構造物理化学I (20161014) M: 以下は宮本のコメント
16s2001: 
古典物理学など昔の学問には現代で知られる法則と違うものは存在したのか, 存在したのならそれは実測値に合わないことになるがなぜ採用されたのか. M: 測定技術もまた進歩しているので, 昔と今とでは測定精度が大きく異なるだろう.

16s2002: 
実験自実[原文ママ]に合う法則が見つかったのなら, 合わなかった他の法則からは何が学べますか? M: 人によって得るものが異なるのでは?

16s2003: 
3 つの式が全て重要なのは分かったのですが, 本当に全部必要なのですか. M: ``3 つの式'' が何を指すのか不明 (講義では 3 つより多くの式を書いた). この質問が出るということは, 重要性について理解したとは考えにくい.

16s2004+: 
黒体は全ての振動数を吸収・放出する理想的な物体とある. 全ての振動数を吸収・放出することはどのような点で理想なのか. M: 勘違いの予感. 現実の物質で, 黒体のように光を吸収・放出する物質はない (非常に近いものはあるが). そういう性質の仮想的な物質を考えるという意味で, ``理想気体'' と同じ使い方. この ``理想的'' という用語には, 善し悪しの価値判断を含まない.

16s2005: 
電磁気学や力学, 熱力学などのすべての物理を統一する理論を得るにはどうすればよいか. M: 未完のモノの達成方法を知る人はいない. あなたが統一方法を発見すればいいのでは?

16s2006+: 
現代の新しい物理学の一部が古典物理学であるという話があったが, なぜ初めて物理に触れる高校では, 一部である古典物理学から教えるのか. M: 日本の教育課程で, 初めに科学 (理科) に触れるのは, 小学生だ. 彼らに最初から量子論・相対論を教えるか? // なぜ小学生に漢字の一部である常用漢字の, さらにその一部の教育漢字から教えるのか?

16s2007*: 
波長と温度と強度が関係あるという話でしたが, 強度は数値としてどのように出しているのでしょうか. M: 空間に存在している電磁波のエネルギー密度, というのが正確な表現. $ \rho$ の単位はふつう $ \DS$   J m$ ^{-4}$.

16s2008: 
プランク定数を 0 にすれば量子力学は電磁気学と一致するとのことだが ある状態においてはプランク定数が変化するような物質があってもいいのではないだろうか?? また光速を $ \infty$ とする相対性理論も同様なものがあってが[原文ママ]いいのではないだろうか? M: 空想の世界か? // (クラークの法則はあるが...) 科学のリテラシーを身につければ分かるのでは?

16s2009: 
プランクの法則によって, 物体の温度を計測できるなら, 反応中の物質の光の波長と温度を測って, 物質が何であるか調べることができるのではないか. M: 熱平衡とは?

16s2010*: 
この講義で使用している教科書 (物理化学 上) の 6 ページの図 1.1 のグラフに, 横軸 $ \DS \nu / 10^{14} ~$s$ ^{-1}$ の表しているものはなんですか? 「無次元の数が振動数を $ 10^{14} ~$s$ ^{-1}$ で割ったときの値」になぜ等しくなるかはわかっていなかったのですか? // アインシュタインはプランクの仮説のどの部分を採用したのですか? 「プランク定数が使える」と判断したのでしょうか? M: 図のキャプションの後半は, 表記法の説明. 軸には ``数値'' を目盛る約束・きまりなので, この表記は $ \DS \nu / 10^{14} ~$s$ ^{-1} = 5$ 即ち $ \DS \nu = 5 \times 10^{14} ~$s$ ^{-1}$ 等を意味する合理的な表記法である (スラッシュ ``/'' は区切り記号ではなく, 除算の意味). 日本の高校教科書では ``$ \nu$ $ \DS 10^{14} ~$s$ ^{-1}$〕'' と表記される. // エネルギーの量子化

16s2011: 
古典物理学と現代科学で分かってきた分野には特徴の違いはありますか. // (*) 加熱することで変化する色にはどのような意味があるのですか. M: 講義での説明が伝わっていなくて残念. 違うから, 区別される. // 16s3019 参照

16s2012: 
量子力学や相対性理論が現代科学として発展し, 現代の技術や理論に役立っているのなら, この学科で量子力学だけ学び相対性理論は学ばないのですか? M: 各学科には専門分野がある. 物質をあつかう化学系学科では, 量子力学の方が重要. しかし教養科目や他学科の専門科目として相対性理論を学ぶことは可能. 大学は ``自由に'' 学ぶ所だから.

