構造物理化学I (20161104) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
水素原子のボーア模型の仮定 4 はなぜ必要だったのか. M: それ無しでは, スペクトルが説明できないのでは?

16s2002: 
ボーアは水素原子の電子の半径やエネルギーを導くことに成功しましたが, 水素原子に注目したのは単に一番単純な構造だからですか? M: 本人に聞けばいいのでは? // まず簡単でよくわかっているモノに取り組んで, 徐々に難易度を上げるのが普通では?

16s2003: 
仮定 4 について, 電磁波を吸収・放出するとかいてありますが, 電磁波=光なのですか? M: 本気か? 物理学の基礎を復習する必要があるのでは?

16s2004: 
電子は軌道間を遷移するときに電磁波を吸収・放出するとありました. 電子は他からエネルギーをもらうことで遷移しますが, 電磁波の吸収・放出は毎回起こりますか. それとも熱や光エネルギーの吸収・放出のみで遷移することもありますか. M: 前半は良い質問かと思ったが, 「それとも〜」以降で意味不明になった. 16s2003 参照?

16s2005: 
ボーアの理論のように, 一見すると無理がある仮定から興味深い結果が得られた例はほかにあるか. M: 科学史を勉強すれば分かるのでは?

16s2006: 
電子が離散的は軌道間を遷移するときに電磁波を吸収・放出することによって原子にどんな変化が起きるのか. M: だから, 原子を構成している電子のエネルギーが増加・減少する.

16s2007: 
ボーアの理論がまちがっているのにリュードベリの式と合ったのはなぜですか. M: 私は知りませんが, 重要な本質は捉えていたからでは?

16s2008: 
物質は波動性を持つとのことだが, 逆に波は, 物性を持つことはないのですか. (とても短い波長の波は, 物体として扱ってよいのか.) // 離散値を表すとして $ n$ を用いていたが, この $ n$ は, 何かを表す整数なのか, それともその物質固有の値が存在するのか. // 電子顕微鏡は電子の波動性を利用しているとのことだが, 電子よりも小さい質量の物質が発見されれば, より高精度の顕微鏡が作れるのではないのだろうか. M: これまで数回の講義の内容が全く身についていないようで残念. 光が粒子としての性質を持つことはさんざん説明したのだが. // 水素原子のスペクトルを考えるときに, どうであったか? // 質量と波長との関係は, ド・ブローイの式を見ればわかるのでは?

16s2009: 
教科書の (1.16) 式より $ \DS v = \frac{n \hbar}{m_\text{e} r}$ となるが, ド・ブローイ波長の式で, 電子の軌道が外側にあるほど, 電子の波長が短くなるということは, 外側の軌道にある電子ほど波動性が小さいといえるのか. M: ``電子の軌道が外側にあるほど, 電子の波長が短くなる'' とは? // 波動性の大小とは??

16s2010: 
ボーアは「離散的な軌道だけが許される」と定義し, 電子が遷移する途中はないとしたが, 実際は遷移するときに離散的な軌道の間に存在し, 無視できないのではないですか? M: 正しい量子力学でも「離散的な軌道だけが許される」です. // ``定義'' という言葉の使い方が変.

16s2011: 
水素原子のボーア理論はイオンにおいて何か利用することは出来なかったのか. M: ボーア理論で中性原子 (水素原子) かイオン (ヘリウムイオン) かを区別する意味があるか? // 参考書の ``水素類似原子'' または ``水素型原子'' 等を参照

16s2012*: 
エネルギー差によって光が吸収されたり, 放出されるということがわかったが, このエネルギー差が熱などの別の姿として変化する可能性はないのですか? M: 分子ならばありうる. しかし, 原子には内部の運動の自由度がないので...

16s2013*: 
リュードベリ定数に, 電子の質量 $ \DS m_$e が含まれているが, 例えば電子に電圧をかけて, 電子に相対論的効果が無視できないくらいの速度を与えると, 質量が少し大きくなるので, 実際には定数にならないと思うが, 電子の速度は光速よりもはるかに遅いことは暗に仮定しているのか. M: リュードベリ定数は, 水素原子の電子の発光スペクトル. これは束縛系であるし, 電子は任意のエネルギー (運動エネルギー) を持てるわけでもない. ただし, シュレーディンガー方程式は, 非相対論の方程式ではある.

