構造物理化学I (20161028) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
リッツの結合則で示されている性質からわかることは何なのか. M: 他人に言われるのを待つのではなく, 自分で色々と工夫して発見すればいいのでは? どういう状況なら, このような結合則が生じるだろうか?

16s2002: 
振動数が大きければエネルギーが大きいということですが, 式 $ E = h \nu$ である通り, 単純に波の振動する回数がエネルギーの大小に比例するのは どうしてですか? M: 自然がそうなっている.

16s2003: 
バルマー系列について, 古典物理学では説明できなかったけど, 現代の物理学では式がある次点[原文ママ]で説明できたと言えるのですか. M: 色々と誤解の予感. // 現代の物理学には古典物理学も含まれている. これらの言い方は, 新旧の意味ではない. バルマーの式 (またはリュードベリの式) は, 実験的に得られた波長の間の関係式. これが得られても, なぜそういう関係になるのかを説明していない.

16s2004: 
光電効果では電子が飛びだし, コンプトン効果では電子は観測されないとありましたが, つまり光電効果では自由電子が飛びだすということですか. また, コンプトン効果が X 線でしか起きないのはなぜですか. 光電効果に比べて大きなエネルギーが必要になるのでしょうか. M: どの電子が飛び出しやすいかは, 容易に想像できるのでは? // しかし質問文の「つまり」以前の文言との論理関係は意味不明だ. // 「光電効果に比べて大きなエネルギー」とは?

16s2005: 
古典物理学のように, 今の物理学もより厳密性の高いものへと変わっていくことはあるか. M: 根本的に勘違いしているのでは? 古典物理学は, 量子論や相対論に対してある種の近似を導入した結果なのだから, その分だけ前者の方が厳密性は低いと言える.

16s2006: 
光電効果で電位差に逆らうことができるとあったが, 電位差に逆らえるのは光電効果だけなのか. M: 一体どういう勘違いか? // 平地を運動している物体が, その運動の勢い (運動エネルギー) のために重力に逆らって坂を登ることができるのは, 日常的にも経験していると思うが?

16s2007: 
電子のエネルギーが $ \DS E_$e$ = \sqrt{m^2 c^4 + p_\text{e}^2 c^2}$ で表されるのはなぜですか. M: 相対論の入門書でも見て勉強すればいいのでは?

16s2008: 
太陽はほぼ水素とヘリウムから成っているが出す光は白色であるのは, どうしてか. // なぜ光の波長の変化により, 古典物理学では, 様々な系列が必要になってしまったのか. (何が矛盾してしまったのか) // 教科書に軽くて簡単な原子は単純なスペクトルを持つと書いてあるが, なぜ軽くて簡単なものは, 単純なスペクトルを持つのか. M: 太陽にある H や He は, 原子として存在しているわけではない. 太陽全体として黒体輻射に近似できる. // 意味不明. 勘違いでは? // 本気か? 原子番号の小さい原子 (軽い原子) は, 単純なつくりをしているというのは, 容易に想像できるのでは?

16s2009: 
教科書の図 1.4 で, KE$ = h \nu - \phi$ の直線を縦軸まで延長する場合, 電子は軌道の影響を受けて, 直線ではなく階段上[原文ママ]になるのではないか. M: 本気か? 講義ではグラフの直線を左下に延長したが, KE$ < 0$ は現実にはあり得ないので, 延長した部分に現実的な意味は無い. ただ縦軸との交点が, $ -\phi$ になるのは, 数式で示されている通り. よって ``軌道の影響'' や ``階段〜'' は意味不明

16s2010: 
輻射強度が振幅の 2 乗に比例するというのは どのような根拠からわかることですか? 数式でその根拠を示すことができるのでしょうか? M: 古典物理学, 特に力学や波動について, 復習すればいいのでは?

16s2011: 
光は粒子であると考えた時の発光スペクトルの図に表れる線は, 規則的に並べられた点の集まりと考えることは出来るのか. // 光のエネルギーや電気のエネルギーの「エネルギー」というのは, どのエネルギーにも変換が可能なのか. M: 何を聞きたいのか意味不明. 数学上の線は点の集まりという話?? // 物理学の基礎の基礎を復習する必要があるのか??