16s2013: 
実測値に基づいた経験則と, 現代科学に基づいて理論的に導かれる式においてより意味のある事実はどちらですか. M: 実験と理論と, どちらが重要か? だれが意味づけをするのか?

16s2014: 
レイリー・ジーンズの法則が導かれたときは, 量子化学ではなく, 古典物理学を用いて当時では正しいと言われており, プランクの法則では, 量子仮説を用いたから実測値を出すことができたのは分かりました. ではウィーンの放射法則はわずかにプランクの法則と違いますが, ウィーンも量子仮説を用いて惜しい所までいったのか, それとも, ただ実測値に近づこうと式を組み立てたか どちらですか. M: 本人に聞けば? 他人が教えてくれるのを待たずに, 自分で調べればいいのでは?

16s2015: 
量子力学の考えを使うと放射線やエーテルの未解決であったことも解決できたということで, 教科書にもすべての化学が拠って立つ基礎を形成しているとありますが, それでは相対性理論の必要性はあるのですか. M: 講義中に少し紹介したのだが, 伝わっていなくて残念.

16s2016: 
ウィーンの変位則によると光の波長によって温度が決まるはずなのにどうして同じ温度の場所にある同じくらいの温度の物がさまざまな色に見えるのですか. M: 大前提を忘れているから.

16s2017: 
予め, 教科書を読んでおいたときに, ウィーンの放射法則についての説明が一章にはありませんでした. プランクの法則の元になった式なのに, 説明があまり書かれていないのは何故なんでしょうか? M: 元になったという説明などしていないが? // 著者に聞けばいいのでは?

16s2018: 
万有引力は, 何故生じるのかを現代科学で説明できるのでしょうか. もしできるのなら, それはなぜ質量に比例するのですか? M: 科学は, 仕組みを解明することはできるが, なぜ存在するのかを解明することはできない. // 万有引力がどの様に作用するかは, 一般相対性理論として記述されている.

16s2019*: 
物体を加熱すると光るとあったのですが, 細かく言うと何が光るのですか? M: 物体が加熱されるということは, エネルギーを受け取ったということ. 熱い物体は, 輻射により熱を放出して冷める. 光 (電磁波) は, 電荷の加速度運動によって放出される (電磁気学の常識).

16s2020: 
プランクの法則で, なぜエネルギーが $ h \nu$ のかたまりでやりとりされると仮定したのか. M: 本人に聞けばいいのでは? // 今となっては, それが自然の姿だから.

16s2021: 
古典物理学においての力学には, どれくらい限界があるのか. M: ``どれくらい'' とは, 程度をどう測るのか?

16s2022+: 
古典物理学と現代科学との間で, 矛盾が生じなくなる可能性はありますか. M: 自然の記述方法・自然観が違うので......

16s2023: 
第一章の「量子論の夜明け」を, なぜ黒板に英語で書かれたのですか? M: 原著が英語で, 日本語にこだわる必要性はない. 理系の国際共通語は英語なので, 化学を英語でも学んでほしい.

16s2024: 
各国の学者がその国の科学がどれ位進んでいるかを表す象徴のようなものであったと思われますが, その当時国を越えての協力関係は築かれなかったのでしょうか. 仮想の話ですが, そうした方がより究められたのではないかと感じます. M: 科学に・科学者に国境はないというのは, 常識的な科学者の意識だと思われる (科学的な知見を国内で秘匿する必要性はない). 19-20 C の科学者の伝記など, 読書感想文(仮) のネタ?!

16s2025: 
光は粒子性と波動性の両方を兼ねそなえていて, その時々でどちらのふるまいが顕著に表れるかが変わりますよね. この特異的な性質は光以外にも現状確認されていますか. 波動性の定義の理解が不十分なので, 今回の授業で分子が波長をもつということが波動性をもっているといえるのか分からなかったのですが, 分子ないし原子も波動性をもっているといってよいのでしょうか. M: ``光は, 月水金は波, 火木土は粒子としてふるまい, 日曜日には休む'' :-p // 物質の (物体の) 波動性は $ \DS \lambda = \frac{h}{p}$ で言い尽くされている. 教科書の 1.6-1.7 節, 例題 1.6, 1.7 と表 1.2 など参照.

16s2026: 
レイリー・ジーンズの法則, ウィーンの放射法則ともに期待される実測値とは微妙に違っているのに, どうして完璧に一致しているプランクの法則と同列で正しいもののように語られているのか. 実験で結果が思わしくないのならその理論は間違いで, 議論する必要がないのでは? 科学の世界で容認される誤差とは? 少しでも一致していれば容認されるのか? M: 誤解の予感. 同列で正しいもののようには語っていない. // 現在知られている科学理論も, 全てが最初から完璧な形で生まれたわけではない. また測定結果も, 初めから高い精度で広範囲のデータが得られるとは限らない. 読書感想文(仮) のネタか?!