16s2014: 
教科書 p.27 の図 1.8 に出ている図があるが, これは X 線や電子のビームを照射したときに, 何をどのようにして見たらこのような図に見えるのか. M: 講義の時間中に問いかけたのに, その時に反応しなかったのは, なぜか? そして分からない人が一人だったにもかかわらず, 説明したのだが...... スクリーンとして蛍光板や写真乾板を置くと, 到達した X 線強度が強いところや電子が多く到達したところが, 発光または感光する.

16s2015: 
水素原子の軌道半径を求める際に, ボーアは離散的な軌道が許されるという仮定を立てたそうですが, 何の理由もなく突然このような仮定を立てるには無理があると思うのですが, これは実験結果に基づいて後付けされた仮定なのでしょうか. それとも当時, このような仮定を立てる根拠となるような何かが分かっていたのでしょうか. M: 原子のスペクトルが, 連続ではなく ``輝線'' であることは, 有力な根拠だと思いますが(?)

16s2016+: 
光が波と粒子の両方の性質を持つことがわかったとき どうして音などの波の粒子性ではなく粒子の波動性を追求したのですか. M: 何の話か? // 今では結晶などの格子振動をフォノン (phonon) として扱うことがある.

16s2017: 
確実に粒子と見えている物質でも, ある決まった条件のもとでは波動性を示してもよいだろうとド・ブローイが提案し, 野球ボールのド・ブローイ波長を求めたりしていますが, 実際に質量を決めづらそうなことと, 光にも思える「火」のド・ブローイ波長を決められることができるんですか. M: 「火」という物質があるのか? 「火」は, ひとつふたつと数えられるのか?

16s2018: 
光子や電子に粒子性や波動性があると教わりましたが, それ以外の他の素粒子にも波動性があることは確認されているのですか. M: 自分でどれだけ調べてみたのでしょうか? // 中性子線回折はよく知られているのでは?

16s2019: 
電子は離散的な軌道をとるとあったのですが, 離散的とはどういう意味ですか? M: 言葉の意味が分からないのなら辞書を見ればいいのでは?

16s2020: 
電子線回折で 電子を物質に照射したとき 電子のバラつきが大きくなるのはどのような物質か. M: 意味不明. ``電子のバラつき'' とは, 一体何のことを言っているのか?

16s2022: 
n が 1 で基底状態ならば, n が 2 以上の時は励起状態と考えてよいのですか. M: 教科書や参考書をよく読めばいいのでは? 自分で判断できないのはなぜか?

16s2023: 
今回の講義で出てきた, 仮定が考えられてから実験事実から, 正しい仮定であったとわかるまで どれくらいの年月が経過していたのですか. M: 何の話か? 自分で調べてみればいいのでは?

16s2024+: 
離散的な軌道だけが許され, 中間の値はないと仮定したとありますが, その中間, 到る過程こそが重要であるという考えは起こらなかったのでしょうか. 導出した答えを実験事実と合わせるためとはいえ, 極端な過程であるように感じてしまいます. M: 逆に, 中間過程の存在を支持する実験事実は無い. そう仮定することで初めて, 説明できるようになる実験事実はない. // 最先端の思考は常に過激である. ``観測されたもののみが実在する.''

16s2025: 
化学反応の中では, 生成された物質が不安定なため最終的に別の物質となることがあるが, (ビニルアルコール → アセトアルデヒド など) この不安定な物質も, 存在する以上は電子は離散的な軌道をとっていて, 最終的にそれより安定な軌道へため[原文ママ]別の物質となって生成されると考えてよいですか. M: 物質が異なれば, 原子核の電荷で作られるポテンシャル場がそもそも異なるので, 電子のエネルギーとは少し違う別の話になる. // でもエネルギーの高い低いを考えることは良い. そこまで考えていながら, 問題の系について, 自分で判断できないのはなぜか?

16s2026: 
教科書 p.21 に電子ビームは電場と磁場を使って絞り込めるとあるが, 何を, どのように絞りこむのか. また電磁輻射と比べると X ビーム[原文ママ]の方が絞り込みが簡単とあるが, 電磁輻射を絞りこむには どんな要素が必要になるのか. M: 物理学の基礎の復習が必要なのでは? または ``電子ビーム'' の意味が分かっていない? 後半は意味不明.

16s2027: 
20 世紀ごろには周期表ができていたのになぜボーア理論の間違いには気づけなかったのか? M: 周期表とボーア理論は別のものだが? // 気付けなかったと, あなたはナゼわかるのか?

