには他にどのようなものが量子論にはあるのですか? M: 勉強すればわかるのでは?

16s2045+: 
古典力学で連続量と考えられていた物理量が, 量子力学ではとびとびの値になるのは, なぜか. M: マクロな系であっても, 本当はとびとびの値であるはずだ. 16s2022 参照

16s2046: 
シュレーディンガーは 電子がその領域全体にわたって広がっているというイメージを持っていて, その解釈には論理的な難点があるとあるが, それはどのような点であるか. M: 16s2001参照

16s2048: 
シュレーディンガーが述べていた, シュレーディンガー方程式は量子の規則の本質に迫っていくものだとしたが, 量子の規則の本質とは何でしょうか. M: どこで述べていたのか? 本人に聞けばいいのでは? :-p // 不確定性原理とか, 粒子と波の二重性とか, etc.

16s2049: 
粒子のエネルギーは量子数 $ n$ によってとびとびの値を持ち, 不連続であるのに, 遷移するときのエネルギー ($ \Delta E$) は連続でなくても考えられるのか. M: 意味不明. // $ \Delta E$ がどうなるか, 自分で計算してみれば分かるのでは?

16s2050: 
箱の中の粒子の問題の境界条件のような自然になるようにするため決められることはよくあることですか. M: 頻度については調べたことがないので, 私は知りません. // 自然の振る舞いを記述する・理解するために, 不自然な条件を持ち出すのは, 自然なことだろうか?

16s2051: 
$ n$ が大きくなると $ E$ が高くなりますが $ E$ が大きいことと古典的粒子のふるまいをすることに関係はありますか? M: 関係があるかどうか, 自分で考えてみればいいのでは?

16s2052: 
箱の中の粒子を考える場合, 節は粒子の存在しない点でしたが, ブタジエンの場合は, 節はどのような点になるのですか? M: 系によって ``節'' の意味が異なるのか?

15s3005: 
箱の中の粒で[原文ママ]シュレーディンガー方程式を解く [図は省略] なぜ $ \varepsilon > V(x)$ の領域では波動関数が振動するのか. M: 波動関数を求める過程を検討すれば自明では?

15s3007: 
図 3.2 でブタジエンは直線分子ではないが, 簡単のために, というところで何が簡単なのか? M: 本気か? 三次元と一次元のどちらが簡単か判断できないのか?

15s3014: 
$ \DS \psi_n(x) = B \sin \frac{n \pi x}{a}$$ n$ が大きいと一様分布に近づくというのがよくわかりません. 0 になる点が増えるのでより偏るのでは? M: 16s2018 参照

15s3025: 
なぜ $ n$ が大きくなると, 箱の内部に粒子が存在しない点 (節) がふえるのですか? M: 波動関数を見れば自明では?

15s3028: 
真空状態での水素の電子は, シュレーディンガー方程式では表せないと思うが, 他の式では表せるのか? M: 表せないと考える根拠は? // 教科書 6 章や参考書をよく読めば分かるのでは?

15s3039: 
シュレーディンガー方程式で量子数が自然に導入されたのはなぜか. M: 方程式を解く過程を検討すれば明らかでは?

15s3041: 
ボルンの解釈はなぜ成り立つのですか? M: 微妙に勘違いの予感. 解釈だけならする人の勝手でしょ, 珍妙な解釈では賛同者がいないだけで.

14s3007: 
一次元の箱の中の粒子の井戸型ポテンシャルでは $ 0 < x < a$ の間ではポテンシャルエネルギーは 0 になり運動エネルギーは量子化され不連続な値を取りますが, これはどのような運動をするのですか? ただサインカーブを取るのですか? M: 波動関数のサインカーブは, 粒子の運動の軌跡ではない. ポテンシャルエネルギーが zero で一定なのだから, 粒子の運動エネルギーも一定であり, 結果として全エネルギーは一定 (すなわち定常状態である).

14s3034: 
ベンゼンの $ \pi$ 電子は 1 次元の箱で近似できますか. それとも 2 次元に拡張しないといけないですか. M: 次元数は, 何の数を表しているか? ベンゼンにはそれがいくつ必要か?

14s3046: 
粒子の確立密度[原文ママ]のプロットでは確率が 0 (節や $ x=0, ~a$ のとき) 付近が穏やかに変化するのは何か理由があるのでしょうか. それとも ただプロットしたらこうだっただけなのでしょうか. M: 自然は連続. 粒子の存在する確率密度分布も, その導関数も連続.



rmiya, 2017-01-16