16s2027: 
19C で分かっていたことを基にして, 分からなかったことを なぜ解明できなかったんですか? M: 理論の守備範囲を理解していない予感.

16s2028: 
プランクの法則が正解であるのならば, なぜレイリー・ジーンズやウィーンの法則も残されているのでしょうか? M: 意味不明. たとえ間違っていたとしても, 彼らが考えたという事実や発表された論文の存在は抹消できない.

16s2029: 
量子力学を基本とすれば あらゆる自然現象も解くことができるのか, また存在しない現象も導くことができるのか? M: 量子力学は非相対論なので, これだけでは完全ではない. // 良い科学理論は, 既知の現象を説明するだけでなく, 知られていない現象の予想も可能. // ``存在しない現象も導く'' とは?

16s2030: 
シャーペンのしんに電気を通すと光る現象も黒体輻射に含まれますか? 物体が燃えている状態は黒体輻射とは別のものですか? M: 個別の事案について, いちいち他人の判断に頼らずに, 自分で判断できるようになるべき.

16s2031: 
ウィーンの変位則では, 光の波長から温度を測ることができますが, 光の波長を観測できない場合, プランクの法則などを用いて, 他のものから観測することは可能ですか. M: 意味不明. ``プランクの法則などを用いて, 他のものから観測する'' とは, どういうことか?

16s2032: 
高温になるにつれ, 輻射は赤, 白, 青へと変化するということですが, 蛍光灯を見ると焚火のときの炎よりも低温だと思うのですが これはどうしてですか? M: 発光の原理が異なる. 16s2016 参照

16s2033: 
鉄を高温に加熱するとなぜ, 赤色の光を発するのか. M: 16s2019 参照

16s2035: 
サーモグラフィックの技術を利用して, 地下深くの温度変化を観測して自然災害の発生を予測できるか? M: どうやって地下深くからの輻射を捉えるか? 観測している地表からの輻射と区別するか?

16s2036: 
黒体輻射は物質を加熱すると光ると習いましたが, 物質が燃焼して, 光や炎を出す場合も黒体輻射となりますか. M: 16s2030 参照

16s2037: 
黒体輻射について, 「物体から放出される光の正確な振動スペクトルは, それぞれの物体自体の性質に依存して決まる」と教科書にありましたが, 「物体自体の性質」とは具体的に何ですか. M: 組成や構造でしょ, もちろん.

16s2038: 
同じ製品を職人と機械が作った場合におきる小さな差は, 機械にプログラムされていない仮定を含むと思います. それを見つけるには「職人を化学する」ということになるのでしょうか. M: いいえ. 科学する, ですネ. また職人の技や感覚をなめてはいけない. 場合によっては, 現在の工作機械の精度以上のものがある.

16s2039: 
プランクは量子仮説を用いて黒体輻射の法則を導いたとありましたが, 導けたことによって, 当時は古典物理学のみだったのに世間に量子力学がすんなりと浸透したのでしょうか. M: いいえ. 読書感想文(仮) ネタ?!

16s2040: 
ウィーンの変位則は全ての物質にあてはまりますか? また混合物ではどうなりますか? M: 典型的な誤解の予感. 16s2016 のコメント参照

16s2041: 
ボルツマン分布とは何か. // エーテルのような呼ばわれ方をされているものは他に何があるのか. M: 自分で調べようとしないのは何故? 大学以上では ``教わっていない'' は無知の言い訳にならない. // そんな神秘的な物質は無い.

16s2042: 
プランクの仮定はどのようなことをもとに考えられたのですか? M: 本人に聞けばいいのでは? :-p

16s2043: 
昔の人は今ほど, 実験道具が豊かでないのになぜ現代でも通用するような法則をだすことができたのか. M: 基本的な法則は発見できたが, 精度の高い法則は出せていないのでは? また当時も, 技術の進歩があって初めて出せたものもあっただろう.

16s2044: 
これから勉強していく構造物理化学は黒体輻射以外でも量子力学と関係があるのですか. M: 勉強すればわかるのでは?

16s2045: 
物体 (物質) を加熱すると光る とあったのですが, どのような原理で光るという結果になっているのでしょうか? 波長や振動数が関係しているのでしょうか? M: 16s2019 参照 // ``波長や振動数が関係'' って, これらを何だと思っているのだろうか?

16s2046: 
黒体輻射の理論を用いて温度を推定する際に外部からの影響を受けて不正確な値になることはあるのですか? M: 例えばどんな影響が考えられるか?