16s2028: 
表 1.2 について 100 V と 10000 V で加速された電子の質量が異なるのはなぜか. M: 相対論を勉強すればわかるのでは?

16s2029: 
ボーアの出した仮定は現在, 理論的に説明できるのか? M: どの仮定の話か?

16s2030: 
図 1.8 の環同士の距離は金属箔中の原子の間隔であることが分かりますが, 環の太さは何か表しているのですか? M: 誤解でしょう. 図は回折像なので, 像の輝点 (環) の間隔と, 原子間の間隔が直接対応しているわけではない. ブラッグの反射条件 $ \DS 2 d \sin \theta = n \lambda$ ( $ n=1,2,3,...$)

16s2031: 
電子顕微鏡は, 加速電圧を調整し, 短いド・ブローイ波長ができることで精密な探査が可能ということですが, 限界はありますか? M: もちろん, 現実には無限大の加速電圧で無限小のド・ブローイ波長を達成できるわけはない.

16s2032*: 
光は波動と粒子の性質を持つということでしたが, ある条件下で粒子になるということでしょうか? それとも波動でありながら粒子の性質も示すということでしょうか? M: 何を観測しているのかを, よくよく考えてみてください.

16s2033: 
離散的な値をとる量子論的な計算を, 古典物理学と同じように計算できてしまうのはなぜだろう. // ボーアはどうして正電荷をもつ核のまわりを負電荷をもつ電子が軌道運動しているという仮定をたてる必要があったのだろう. M: 何を聞きたいのかが分からない. 意味する内容に関わらず, 数式で表現されれば, 後は自動的に計算を進めて解に到達するのが, 数学の強みでは? // ``必要性'' を問うことの意味が分からない. 当時の知見では, そう考えることが合理的だったからでは?

16s2035: 
ボーア模型が平面として考えられていたなら, 水素原子が励起状態にあるときの異なるスペクトルは求められるのか? M: 意味不明. ``異なるスペクトル'' とは? // 求められるかどうか, 自分で計算してみればわかるのでは?

16s2037: 
p.23 の図 1.9 の意味がわかりません. どのような波長をあらわしているのですか. M: 教科書の本文や参考書をどれだけ読み込んだのでしょうか? // 電子の物質波としての波長と円周の長さの比較 $ \DS 2 \pi r = n \lambda$

16s2038: 
電子顕微鏡で電子の波長を変化させることで像の鮮明さをあげるという事がわかりません. 対象とする物質によって波長を変えなければいけないのですか? M: 物理学の基礎 (光学) を復習する必要がある? 光学顕微鏡に分解能の限界があるのはナゼか?

16s2039: 
現在のボーア模型と今回学んだボーア模型との違いはどこになるのか? // 今回のボーア模型のように, 仮定が多少違っていても実験事実と合致した例は他にもあるのか? M: 昔のケプラーの法則と現在または将来のケプラーの法則は, 何か違いがあるのか? // 科学史を学べば分かるのでは?

16s2040: 
ド・ブローイ波 $ p = m v$ で表されるが静止している物体はド・ブローイ波を発しないのか. M: 勘違いでは? ド・ブローイ波は, 物質から放射されるようなものではない. // 静止している物体の運動量を求めることができないのか?

16s2041*: 
励起状態から緩和して基底状態に戻る際に生じるエネルギーは全て電磁輻射として放出されるのですか. M: 無輻射遷移という緩和過程がある. 教科書 15 章や参考書参照.

16s2042: 
陽子に波動性はないのですか? // 量子ってどういう意味ですか? M: 個別の事項を暗記することが科学の習得ではない. 自分で判断できないのはナゼか? // 言葉の意味が分からなければ, 辞書を見ればいいのでは?

16s2043: 
電子が電磁波を放出するとありましたが, 原子核の放射性崩壊と何か関係があるのですか. M: 正気ですか? それぞれの放出のメカニズムは何か?

16s2044: 
このボーア模型を用いた計算が古典物理学と現代の物理学の中間のようだとおっしゃっていましたが, 現代の物理学ではボーア模型を用いた定理では表せなかった立体的に原子を見たときや水素以外の原子の軌道半径を表すことのできる定理があるのでしょうか. M: ``定理'' という用語の使い方に違和感がある. // 量子化学を勉強すれば分かるのでは?