16s2012: 
コンプトン効果で紫外線を電子にあてると別の角度で紫外線がでて, 電子は別の角度へと移動し, 運動量, エネルギーの保存則は成り立つという説明が, 物質に紫外線を当てたときは, 紫外線だけがでて, 物質は移動したり紫外線を吸収したりしないのですか. またそのときでも, 運動量やエネルギー保存則は成り立つのですか? M: 本気? コンプトン効果で用いられるのは紫外線じゃなくて X 線. 物質に照射された X 線は, そのほとんどが物質を通り抜けるが, 一部は散乱されたり吸収されたりする (cf. レントゲン撮影). そもそもコンプトン効果は, 光子と電子のビリヤード問題だと講義で述べた.

16s2013: 
今日の講義は 2 次元のコンプトン効果を扱いましたが, 現実には 3 次元の運動をすると考えられます. 3 次元方向に飛び出す場合でも, $ \Delta\lambda$ は角度にのみ依存するのでしょうか. M: もちろん現実は三次元空間での話だが, ある入射してきた X 線, それが散乱されて出ていく X 線, そして反跳した電子の三者は同一平面内にある. よく考えてみよ.

16s2014: 
水素原子のスペクトルの輝線を説明する式はあるが, 水素原子より複雑な他の原子のスペクトルを説明できる式は, 発見されているのか. M: 寡聞にして聞いたことがない. 調べて, もしあったら, 教えてくださいネ

16s2015: 
原子のスペクトルを観測する時には他の不純物が混入しているとその不純物のスペクトルまで観測されてしまうため 1 度真空状態にするというのは分かるのですが, 光電効果の時は, 真空にしなくても何も影響を与える要素が無いように思うのですが, しなければならない理由があるのですか. M: この実験では, 光が照射された金属から飛び出してきた電子が, 電位に逆らって飛行して電極に到達する. よって電流が流れるか流れないかのギリギリの電位が, 電子の持つ運動エネルギーということになる. このとき電位以外に電子の飛行を邪魔するもの, たとえば空気の分子 (窒素や酸素) が存在していたら, 出てきた電子の持つ運動エネルギーを正確に測定することはできない.

16s2016: 
しきい振動数というものは それぞれの金属に特有なものであるということですが, どのようにして決まっているのですか. 原子番号などに関係しているのですか. M: もしも 1 個の原子から電子が飛び出してくるのであれば, しきい振動数はイオン化ポテンシャルに対応する. 実際にはマクロな金属の電極なので, フェルミ準位ということになるのかな?

16s2017: 
(1) $ \DS \d\rho(\nu,T) = \rho_\nu(T) \d\nu = \frac{8 \pi h}{c^3}\frac{\nu^3 \d\nu}{e^{h \nu / k_\text{B} T} - 1}$ から $ \lambda \nu = c$ の関係より, プランクの分布則を振動数の代わりに波長で表した式 (2) $ \DS \d\rho(\lambda,T) = \rho_\lambda(T) \d\lambda = \frac{8 \pi h c}{\lambda^5}\frac{\d\lambda}{e^{h c / \lambda k_\text{B} T} - 1}$ を証明する際に, (1) の右辺を変形していくだけでは負の記号がついてしまいます. どうすれば証明できるのでしょうか? M: 数学的には, 負号が付くのが全く完璧に正しいのでは? 数学的には正しくない式変形を, どうやって 証明 できるというのか? // 負号がつくことの, 物理的な意味を考えればいいのでは?

16s2018: 
$ \DS \frac{1}{2} m v^2 = h \nu - \phi$ という式が導き出されましたが, 何故, イオン化エネルギーである ``$ \phi$'' を差し引いているのでしょうか. M: 16s2016 参照

16s2019: 
p.15 の図 1.6 で 水素スペクトルの輝線の系列に関する振動数が $ \DS \frac{1}{n^2}$ ($ n$=3, 4, 5) に対してプロットされていた図があったのですが, $ n$=1 や 2 がないのはなぜですか. M: バルマー系列だからでは? // ボーアの理論を学べば分かる.

16s2020: 
X 線を電子に当てると角度が変わるのは分かるが, なぜ波長が変わるのか. M: X 線の角度が変わることを理解してたら, こんな質問はしない. // 運動エネルギーと運動量の保存の式から, 自分で導出してみればわかるのでは?

16s2021*: 
水素放電管に重水素を使用していた場合, どうなるのか. M: 原子核の質量に起因する性質なら変化する. ボーア理論では, どうか?

16s2022: 
光電効果の実験において, なぜ, 光のエネルギーが電子に与えられると運動エネルギーになるのですか. M: 他の形態のエネルギーとしては, どんなものが考えられるのか?

16s2023: 
今, 現代の物理学は, 古典物理学のように限界に到達していますか? M: 例えば陽子の寿命は正しく予測できていない.