16s2048: 
19C 末までに光のことをよくわかっていなかったときに, エーテルとよんでいたとお聞きしましたが, 現在分子の構造にもエーテルとよばれているものがありますが, どういった関係があるのですか. M: 16s2041 の前半のコメント参照

16s2049: 
常温でも波長の放射が起こっているとは思うが, 常温の黒体輻射のエネルギーを集めて発電することはできるだろうか? M: ``波長の放射'' とは, 珍妙な表現だ. // 常温だけが特別ではない. 他の温度の時と同じ法則に従ってふるまうだけ. またエネルギー保存則も成り立っているのは, 宇宙の大原則.

16s2050+: 
理論的に考えた式が間違っている要素がないとしても実験結果と少しでも違うと惜しい式になるとおっしゃっていましたが, では, なぜその惜しい式まで教えるのですか. M: 正しい科学観を養うため. 16s2026 参照 // ``科学というものは絶対的に正しい知識のリストであり, 科学を学ぶとはそれを暗記すること'' という考え方は間違っている.

16s2051: 
波には熱や光いがいにも他にはどんな情報が分かるのですか // あと質問のプリントの :-p はなんですか M: 著しく誤解している予感. そのためか, 質問が全く意味不明 // 首をひねって考えてみればいいのでは? :-p

16s2052: 
量子論の出現のような現在の学問の知識をくつがえす発見は, 今後あり得る話ですか? M: 可能性はゼロではないが, 厳しいだろう. 地球上で達成できないほど高エネルギーの領域が必要かもしれないので.

15s3005: 
p.23 の図 1.9 についてボーア理論によれば電子は円軌道でまわっているとあるが図の (a) のような軌道をとるとあって矛盾しているのはなぜか. M: 何がどう矛盾しているという質問なのか, 意味不明

15s3007: 
黒体はすべての振動数を吸収・放出する理想的な物体であると書いてましたが, なぜ黒体だけが放出以外に吸収もするのか. また, これに関して, 太陽の黒点やブラックホールも似たようなことが言えるのか. M: 吸収・放出の両方を行うのは黒体だけではない. 物質一般に言える. // 黒点は似たようなことが言えるだろうが, ブラックホールでは言えないだろう. しかし理由は ``黒'' だからではない.

15s3014: 
可視光線は赤〜青の間に緑を含んでいますが輻射は赤〜青の間は白になっています. これはなぜですか. M: 光のスペクトルを考えてみれば自明. 前者は単色光の話だし, 後者は広い波長領域に分布した光 (の混合) の話.

15s3025: 
強度-波長の図の面積は強度を表すと説明されましたが なぜですか? M:  $ \lambda \sim \lambda+\d\lambda$ の間の波長の光のエネルギー密度が $ \rho(\lambda,T) \d\lambda$ と定義されているから.

15s3028: 
エネルギーが $ h \nu$ のかたまりということは $ E = h \nu$ となるが $ \DS E = m c^2$ なので $ h \nu$$ \DS m c^2$ の値は一致するのはなぜか. // 水はとうめいなのはなぜか. M: 本気か? 質量ゼロの光子について $ \DS E \neq m c^2$ のはずだが?? // 可視部に吸収がないから.

15s3039: 
レイリー・ジーンズの法則が理論的に正しくても, 現実的には間違っているのはなぜか. M: 古典的な物理理論の適用限界を越えた対象に対して, 理論を用いているから.

15s3041: 
水素スペクトルに関して質問です. ここではバルマーが有名ですが, ライマンやパッシェンの系列はどのように求められたのでしょうか? 式があるとしたら, なぜ, バルマーのみがとりあげられているのでしょうか? // 宇宙では音は伝わらないと言っていたが, その伝わらない音は, 音源に返ってくると考えたのですが, 宇宙空間にスピーカーを投げ出して音を出したらどうなりますか? M: リュードベリの式があるが? // ``音が返ってくる'' とは? // だから音は出ないってば (苦笑).

14s3007: 
レイリー・ジーンズの法則は高波長側が精度が良く, ウィーンの放射法則は低波長側が精度が良くでますが, この 2 つを使えばそれなりの結果が出せないですか? M: 二つの式をどこで切り替えるのか?

14s3046: 
まだ理論的な考え方 (数式) がないころは 実験値に合わないと認められなかったが, その実験が正しいとどのように判断していたのか. M: 前半部が意味不明. 後半部については実験事実に誤りはない. 理由が不明な因子により期待した結果じゃないことがあるだけ.



rmiya, 2017-01-16