16s2045: 
全ての金属が電子線回折の結晶として使えるのか. M: 全てについて調べたことは無いのでは? どういう種類の (性質を持った) 金属の結晶が電子線回折を起こすだろうか?

16s2046: 
現代での研究の際にも 仮定→式→値→実験事実と照らし合う やり方は有効な考え方なのでしょうか. M: ``科学の方法論'' を, 何だと考えているのでしょうか? 真理が天啓のように降ってくるものだとでも? // 考えるカラス :-p

16s2048: 
図 1.10 の中にある $ \DS -E /$   cm$ ^{-1}$ という単位があるがなぜ負の符号がついているのか? また, ド・ブローイ波の整数倍が円の一周と合致すると整合するとあるが, しない場合はどのような原因があるから, 合致しないのか? また, 合致しないで整合するというのは可能なのか. M: 20161014 の 16s2010 参照. グラフ (や表) における物理量と単位の表記の仕方について, 全く身についていないようで, 残念. エネルギー準位としては (zero を基準に) 負だが, 解離状態への励起エネルギーは正の値なので, 輝線スペクトルとの対応が分かりやすいようにしたのでは? // 二つのモノの長さが合致しないのに, 理由も何もないのでは? 単に長さが違うということ. // ``整合'' とは, 何がどうなることか, 考えてみれば分かるのでは?

16s2049: 
クーロンの法則に出てくる比例定数 $ 4 \pi \varepsilon_0$ は SI 単位系を使っているとあるが, どういう意味か? M: 言葉通りの意味だが? // 現実には単位系には色々ある.

16s2050: 
粒子と波の両方の性質をもつことにどのような問題があるのですか. M: あるモノが, 全く異なる (場合によっては相反する・矛盾する) 性質を同時に持っているという事を, 理解できるか? 受容できるか? 例えば, 粒子は局在するが, 波は遍在する.

16s2051: 
図 1.10 の横軸はどのようにとるのですか. M: エネルギー準位には横軸はない. 輝線スペクトルには横軸が (単位を違えて) 書いてあるが?

16s2052: 
粒子にド・ブローイ波があることによって, 古典物理学では説明できなかったことが説明できるようになったのですか. M: 講義で, 結晶による電子線回折の話を紹介したのだが, 理解してもらえなかったようで, 残念.

15s3005: 
決められた軌道をまわる電子は光を出すという文を読んだことがあるがボーアはそのような「量子条件」を考えていないがそのようなことを考えると厳密に計算できなくなるのか. M: ひどい勘違いの予感. その読んだことのある文とやらを, きちんと読みなおして考え直す必要がありそう. // 軌道運動する荷電粒子が電磁波を発するのは古典物理学の話で, 量子条件では全くない. 古典物理学では説明できないからボーアの理論が登場したというのに......

15s3025: 
なぜわざわざ, $ \DS \frac{h}{2 \pi}$ のかわりに $ \hbar$ を導入したのですか. 量子化学の多くの式で $ \hbar$ が表われるとありますが, $ \hbar$ は何か特別なものなのですか. M: よく使われるからでは? // ``作用'' の基本単位

15s3028: 
なぜシュレーディンガー方程式は He 以降の原子には使えないのか. M: 勘違いでは? 誰がそんなこと言ってましたか?

15s3039: 
教科書に「常温では, 水素原子は多くの原子や分子と同様に, ほとんど例外なく基底電子状態にある」とあるが, どんな例外があるのか. M: 反応物理化学で ``ボルツマン分布'' を習ったはずでは?

15s3041: 
電子線回折についてです. 波動性と言えば, それまでですが, 何をもってして電子が密になる部分と疎になる部分が生まれるのですか? M: 波の干渉 // その様に振る舞うので, 電子に波動性があると言う.

14s3007: 
量子化することで変数が 1 個になり, 計算しやすくなりますが, それ以外の良い点はありますか? M: もちろん, 実験事実によく一致する.

14s3034: 
野球のボールの波動性を観測することは可能ですか. また, どのような結果になると考えられますか. M: 波長から, 干渉縞の間隔はどれくらいになると予想されるか? それは検出可能か? 自分で計算してみれば分かるのでは??

14s3046: 
仮定の一つに電子が電磁波を吸収・放出するとありましたが, ここでいう電磁波とはどのような性質をもっているのでしょうか. M: 別に, 普通の電磁波ですが? 物理学の基礎を復習すればいいのでは?



rmiya, 2017-01-16