16s2024: 
プランクが始め, 当時は古典物理学に反するとして批難されたであろう, 光のエネルギーを量子化するという前提は今回の講義を聴くかぎり, もはや基本事項となっているように思われますが, もうこの真偽が疑われることはなかったのでしょうか. M: 量子力学がこれほど成功しているのに, いまさら光を量子化しないという考え方はありえない.

16s2025: 
先生は講義中に「振動数」と「周波数」といったように同じものに対し 2 つの言い方をしていましたが, この使い分けにこだわりはありますか. また, あるのならどのようなこだわりがありのですか. M: 英単語 frequency に対応する語, こだわりは特にない. // 電波の時には周波数を使う傾向があるかも.

16s2026: 
「原子スペクトルはそれぞれの原子に固有で, 原子の電子配置に依存していると考えて当然」とあるが, 質量などの要素には依存しないのか. // しきい振動数は電子が放出される最少の振動数だが, 振動数が大きくなりすぎても電子が放出されなくなる点はないのか. M: 何の質量の話か? 16s2021 参照 // 16s2039 参照

16s2027: 
金属に光を当てると電子が流れますが, エネルギーの大きい光を当てると, 電子の流れる速さや数はどうなるんですか? M: 光電効果について, 教科書や参考書をよく読めばいいのでは?

16s2028: 
なぜ光電効果の金属の例として挙げられているのが p.12 のようなアルカリ金属であるのですか? M: 16s2016 参照

16s2029: 
光は波と粒子どちらの性質を持つと考えてよいのか? もしそうならつねにどちらの性質もっているのと考えるのか[原文ママ], もしくは状況に合わせて性質が切り替わっていると考えるのか? M: 日本語が変. 「もしそうなら」の ``そう'' とは, 何を指すのか? // どちらの性質を持つのかは, 実験事実から明らか. もしも性質を切り替えるとしたら, だれが切り替えの判断をするのか?

16s2030: 
しきい振動数はすべての金属で同じなのですか? それとも金属ごとに存在するのですか? M: 光電効果について, 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは? 16s2016 参照

16s2031: 
金属に光をあてて, しきい振動数を測定することができたら, その金属がどんな金属かを特定することは可能ですか? M: それだけでは難しいかもしれないが, 16s2016 参照

16s2032: 
しきい振動数とは, 細かく言うと何が発する波なのですか? また, なぜしきい振動数以下では電子が放出されないのですか? M: 勘違いの予感. 光電効果について, 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは?

16s2033: 
光電効果の実験を真空中で行うのはどうしてだろうか. // 光電効果において, e$ ^-$ が光のエネルギーを受けとって飛び出したが, 金属だけでなく, 人体でもそのようなことが起こっているのだろうか. M: 16s2015 参照 // 16s2016 参照

16s2034: 
光電効果において金属に光を当てることで電子が移動するとありましたが, あてる金属によって光のしきい周波数 $ \DS \nu_0$ や量が変わることはあるのでしょうか. M: 16s2030 参照

16s2035: 
リッツの結合則では, 適当な振動数を選択すると差が同じになる組み合わせが存在するということだが, それを見つけたことで, つまりどういうことなのか? M: 16s2001 参照

16s2036: 
古典物理学では, 光は波として扱い, 量子の考え方が入ってから光は粒子でもあると考え出したのですか. M: 科学史を勉強すればわかるのでは?

16s2037: 
コンプトン効果で, X 線 (光) のことを波ではなく, 粒子として扱わないと説明できないとありましたが, 質量を考えなくていいのは, なぜですか. M: 物理の基礎を復習する必要がある? 運動量の保存則, エネルギーの保存則 に基づいて, 自分で考えてみれば分かるのでは?

16s2038: 
コンプトン効果の説明のとき, 物体に X 線を透過させましたが, この物体はどういった物なのですか. M: コンプトンが実際に何を用いたのかは知らない. 効果の内容から, どんな物体であるべきか?

16s2039: 
しきい振動数は金属特有の最少の振動数とあり, それより小さい振動数は無いということであるが, 逆に最大の振動数の限界値はあるのか. M: エネルギーが大きすぎて電子が放出されないとは, 一体どういうことか?

16s2040: 
光電効果は振幅より振動数に関係があるといっていましたが, 光電効果の起こる振動数で振幅を変えると KE は変わりますか. // 光電効果の陰極と陽極を変えると $ \DS \nu_0$ は変わりますか. M: 光電効果について, 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは? // 「陰極と陽極を変える」とは, どういうことか?

16s2041: 
バルマーはどのようにして $ \DS 1/n^2$ (n=3,4,5...) を導いたのですか. M: 本人に聞けばいいのでは :-p

16s2042: 
電子についての式で $ m$ とでてきましたが, 電子に質量があると単純に考えてよいのですか? M: 本気か? 科学の基礎の復習が必要か??

16s2043: 
バルマーの式とリュードベリの式は, 数字を変えれば, 同じ値がでるのなら なぜ統一しないのか. M: 科学観がへん. 「一般化」や「科学史〜」 という話が全く理解されていなくて残念.

16s2044: 
光を粒子と考えたときに, その粒子の持つエネルギーに抵抗するような力は存在するのですか? もし存在するならば粒子の持つエネルギーが 0 に収束した場合, 粒子はどうなってしまうのですか? M: 物理学の基本の復習が必要か? // エネルギーと力を混同してる??

16s2045: 
黒体輻射には古典物理学で説明できない実験事実とおっしゃっていましたが, 古典物理学でしか説明することができない実験事実はあるのでしょうか? M: 現代物理学の発展の経緯を考えれば明らか.

16s2046*: 
水素原子以外のスペクトルも観測されているということですが, 周期表の同族にあるもの同士のスペクトルに類似性は生まれるのでしょうか. M: 似ている/似ていないの判断基準は?

16s2048: 
金属表面にある電子は強度 (振幅) が増大すれば電子が激しく振動するとあるが, しきい振動数以下で強度だけが高いという状況はどういうときに起こるのか. M: 教科書の文章を丁寧に読んで, 物理学の基礎を思い出せば分かるのでは?

16s2049: 
光のエネルギーは振幅の二乗に依存し, 振動数には関係ないことは学んだが, 音波や津波など全ての波のエネルギーは振動数に関係ないのだろうか? M: 何をどこで学んだのか? 誤解があるのでは??

16s2050: 
しきい振動数はどのような金属電極にしても発生するのか. また, なぜしきい振動数がでてくるのか. M: 16s2016 参照

16s2051: 
水素を放電してでてくる波長がばらばらなのは分子ごとにうけるエネルギーがちがうからなのでしょうか それとも他の要因があるのでしょうか. M: それでは特定の波長しかありえないことが説明できない. 量子化学を学べば分かるのでは?

16s2052: 
水素原子のスペクトルの輝線を表す, リュードベリの式のように, 他の原子のスペクトルの輝線を表す式もあるのですか? M: 予習不足か?

15s3005: 
なぜバルマーは $ \DS 8.2202 \times 10^{14} (1 - \frac{4}{n^2})$ と定義付けたのか. これは実験的に出したのですか? 経験則なのか. M: 定義, 実験的, 経験則 など基本的な言葉使いが意味不明.

15s3007: 
プランクは, ひとたび光のエネルギーが放出されると, それは古典的な波動として振舞うと信じていたとあるが, 一体どんな実験結果または仮説などからそうなると思ったのか. M: 本気か? プランクの式以外では, 回折や干渉など, 光が波として振舞うことが常識なのでは?

15s3014: 
スペクトルを測定するとき誤って 2 つの原子が入っていたときにスペクトルはどのように表されますか? 双方のスペクトルが同時に観測されるのでしょうか. M: 「2 つの原子」だけを. どうやって装置に導入するのか??

15s3025: 
しきい振動数はなぜ存在するのですか. M: 光電効果について, 教科書や参考書をよく読めば分かるのでは?

15s3028: 
なぜバルマー系列は $ n \geq 2$ で, パッシェン系列は $ n \geq 3$ となるのか. またこれらの系列は何が異なっているのか. M: リュードベリの式を見て良く考えればわかるのでは?

15s3039: 
図 1.5 において, 波長が大きくなるにつれ, 輝線スペクトルの間隔も大きくなるのはなぜか. M: 本気か? 具体的に波長を求めて, 間隔を見てみれば分かるのでは?

14s3034: 
コンプトン効果についての電子のエネルギーの式「 $ \DS E_$e$ = \sqrt{\text{○}}$」がどのように導いたのか分からなかった. M: 質問文になっていない. // 16s2007 参照

14s3046: 
スクリーンに映し出された輝線スペクトルの波長は 当時, どのように観測していたのでしょうか. M: 当時よりも進んでいる現代のあなたならどうする?



rmiya, 2017-01-16